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- 2022/10/19 掲載
Discordがテック系スタートアップランキングで1位、2位は営業支援、3位は学習系
リンクトインのスタートアップランキング
インフレや経済の先行きに対する懸念から世界各国のテック業界ではスタートアップを中心にレイオフが拡大している。テックスタートアップのレイオフトラッキングサイト「Layoffs.fyi Tracker」の2022年10月14日時点のデータによると、2022年レイオフに踏み切ったスタートアップ数は681社で、レイオフされた社員数は8万9585人と9万人に迫る状況だ。
直近のレイオフ事例は、米セールスフォースで90人、インド教育スタートアップByju'sで2500人など。レイオフの規模は国・企業ごとに大きく異なる。経済の先行きは依然として楽観視できない状況、テックスタートアップを取り巻く環境はより厳しくなるものと思われる。
一方、そんな中でも、事業拡大し雇用を増やすテックスタートアップも存在する。
マイクロソフト傘下のビジネスSNSリンクトインは、世界8億人以上のユーザーを有する巨大なプラットフォーム。そのリンクトインが2022年9月28日、独自データから、成長スタートアップ企業にフォーカスしたランキングを発表した。
このランキングは、雇用増加率、エンゲージメント、関心度合い、優秀人材の獲得率の4つの指標から算出されている。ランキングの対象となるのは、創業7年未満で、社員数が50人以上、ランキング対象国に本社を構えているスタートアップだ。調査期間は、2021年7月1日~2022年6月30日と、2022年7月以降の状況は加味されていない。
各国のランキングがまとめられているが、以下では米国のランキングにフォーカスする。ランキングでは50社をピックアップしているが、ここではトップ10の顔ぶれを紹介したい。
1位はゲームチャットから進化を遂げたDiscord
ランキング1位だったのは、日本でも若い世代を中心にユーザーが増えているソーシャルメッセージプラットフォームのDiscordだ。過去2~3年のユーザー数の増加が顕著となっており、それに伴い雇用数も増えたものと思われる。CNBCによると、Discordの2019年の月間アクティブユーザー数は5600万人だったが、直近の情報では月間アクティブユーザー数は1億5000万人以上となっている。
もともとゲームプレイヤー向けのチャットサービスとして始まったが、いまではゲーム以外の分野でも利用され、またテキストに加え、音声や動画でもコミュニケーションが取れるようになっている。
Quartzがまとめたデータ(2022年7月21日更新)によると、Discordの評価額は70億ドル。2019年の収益は4,500万ドル、2020年の収益は1億3,000万ドルだった。
Discordでは、トピックごとにサーバが設置される。1週間あたりのアクティブサーバ数は1900万台。サーバあたりの平均ユーザー数は6~10人とされるが、フォートナイトやマインクラフトなど人気ゲームのサーバでは、80万人以上が参加するケースも少なくないという。
Layoffs.fyi Trackerを見る限りでは、2022年中にDiscordがレイオフしたという情報はなく、いまのところランキングが示す通り成長を維持する強いスタートアップであることに間違いはなさそうだ。
【次ページ】2位は評価額72億ドル以上、営業支援ソリューションの企業
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