- 2023/08/02 掲載
午後3時のドルは下落142円後半、日本株大幅安でリスクオフ
午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(143.32/142.35円)に比べてドル安/円高の142円後半で推移している。米国債の格下げを受けドルは軟調な取引で始まり、午後には日経平均の大幅安でリスクオフの円買いが入った。市場では、基調としては日米金利差を意識したドル高傾向が続くとの声は多いが、経済指標などで米経済の先行きを見極める必要があるとの指摘も出ている。
ドルは朝方に143円割れまで下落したが、東京時間に米金利が持ち直したことで143円前半まで反発。しかし、午後に入り日経平均が800円以上値下がりすると、一時142.64円まで下げ幅を広げた。
格付け会社フィッチは日本時間2日早朝、米国の外貨建て長期債格付けを「AAA」から「AAプラス」に引き下げた。フィッチは5月、政治的対立や債務増大を理由に米国の格付けを引き下げ方向のネガティブウオッチに指定しており、市場では「(格下げの)タイミングこそサプライズではあったが、もともとネガティブに指定されていたことや、他の格付け会社が既に(格付けを)引き下げていたことから、為替市場への影響はそこまで大きくなかったのではないか」(三井住友銀行・チーフ・為替ストラテジスト・鈴木浩史氏)とみられている。
日経平均の下げについては直近の上昇の反動との見方もあり、ドルの下落も調整の範囲内との指摘が出ている。
鈴木氏はドル/円について「日銀も金融政策の出口に向かってはいると思うが、そのペースが非常にゆっくりなため日米の政策の差は残っており、ドル高/円安基調は続きそうだ」と予想。目先1カ月程度は140―145円をコアレンジと見込んでいる。
他方、今後のドルの方向性を見極める上では「米国の金利動向よりも、経済状況に目線が移ってきている」(国内証券・ストラテジスト)との指摘もある。きょうは米国で7月全米雇用報告(ADP)が発表される予定で、弱い結果となれば4日に発表される雇用統計の下振れ懸念が浮上する可能性があり「そうなればドルには下押し圧力となりやすい」(国内金融機関・シニアアナリスト)との見方が出ていた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 142.88/90 1.0992/96 157.07/11
午前9時現在 142.95/97 1.1006/10 157.35/39
NY午後5時 143.32/35 1.0982/86 157.42/46
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