- 2025/12/09 掲載
グーグル「Google AI Ultra」に最強推論モード「Gemini 3 Deep Think 」を公開
単なる生成AIから「人間的な思考に近い高度推論AI」へのステップアップを目指す
ビジネス+IT
このモードは、複雑な数学・科学・論理など、従来の生成AIや標準のGeminiモデルでは対応が難しい問題を解くために設計された高度な推論機能である。
「Deep Think」は、単一の推論経路ではなく**複数の仮説を同時に立て、並列で検証する“並列推論(parallel reasoning)”**を採用しており、多角的に検討を進めることで回答の精度向上と複雑課題への対応力を高めている。
また、以前のバージョンであるGemini2.5のDeep Thinkを踏まえた設計であり、同モードの改善・発展型であるとの位置づけがなされている。
Googleによると、この新モードは「最先端モデルでも困難とされる数学、科学、論理問題を扱えるようにする」という目的で導入され、「意味のある推論能力の改善(meaningful improvement in reasoning capabilities)」を提供すると説明されている。
ベンチマークでも実績を示しており、「Humanity's Last Exam(ツール未使用)」において 41.0%、および「ARC-AGI-2(コード実行あり)」で 45.1% というスコアを記録。従来の Gemini 3 Pro や他社モデルを上回る性能を持つとされる。
利用方法は、Geminiアプリ内のプロンプトバーで「Deep Think」を選び、モデル選択メニューで「Gemini 3 Pro」を指定する形。Deep Thinkは「AI Ultra」に加入した有料利用者向け機能であり、現時点では公開言語は英語。月額料金は米ドルで設定されており、日本円では月額約36,400円(為替レート・時点により変動)と報じられている。
このリリースは、2025年11月に公開された Gemini 3 シリーズの発表時に予告されていたもので、その後正式展開となった。Deep Thinkの導入により、Googleは単なる生成AIから「人間的な思考に近い高度推論AI」へのステップアップを図っており、特に研究、エンジニアリング、論理・数理分野などでの利用を視野に入れている。
Googleは「Gemini 3 Deep Think」によって、AIの能力を単なる言語生成・検索支援の枠を超え、「思考」「推論」「複雑問題の解決」に耐えうるレベルへと引き上げた。現状は高額かつ有料プラン限定で、主にパワーユーザーやビジネス/研究利用者向けだが、AIが「アイデア出し・情報整理」だけでなく「考える」フェーズを担う可能性を示す重要なマイルストーンと言える。
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