- 2021/08/06 掲載
東急建設、ウェアラブルセンサーを活用した「熱中症予防管理システム」の実証実験開始
工事現場は、屋外作業や、屋内でも空調設備が整っていないなど厳しい労働環境にあります。大型扇風機やドライミスト等による暑さ指数(WBGT値)の低減や、休憩場所の整備、水分・塩分の摂取、適切な休息時間の確保、ファン付き作業服などの対策が行われていますが、全業種平均の2.5%に対し、建設業は4.9%という高い割合(※1)で熱中症が発生しています。
当社が今回実証を行う熱中症予防管理システムは、装着したウェアラブルセンサーにより臍部(へその部分)の周辺温度のデータを連続して取得し解析することで、熱中症の兆しを検出するものです。その値を作業中の建設技能者や職長などの周囲の人にも情報送信し、休憩や給水を促し、熱中症を防ぎます。
これまで心拍や血流などのバイタルサインによるアプローチを試みてきましたが、人間一人ひとりの身体は異なり、かつ常時作業を行う状況において熱中症の兆しを判断することは非常に困難でした。本システムでは、熱中症の予兆を判断する方法としての深部体温に着目しました(※2)。深部体温は、脳や内臓など身体の中心部分の温度を指し、検温機器を挿入し直腸温を計測する方法が一般的であり、作業従事者に対する計測方法に課題がありました。
今回の検出には、株式会社MEDITA(東京都中央区:代表者 田中彩諭理、以下 MEDITA社)が開発中のウェアラブルセンサーを活用します。臍部周辺から深部体温の近似値データを連続して取得できるため、検出時に与える影響が少なく、作業従事者の身体的負担を軽減して実施することが可能です。
実証実験は、暑さの異なる8月と10月の2回を予定しており、実際に作業を行う建設技能者に終日センサーを装着してもらい、取得データの精度や作業中の装着感の調査を行います。
※1 厚生労働省「令和2年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況 https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000774750.pdf
※2 (公財)日本スポーツ協会「熱中症の病型と救急処置」 https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid916.html
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