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  • 2022/06/29 掲載

CDPとは何かをわかりやすく解説、製品比較・選定で押さえるべき3つのポイント

連載:デジタル・マーケット・アイ

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顧客一人ひとりの属性データやネット上の行動データなどを収集・統合・分析するプラットフォーム「CDP(Customer Data Platform)」に注目が集まっています。個人情報保護法の改正やGDPR(個人情報保護委員会)などのセンシティブなデータへの利用制約が広がっていることもCDPが期待を集める理由の1つです。この記事ではアイ・ティ・アール(ITR) 水野慎也氏監修のもと、CDPの基本知識・市場規模、主要機能などについて解説するとともに、製品比較・選定のポイント、トレジャーデータ、ブレインパッド、b→dash(ビーダッシュ)などの代表的なツールの特徴を合わせて紹介します。

監修:アイ・ティ・アール シニア・アナリスト 水野慎也

監修:アイ・ティ・アール シニア・アナリスト 水野慎也

ユーザー企業にて情報システム部門に20年以上在籍し、生産・調達・物流を中心にエンタープライズアプリケーションの企画・開発・導入を担当。SCMパッケージの導入推進など各種プロジェクトを担当するとともに、組織運営・IT戦略立案などに携わる。また、広告宣伝部門にてデジタルマーケティングを推進。2019年4月よりITRのリサーチ・フェローとして活動。2020年4月入社し、現職。

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CDP(Customer Data Platform)とは何か?
(Photo/Getty Images)

CDPとは何か?

 CDP(Customer Data Platform)とは、顧客に関するあらゆるデータを蓄積・統合・分析することによって、顧客1人ひとりに最適なアプローチの方法を導き出す支援をしてくれるマーケティングツールです。

 CDPに取り込むことができるデータは、自社で収集できる顧客の属性データ、Webサイトのアクセスログ、購買履歴といったファーストパーティデータに加え、グーグルなどのような第三者機関から収集できる位置情報や推定年収といった匿名のデータ(サードパーティデータ)など幅広くあります。顧客に関わるデータであれば、ほぼすべてのデータを取り込んでいくことが製品のコンセプトになっています。

 中でもポイントは、CDPに取り込んだあらゆる顧客に関するデータを、特定個人を識別する顧客IDデータと結びつけることができる点でしょう。CDPを活用すれば、顧客1人ひとりの嗜好を理解して洞察を得ることができるため、その後のマーケティング活動(メール配信、広告配信など)に生かすことができます。

CDPとは何か?
CDPは、自社サイトのアクセスログや顧客データ、購買データなどを統合・正規化し、各種のチャネル(メール配信システムや広告配信システムなど)に、セグメントされた情報の作成と活用を目的とする製品・サービスである。
(出典:ITR)


「CDPは顧客の行動と意識を可視化するためのソリューションとして、デジタルマーケティング分野において地位を確立しつつあります。コロナ禍においてオンラインとリアルの双方の行動と意識を一貫して捕捉し、データとして蓄積する同ソリューションへの期待は今後も増すと予想されます。これからのCDPには、大量データの高速処理に加えて、得られた行動と意識データを顧客IDに漏らさず紐づける正確さが求められます。CDPへの機能要求はさらに拡大すると見られます」(水野氏)

CDPの基本機能

 CDPの役割は、顧客一人ひとりに最適なアプローチができるよう支援することです。そのためCDPには、得られた大量のデータを蓄積し、高速処理に加えて、顧客IDに漏らさず紐づける正確さが求められます。

「CDPの基本機能は、簡単に言うと顧客IDに紐づいたデータを入れる巨大なデータウェアハウスです。検索したり、買い物したり、問い合わせしたり、メールを送ったりというログを丸ごと蓄積しながら、自動で顧客のプロファイルとセグメントを形成します」(水野氏)

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CDPの主要な3つの機能
(出典:ITR)

 CDPは、大別すると次の3つの機能を備えています。

(1)データ収集機能(顧客行動ログを取り込んで蓄積)
 CDPの3つの機能のうち、1つ目は膨大なデータを集める「収集機能」です。取り込むデータは、顧客の「氏名」「年齢」「性別」といった基本属性のほかに、アクセスログ、購買履歴、SNSや動画サイトのソーシャルデータ、アプリの利用履歴などに加え、CRM(Customer Relationship Management)など外部システムのデータまで幅広くあります。データのタイプも数値データなどの構造化データから、文章や画像などの非構造化データまで獲得できるのが特徴でしょう。またリアル店舗のPOSデータや、GPSを使った位置情報などと連携できるCDPもあります。

