- 2021/07/21 掲載
住友林業、神戸大 、日本国内の緑化樹木9種について高温下での生理的反応を明らかに
※TREES:ドイツの学術誌。森林生理学や森林生態学分野の研究論文を専門としている。
試験に用いた9種の樹木の中でヤマモモとシラカシの光合成能力は高温でも低下せず、また加温で育成することにより光合成能力はさらに上昇しました。つまり、高温への耐性が高いとともに高温環境に順応したといえます。その一方で、生息域が暖温帯から亜熱帯であるタブノキは加温で育成しても、高温環境へは順応しませんでした。よって生息域にとらわれず樹種ごとの高温耐性と順応性(*)のスクリーニングを行うことが重要です。
*高温耐性と順応性:
・高温耐性:高温環境で光合成能力の低下が小さいこと
・順応性:高温環境で生育していく過程で高温耐性を獲得すること
■研究内容
1)調査対象樹木 9種
・常緑高木:タブノキ、シラカシ
・落葉高木:ケヤキ、モミジバフウ
・常緑中高木:ヤマモモ、シマトネリコ
・落葉中高木:ハナミズキ
・常緑低木:ネズミモチ
・外来種:トウネズミモチ
2)検証方法
[1]外部環境での地域間比較北海道紋別市/茨城県つくば市寒暖両地域(北海道紋別市/茨城県つくば市)で9種の苗木を育成し、温度の違いによりどのような反応が見られるかを比較
[2]温室環境内比較温暖化を想定して温室内および温室内でさらに加温したビニールハウス内(*)(写真)で苗木を育成し、温度の違いによりどのような反応が見られるかを比較
*5月から9月の5か月間苗木を入れて、日中は45℃を超える高温状態で実験
上記[1]、[2]の2パターンの試験結果から葉の高温耐性や光合成の最適温度などを測定し分析、考察しました。
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