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  • 2022/08/24 掲載

DX人材とは? 現役CTO目線で見た「これから求められるスキルとマインド」

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一概にDX人材といっても、DX(デジタル・トランスフォーメーション)時代を生き抜き、さらに活躍するエンジニアは限られるだろう。DX人材にはどんなスキルとマインドが求められるのか。さまざまな組織の定義・進言を踏まえ、現場でスタートアップのCTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)として活動している筆者の目線で解説する。

執筆:manebi CTO(Chief Technical Officer)岡田 大輔

執筆:manebi CTO(Chief Technical Officer)岡田 大輔

東京電子専門学校卒業後、e-it入社し、エンジニアとしてシステム開発を担当。2007年にラック(旧A&I)社に入社し、人材業界向けの基幹システム開発を中心にプロジェクトマネージャを経て人材ビジネス向けシステムコンサルタントとして、マネージャとコンサルの両輪を務める一方で、認定スクラムマスター・プロダクトオナーとして同社のアジャイル開発センターの立ち上げに貢献。2019年エスアイ・システムに入社し、営業本部長兼人材ビジネスコンサルタントを担当。同2019年、manebiに参画。CTOとして日々プロダクトの企画と開発を牽引。エンジニアリングだけでなく、人材や世界観・思想等にも造詣が深い。

株式会社manebi
世界縁満を掲げるHEART-TECH COMPANY

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ビジネスをトランスフォーメーションするのと同じように我々もDXする必要がある
(Photo/Getty Images)

DX人材とは? DX人材の種類は?

 結論からお伝えすると、DX人材に対する明確な定義はない。企業や業界ごとに求められるものが異なってくるからだ。しかし、解釈が曖昧では、その推進において大きな社会的コストがかかることから、経済産業省の「DX推進指標」では、以下のように定義している。

  • DX推進部門におけるデジタル技術やデータ活用に精通した人材

  • 各事業部門において業務内容に精通しつつ、デジタルで何ができるかを理解し、DXの取り組みをリードする人材、その実行を担っていく人材

 上記から、DX人材は「デジタル技術やデータ活用に精通しているだけ」では不十分で、DXに向けた取り組み自体を推進することも求められていることが伺える。

 この定義を紐解いていくと、DX人材とは次のように定義できるだろう。
デジタル技術やデータ活用に精通し、自社のビジネスを深く理解した上で、競争優位性を確立するためのイノベーション構想を構築し、デジタル技術とデータ活用を駆使してビジネスへイノベーションを実行できる人材
・DXを推進する6種類のDX人材
 IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)では、DXを推進する人材が担う役割の例を以下のように整理している。

人材の呼称例 人材の役割
プロデューサー DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材(CDO含む)
ビジネスデザイナー DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材
アーキテクト DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材
データサイエンティスト/
AIエンジニア
DXに関するデジタル技術(AI・IoT等)やデータ解析に精通した人材
UXデザイナー DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材
エンジニア/プログラマ 上記以外にデジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人材

 後述するDX人材に求められるスキル・マインドセットでも触れるが、DX人材に時代が求めるものはエンジニアリングだけにとどまらないことが伺える。

画像
DX人材に求められるのはエンジニアリング要素だけではない
(Photo/Getty Images)

DX人材に求められるスキルとマインドセット

 ここからはDX人材に求められるスキルセット、そしてマインドセットについて触れていきたい。

・DX人材に求められる8つのスキルセット
 上述したDX人材の定義を振り返りつつ、噛み砕いて羅列すると、以下のようなスキルが問われるといえる。

  • デジタル技術、データ活用に精通している
  • 自社のビジネス価値を深く理解している
  • デジタル技術とデータを活用して自社ビジネスのイノベーション構想を描ける
  • イノベーション構想を実現可能な企画・推進ができる
  • イノベーション構想を実現可能な企画のサービス設計ができる
  • イノベーション構想を実現する組織、チーム組成ができる
  • イノベーション構想を実現する技術基盤の構築ができる
  • イノベーション構想を実現するシステムの実装ができる

 これだけを見ると、DX人材は上記の各分野に精通した秀でた人材をイメージするだろう。しかしながら、現場でCTOとして活動している筆者の立場からすると、これらすべてに秀でた人材は非常に稀な存在であり、簡単に出会える人ではないことを強調しておきたい。そのため、各分野の専門性、スキルを加味し、複数人で補い合うことが重要になる。

 また、三菱総合研究所によると、DXに求められるスキルは「技術系」「ビジネス系」「組織系」の3つに大別できるという。DX人材のスキルを考える際には、こちらも参考にされたい。

  1. 技術系の「データサイエンス・エンジニアリング」
    AI/機械学習などのデータサイエンス系の技術に加え、フロントエンド・バックエンドの実装やクラウド活用に関する知見などに代表されるITエンジニアスキルである。

  2. ビジネス系の「ビジネス・サービス設計」
    技術を活用し、ビジネスモデルを設計するビジネススキルとビジネスモデルを製品に落とし込むUI/UXなどのデザイン面のスキルである。

  3. マネジメントとしての「組織・プロジェクト管理」
    組織マネジメントやリーダーシップなどの組織運営スキルとスクラムやアジャイルなどの開発の方法論、プロジェクトマネジメントに関するスキルである。

・DX人材に求められる7つのマインドセット
 技術面のスキルに続き、マインド面も欠かせない。IPAの「これからの人材のスキル変革を考える~DX時代を迎えて~」の中では、以下のようなマインドセットを取り上げている。

  • 現状を変えたい思考
  • 諦めない力/やりきる力
  • 柔軟なプロジェクトマネジメント能力
  • リソースマネジメント能力
  • 新しいビジネス企画力・推進力
  • 巻き込み力/調整力
  • 失敗を恐れずに、固執せず、糧にできる力

 簡単にDX人材と呼んでいるが、スキル面、マインド面、それぞれに高い期待値が表れている。

【次ページ】DX時代に活躍できるエンジニアの4つの視点

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