• 2026/02/20 掲載

【Copilot】Excelなど使うだけ…「隠れた専門人材」秒で発掘「People Skills」の衝撃

連載:Copilot for Microsoft 365で変わる仕事術

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社内に眠る専門知識を持った人材を、AIが自動的に見つけ出してくれるのが、Microsoft 365 Copilotの「People Skills」です。メールやチャット、ドキュメントなどを普段通り使っているだけで、ユーザーのスキルが自動でタグ付けされ、組織全体に共有されます。プロフィールを入力するといった面倒な作業は必要ありません。この機能は、組織の在り方や人材活用を大きく変える可能性を秘めています。本稿では、People Skillsが持つ価値や仕組み、そして主な機能についてわかりやすく解説します。
執筆:内田洋行 太田 浩史

内田洋行 太田 浩史

1983年生まれ、秋田県出身。2010年に自社のMicrosoft 365(当時BPOS)導入を担当したことをきっかけに、多くの企業に対してMicrosoft 365導入や活用の支援をはじめる。Microsoft 365に関わるIT技術者として、社内の導入や活用の担当者として、そしてひとりのユーザーとして、さまざまな立場の経験から得られた等身大のナレッジを、各種イベントでの登壇、ブログ、ソーシャルメディア、その他IT系メディアサイトなどを通じて発信している。

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Microsoft 365の各種アプリを使っているだけでAIがスキルをタグ付けしてくれる機能とは(後ほど詳しく解説します)

実はMicrosoft 365にある「簡易的な人材検索」

 企業では以前から、組織内で「誰が何を知っているか」「誰がエキスパートか」を把握・共有する仕組みであるナレッジマネジメント手法の1つ「Know Who」に関心が寄せられてきました。

 実はMicrosoft 365には、簡易的なKnow Who検索ともいうべき仕組みが以前から備わっています。OutlookやTeamsなどに表示されるユーザーアイコンにマウスのカーソルを乗せた際、そのユーザーのメールアドレスや部署の情報がまとまったプロフィールカードが表示されるのを見たことがあるのではないでしょうか。

 実はこのプロフィールカードには、そのほかにも個人のスキルや興味・関心、過去のプロジェクトや経歴など、追加の情報を入力することができます。これらを整備することで、Microsoft 365内の検索でも、人を探しやすくなるのです。

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【画像付き記事全文はこちら】
Microsoft 365のアカウントでは、自身でプロファイル情報を入力することができる
(画像:筆者提供)

 このプロフィールカードやプロフィールエディターは、社内の他のユーザーも参照できるため、日常のコミュニケーションの中で“人となり”や“専門性”を把握する重要な手がかりになります。つまり、プロフィールを充実させることは、組織内で「誰が何に詳しいか」を共有する土台整備にもなります。Know Whoを実現する上で、まずはプロフィールを“検索できる状態”にしていくことが第一歩になるのです。

 しかし、ここに大きな課題があります。

 ユーザーにとって、プロフィール情報を入力し、さらに定期的にメンテナンスし続けることは大きな手間です。特に、入力するメリットを実感しにくい場合、すぐに更新が止まり、情報は陳腐化していきます。結果として、検索しても当てにならない状態となり、その仕組み自体も形骸化してしまうでしょう。Know Whoが難しいのは、こうした点があることなのです。

 そこで有用なのが、Microsoft 365 CopilotのPeople Skillsです。

今すぐ試せるCopilotの「Peopleエージェント」とは

 People Skillsを解説する前に、Microsoft 365 Copilotで今すぐに試せる機能を紹介します。

 それが「Peopleエージェント」です。これは、メール、チャット、会議、ドキュメントなどから、同僚の特徴をまとめて教えてくれる機能で、組織内の「人」に関する理解や検索を助けてくれます。

 使い方は難しくありません。Microsoft 365 Copilot ChatでPeopleエージェントを追加し、「どんな知識やスキルを持つ人を探しているか」を自然文で尋ねるだけです。たとえば「社内でMicrosoft 365 Copilotについて詳しい人はいる?」などと聞くと、Copilotに関するドキュメントを多く作成し共有している人などを見つけて教えてくれます。

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Microsoft 365 Copilotチャットで利用できるPeopleエージェントでは、Microsoft 365内の情報を基に特定の分野に詳しそうな人を見つけて教えてくれる
(画像:筆者提供)

 しかしPeopleエージェントは、参照できる情報が「ユーザー自身が今やり取りをしている同僚」に限られます。たとえば、探していたスキルを持つ同僚が、普段から関わりのない人であった場合には、見つけることが困難になってしまいます。

 ユーザーが求めることとしては、「これまで面識はなかったが、社内には、こんなスキルを持った頼りになる人がいたのか」という発見も含まれるはずです。

 そこで注目したいのが、組織全体の従業員のスキルを可視化した共有基盤となる「People Skills」です。People Skillsは、Microsoft 365 CopilotやPeopleエージェントをさらに強化するデータレイヤーとして位置付けられます。

AIが自動でスキルをタグ付け「People Skills」とは

 People Skillsは、AIが従業員それぞれのスキルを見出して、自動でタグ付けを行ってくれるサービスです。これによって、ユーザーの努力だけに頼ることなく、人を探すための土台を整備できます。

 People Skillsを利用するには、社内のMicrosoft 365管理者の設定が必須です。

 管理者はPeople Skillsを有効化し、スキルの分類を管理します。すべて自前で用意しなくても、既定のスキルライブラリには1万6000を超えるスキルが登録されており、ここから利用を開始することができます。ただし、スキル名が英語表記である点が、日本のユーザーとしては導入時の課題の1つになりそうです。

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Microsoft 365管理センターでPeople Skillsを有効化すると、社内のユーザーにタグ付けすることになる「スキル」の一覧を確認できる
(画像:筆者提供)

 もちろん、このスキルの分類は自社でも定義することができ、社内の事情に合わせてユーザーにタグ付けすべきスキルを管理できます。

 People Skillsが有効になると、AIがMicrosoft 365内のユーザーのアクティビティ情報を用いてスキルを推論してタグ付けをします。推論対象には、ユーザーそれぞれのドキュメントやメール、チャット、会議などが含まれます。ユーザーは自身のプロフィール編集画面から、AIによってタグ付け提案されたスキルを確認できます。ここではさらに、ユーザーが自身でもスキルの追加・削除などの編集を行うことができます。

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People Skillsが有効化されると、Microsoft 365内の自身のアクティビティを基にAIがスキルをタグ付けしてくれる
(画像:筆者提供)

 さらに、People Skillsのスキルの推論は30日ごとに行われるため、最近の活動に基づいてスキルも更新され続けます。つまり、ユーザーは普段通りにMicrosoft 365を利用しているだけで、自身のスキルが自動的に可視化されていきます。プロフィールの入力や更新をユーザーの努力に依存しない仕組みは、Know Whoの課題であった「運用が続かない」という問題を解決する一手になります。 【次ページ】「組織編成や社内研修」などの計画にも役立つワケ
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