• 2022/03/22 掲載

近大とJST、二次元での量子シミュレーションの性能を検証する新手法を確立

近大、JST

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 近畿大学理工学部(大阪府東大阪市)理学科物理学コース研究員 金子隆威と、准教授 段下一平は、物理学で用いる高精度な数値計算手法「PEPS法」(※1)と、量子の複雑な挙動を再現する量子シミュレーションという二つの方法で二次元空間において多数の量子の動きを調べ、この二つの手法の性能を相互検証しました。その結果、双方の信頼性が確認でき、さらに、PEPS法を用いてこれまで調べることができていなかった未開拓のパラメータ領域(※2)において、量子情報の伝搬速度を算出することにも成功しました。

 本研究成果は、二次元での量子シミュレーションの性能を検証する新たな手法を確立するもので、今後の量子シミュレータ開発に貢献できると期待されます。また、量子情報伝搬の基礎理論構築にも役立ちます。

 なお、本研究は科学技術振興機構(JST)などの助成を受けて実施されました。

 本件に関する論文が、令和4年(2022年)3月21日(月)(日本時間)に、物理科学分野の国際的な学術雑誌"Communications Physics"に掲載されます。

1. 本件のポイント

●二次元空間における量子情報の伝搬に関して、PEPS法と量子シミュレータの性能を相互検証し、双方の信頼性を確認

●PEPS法を用いて、これまで調べることができていなかった未開拓のパラメータ領域について、量子情報の伝搬速度を算出することに成功

●本研究成果は、量子シミュレーションに対する新たな性能検証手法となり、今後の量子シミュレータ開発に幅広く貢献できると期待

※1 PEPS法:Projected entangled pair state法の略。一次元の系ですでに確立されている数値計算手法(行列積状態法)を、二次元の系に拡張した手法。

※2 未開拓のパラメータ領域:ここでいうパラメータとは、粒子間の相互作用の強さを示している。これまでの研究では、相互作用が弱い場合と強い場合で量子相関の伝搬速度が与えられていた。本研究では、その中間の相互作用の場合も含めて量子相関の伝搬速度を与えた。

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