- 2022/05/17 掲載
NEC、国内企業で最大規模となるAI研究用スーパーコンピュータの構築を開始
近年、AIのコアテクノロジーであるディープラーニングが急激に進化し活用領域が広がっています。またディープラーニングの開発に必要な演算量も拡大の一途を辿っており、社会全体のDXを進めるには多様な先進AIを迅速に創出できる大規模な計算資源が求められます。
NECは、自社の数百名のAI研究者が利用できるAIスーパーコンピュータを、数十億円を投じて設計・構築します。本システムは、1ノード当たり8基のハイエンドGPU「NVIDIA A100 80GB Tensor コア GPU」を搭載した最新GPUサーバー116台(スーパーマイクロ社製)と、16PB超のEXAScaler高性能並列ファイルシステム(データダイレクト・ネットワークス社製)を搭載したストレージアプライアンスで構成されます。理論上の処理性能は580 PFLOPS超となり、数千万枚の画像を数分間で学習可能になります。またネットワークには、高速イーサネットスイッチ「NVIDIA Spectrum SN3700」を採用し、全サーバーを200GbEで接続してRoCE(RDMA over Converged Ethernet、注3)v2により超高速・低遅延での通信を行うことで、高速な分散学習を実現します。
NECはオープンソースのコンテナ管理技術であるKubernetes(注4)を中核とした独自の構築技術によりこれらの先端ハードウェアとソフトウェア群を密に結合することで、高性能かつ利便性の高いシステムを実現します。
NECは、VUCA(注5)の時代の社会課題にリアルタイム・ダイナミックに対処する先進AIを開発し、社会のDX、人間活動の知的・身体的な創造性や生産性の向上、持続可能な地球環境の実現を目指しています。このために、本システムを活用してお客様やパートナーとNECのAI研究者が集い先進的な社会価値を共創するAI研究のセンター・オブ・エクセレンスを実現します。NECは、2025中期経営計画で注力事業に定めたデジタル・ガバメント/デジタル・ファイナンス、グローバル5G、コア DXの各領域で安全・安心・公平・効率の社会価値を創造するとともに、未来の社会像であるNEC 2030VISIONを実現する次の柱となる成長事業を創出していきます。
(注1)2022年4月18日時点のNEC調査による。
(注2)コンピュータの処理性能を表す単位の一つ。ペタは1,000兆を意味し、1PFLOPSで浮動小数点演算を1秒間に1,000兆回可能なことを表す。
(注3)Ethernetで低遅延・高スループットの通信を可能にするRemote Direct Memory Access 技術。
(注4)コンテナ化されたアプリケーションの配備・管理等を自動化するためのコンテナ・オーケストレーションのための基盤。
(注5)V(Volatility:変動性)、U(Uncertainty:不確実性)、C(Complexity:複雑性)、A(Ambiguity:曖昧性)の頭文字を取った造語。先行きが不透明で将来の予測が難しい状態。
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