- 2021/09/30 掲載
インテック、三菱UFJ銀行のAI・データ分析基盤にコンテナ管理プラットフォームを導入
※1 コンテナ:OS上のアプリケーションの動作環境を仮想的に区切る技術の一つで、アプリケーションの稼働に必要なリソースをパッケージングしたものです。
※2 kubernetes:コンテナの運用管理と自動化を目的に設計されたオープンソースのシステムです。複数のコンテナで構成されたシステム全体を効率良く管理します。
■背景
三菱UFJ銀行では、数年前から行内に蓄積しているデータを活用するため、多くのAI・データ分析のPoC(実証実験)環境をオフライン(※3)のクラウド上に構築、運用してきました。しかし、AI・データ分析に必要なアプリケーションやライブラリは外部環境から入手、アップデートしなくてはならず、PoC環境の構築や管理に負荷がかかっていました。
長年にわたり三菱UFJ銀行のシステム開発に携わってきたインテックは、これらの課題を解決するため、三菱UFJ銀行のAI・データ分析基盤をコンテナ型仮想化のDocker(※4)を使用してコンテナ化し、「kubernetes」を使用したコンテナ管理プラットフォームを構築しました。
※3 オフライン:コンピュータなどが通信回線やネットワークなどに接続されていない状態のことです。ここでは外部ネットワークから切り離した行内環境のことを指します。
※4 Docker:Docker社が開発したコンテナ実行環境のことを指します。1台のコンピュータ上に、隔離された実行環境を構築できるソフトウェアです。
■導入の効果・メリット
①PoC環境構築の効率化とコスト削減を実現
従来はPoC環境が必要となった場合、PoC要件に沿って既存環境をカスタマイズする必要がありましたが、コンテナ化によって全く同じPoC環境を容易に複数構築することや、外部環境でコンテナイメージを構築することが可能になりました。外部環境で構築したコンテナイメージは、オフラインのPoC環境に持ち込み、コンテナを起動するだけですぐに利用できます。その結果、環境構築にかかる人的費用・リソースの削減と、期間短縮に成功しました。
②PoC環境の安定運用を実現
コンテナにはアプリケーションを実行する機能しかないため、コンテナ管理やほかのサーバーとの連携は「Kubernetes」で行っています。「Kubernetes」には、どのようなアプリケーションが動いているかを監視する機能や、コンテナがダウンしたり、間違えて削除した場合でも自動回復する機能などがあるため、障害にも強い安定運用を実現しています。
③多様なPoCを柔軟に実施し、DXを推進
コンテナ化と「Kubernetes」の導入によって、これまでは環境構築にかかる費用対効果に見合わなかったDX施策のPoCも実施可能となり、行内のAI・データ分析サイクルが加速しました。
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