(2)データ統合機能(データのプロファイルとセグメントを生成)
 収集したデータを「格納する」部分にあたるのが、この「統合機能」です。データを顧客IDに紐付け、個人のプロファイルを作成していきます。そして、似たようなプロファイルを持つ顧客同士をグルーピングしてセグメントを作成します。顧客の嗜好ごとにグルーピングしておくことによって、次のマーケティングアプローチへスムーズに移行することができます。

(3)データ分析機能(マーケティングツールと連携)
 CDP自体にはメール配信など、マーケティングそのものを行う機能がないことが多いです。一方で、ほかのマーケティングツールと連携する「分析・活用機能」は有しています。メール配信やWeb施策を効果的に打つ、顧客分析に活用するなど、1人ひとりの嗜好に合わせた顧客へのアプローチを効率化することができます。

CDPとプライベートDMPの違い

 CDPに近いソリューションとしてDMPがあり、DMPにはプライベートDMPとパブリックDMPがあります。プライベートDMPでは、自社が直接顧客と関わったデータ(ファーストパーティデータ)を中心に扱います。一方で、パブリックDMP(オープンDMPとも言う)は、サードパーティデータと呼ばれる匿名の顧客データを扱います。

 CDPはプライベートDMPと似た概念ということになります。ではCDPとプライベートDMPはどのように違うのでしょうか。

「CDPという言葉が出てきたのは、2018年頃とごく最近です。CDPとDMPはほぼ同義ですが、CDPは顧客IDの紐付けを1対1まで落とし込めるところが最大の違いです」(水野氏)

 その点で比較すると、CDPは顧客1人ひとりを深く理解できるので、ワン・トゥ・ワン(1to1)に近いアプローチが可能となるところが大きな特徴となっています。

 一方、DMPはセグメント分けまではできますが、より1人ひとりに合わせたアプローチをするのであればCDPの方が適している、というのが水野氏の見解です。

CDPが必要とされる理由

 CDPが生まれた背景は、セールスフォースオートメーション(SFA) やマーケティングオートメーション(MA)など、デジタルマーケティングツールと深く関わっています。

 ネット上のカスタマージャーニーは、顧客の認知度向上に始まって、購買意欲の醸成、成約、リピーター化に至るまで、顧客とエンゲージメントを長期にわたって築くことが求められます。

 そこで、顧客1人ひとりに最適なコンテンツの広告を打つために、データを網羅的に集める“箱”が必要とされるようになってきたのです。

「顧客の注意・興味を引くといった『認知』の部分に広告を当てようとした場合、下図にあるデータ群をすべて網羅して顧客の行動や意識を可視化することが必要です。そうしたデータを貯め、管理しておくために生まれたソリューションがCDPなのです」(水野氏)

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カスタマージャーニーとCDPの関わり
(出典:ITR)

CDP導入のメリット

 CDPを導入することによって、どのようなメリットがあるのだろうか。水野氏は次の4つのメリットがあると述べます。

(1)1人ひとりを深く理解できる
 顧客が購買に至るまでの道のりは、さまざまなパターンが考えられます。CDPは顧客の行動や嗜好を深く理解し、可視化するので、顧客1人ひとりの行動パターンに寄り添ったアプローチが取れるようになります。

(2)マルチチャネルデータを蓄積できる
 顧客との接点はWebサイトに限らず、店舗、スマホアプリ、インスタグラム、LINE、メルマガなど多岐に渡ります。しかもキャッシュレス決済の増加や、無人販売の進展によって、データが複数の箇所に保管されてしまうケースも少なくありません。CDPであれば、あちこちに点在する顧客データを1つのデータウェアハウスにまとめておくことができます。

(3)作業を高速処理できる
 膨大なデータをすべての顧客IDに紐づけて統合する作業は、大変な負担と時間を要します。しかし、優れたアルゴリズムと分析によって、顧客のセグメンテーションを高速で自動仕分けしてくれる機能を持つCDPもあります。

(4)ファーストパーティデータを利用できる
 個人情報保護法の改正を背景に、Cookieによって集めたサードパーティデータを使うことが難しくなった。自社で保有しているファーストパーティデータを集めるCDPであれば、データの一元管理をしながら、個人情報保護法の改正に対応することも可能である。

【次ページ】CDP市場、CDP主要プレイヤー、CDP導入・製品選定の「3つのポイント」をまるごと解説

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