- 2023/08/02 掲載
グローバル企業に「中国リスク」、回復の遅れが業績に影響
回復が続いているのは、スターバックスやLVMHなど飲食や高級ブランドといった一握りのセクターに限られる。
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ロレアル、コカ・コーラなど大手消費財企業は中国の先行きに慎重だ。
ユニリーバのグレーム・ピットケスリー最高財務責任者(CFO)は先週の決算会見で、「中国の消費者は非常に慎重だ。不動産市場が下落し、輸出需要が減少している。若者を中心に失業率は高く、消費者マインドは歴史的な低水準にある」と指摘した。
世界の自動車メーカーは、中国勢との競争激化に直面している。今年上半期、中国勢のシェアは初めて50%を超えた。フォルクスワーゲンは先週、最大の市場である中国での販売不振を理由に今年の販売目標を下方修正した。
日産の内田誠社長は決算会見で、「これまで成長に寄与してきた中国事業は一転して大きな課題に直面し、第1・四半期(23年4─6月期)も大きく販売台数を減少させる結果になった」と述べ、中国事業の業績回復は時間を要するとの見通しを示した。
<期待外れ>
サムスン電子やSKハイニックスなどの半導体メーカーはデジタルデータの保存に使用されるNANDフラッシュメモリーの減産を継続する。中国の経済再開でスマートフォン市場が再び活気付くという読みが外れた。
重機メーカーは長引く中国不動産不況に苦しんでいる。
キャタピラーは、第1・四半期決算発表時に中国の売上高が占める割合が従来の5-10%の水準を下回ると予想していたが、ジム・アンプレビー最高経営責任者(CEO)は今回、掘削機が想定以上に落ち込名でいることから一段の悪化を予想した。
一方、鉄鉱石生産最大手のリオ・ティントは、中国政府が景気支援の方針を示していることから、中国経済を慎重ながら楽観している。ジェイコブ・スタウショーンCEOは、中国は状況が良くない場合に経済を非常にうまく運営する能力があると述べた。
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