- 2021/10/08 掲載
NEC、欧州と米国を結ぶ光海底ケーブルの建設を開始
従来、中継器による光増幅が必要な長距離光海底ケーブルでは、ケーブル1本に収納する光ファイバーの数は最大でも32心(16ファイバーペア)程度でしたが、今回使用するケーブルではNECが新たに開発した48心(24ファイバーペア)の海底ケーブル(注1)を世界で初めて採用(注2)しました。これにより、ケーブル単体では32心のケーブルと比較して1.5倍の伝送容量(注3)を実現し、毎秒0.5ペタビット(0.5Pbps)の設計容量(注4)を可能にします。これは中継器による光増幅が必要な長距離光海底ケーブルとしては世界最大容量(注5)となる超大容量伝送です。
近年、5Gの普及に伴うモバイルデータ通信量の増大や各国でのデータセンター建設増加などを背景に、国際通信における回線需要の大幅な拡大が予想されています。このような需要に応えるため、大容量・高速な通信を実現する海底ケーブルの国際データ通信インフラとしての重要性はますます高まっています。特に欧州と米国を結ぶ北大西洋地域は、2021年~2035年の間にデータ通信量が約35倍になると予測され(注6)、高い成長率を示しています。NECでは、こうしたデータ通信量の増加に対応するため、光海底ケーブルの大容量化を進めています。
NECは、過去50年以上にわたり海底ケーブルシステム事業を手掛ける海底ケーブルのトップベンダーです。地球7.5周分のべ30万kmを超える敷設実績があり、特に日本を含むアジア・太平洋地域で強みを有しています。また、陸上に設置する光伝送端局装置・光海底中継器・光海底ケーブルなどの製造、海洋調査とルート設計、光海底ケーブルシステムの据付・敷設工事、訓練から引渡試験まで、全てをシステムインテグレータとして提供しています。なお、日本で唯一、深海8,000メートルの水圧に耐えられる光海底ケーブルを製造可能なNECの子会社である株式会社OCC(注7)が、本ケーブルの製造を担当しています。
(注1) https://www.nec.com/en/press/202103/global_20210319_04.html
(注2) 2021年10月8日時点、NEC調べ
(注3) 同じファイバーペア数でも設計によってシステムとしての伝送容量は増減します
(注4) 0.5Pbpsの伝送容量を持つケーブルでは、1秒間に最大約13,300枚のDVD(4.7GB)を送信することが可能
(注5) 2021年10月8日時点、NEC調べ
(注6) 出典:Telegeography
(注7) 本社:神奈川県横浜市 代表取締役社長:伊藤友一
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