- 2022/06/15 掲載
臨時の国債買い入れ、断続実施=長期金利上昇、許容せず―日銀
日銀は14日、長期金利の上昇を抑え込むため、前日に予告した臨時の国債買い入れを実施した。海外で金利上昇圧力が強まり、大規模な金融緩和で低金利を維持してきた日銀もいずれ政策変更を余儀なくされるのではないかとの思惑から、投機的な債券売りが広がり始めたためだ。予告額の2倍近くを断続的に買い入れ、金利の過度な上昇を許容しないとの姿勢を強く示した。
日銀は14日午前、臨時の買い入れ8000億円を実施。予告した5000億円から3000億円増額した。午後にも臨時で1500億円の買い入れを追加した。毎日実施している特定の利回りで国債を無制限に購入する「指し値オペ」の買い入れ額は、5月の開始以降で最大の2兆2126億円となった。
14日の東京債券市場では、日銀の一連の対応を受け、長期金利の指標である新発10年物国債の流通利回りは前日に比べ0.005%低い0.250%に低下(債券価格は上昇)した。前日は0.255%に上昇し、日銀が許容する上限の0.25%を上回っていた。
米国市場では、インフレの進行で米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを加速させるとの見方が台頭し、金利上昇が鮮明化。国内市場でも長期金利が上がりやすい状況となっている。
このため、日銀は15日も国債買い入れを臨時で1兆円増額すると予告。指し値オペと併せ、日銀に揺さぶりを掛ける投機筋をけん制する構えを見せている。
【時事通信社】
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