- 2021/10/21 掲載
日立エナジー、二酸化炭素排出量を削減する「EconiQ」変圧器の提供を開始
変圧器は、電圧レベルを調整することで、効率的かつ安全な電力の流れを実現するために重要な役割を果たしています。発電から最終消費まで、電力は平均4~5台の変圧器を通過します。この過程で、変圧器は世界中で発電される電力のほぼ5%を熱損失として消費すると推定されています。また、従来絶縁油として一般的に使用されている化石燃料由来の鉱物油は更新時の廃油処理や、災害などで周囲に漏油した際の環境への影響が課題となっています。
今回発売するEconiQ変圧器は、こうしたニーズに対応し、環境に配慮した設計により、例えば、115/21KV、40MVAの変圧器では、ライフサイクル全体で二酸化炭素の排出量を約23%(*1*2)削減できます。また、絶縁油として従来広く使用されている鉱物油に替えて、生分解性絶縁油を採用することで、水の富栄養化や毒性への影響を約15%削減することが期待されます。加えて、生分解性絶縁油は、引火点や発火点が高いことから安全性を高めます。さらに、お客さまの持続可能性に関するニーズや仕様に基づき、環境ライフサイクル分析(*2)などの科学的手法を用いてカスタマイズできるほか、環境負荷の発生要因と、それに対する最適な解決策をお客さまに理解していただくために、環境ライフサイクル分析レポートも提供します。
日立エナジーの変圧器ビジネスユニット担当役員であるブルーノ・メレスは、「緊急を要する世界のエネルギー転換のためには、コラボレーションとイノベーションの両方が必要です。そして、私たちのEconiQ変圧器は、すべての人に持続可能なエネルギーの未来を実現するための取り組みに貢献しています。」と述べています。
日立エナジーは、グローバルな技術と市場のリーダーとして、2021年6月に「サステナビリティ2030」戦略を発表し、事業活動を通じて「社会価値」、「環境価値」、「経済価値」の向上に貢献することを宣言しました。その中で、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みも掲げており、第一段階として2022年までに事業活動における非化石燃料由来電力の割合を100%にすることを目標としています。EconQ変圧器は、この目標に沿って、非化石燃料由来の電力で製造されます。
*1 欧州連合による、変圧器のピーク効率規制に基づいて設計された同じ定格の変圧器との比較。
*2 欧州連合の電力構成を考慮し、35年間の運用と75%の変圧器負荷を想定したライフサイクルアセスメントを使用して分析
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