記事 地方自治体・地方創生・地域経済 4町村が「出生数ゼロ」、赤ちゃんが“1人も産まれない”自治体の未来とは… 2019/11/20 2018年1年間に出生数ゼロだった地方自治体が奈良県野迫川村など4町村に上ることが、総務省のまとめで分かった。東京一極集中に歯止めがかからないうえ、出産期の女性減少で出生数が減少していることが背景に見える。政府は東京圏(東京都と埼玉、千葉、神奈川3県)の転入超過を解消する目標達成を2024年度に先送りする方向で調整を始めたが、明治大政治経済学部の加藤久和教授(人口経済学)は「東京圏への人口移動が拡大傾向にあり、目標を先送りしても達成は難しいのではないか」とみている。地方消滅への足音が一段と高くなってきた。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 知事の6割が“中央官僚”出身のワケ。47都道府県知事の経歴を一覧表にしてみた 2019/11/08 人口減少と地方経済の疲弊が地方自治体の財政を苦しめる中、都道府県知事の約6割を中央官僚出身者が占めている。今年行われた各地の知事選挙でも官僚出身の知事候補が相次いで当選したが、選挙戦では国とのパイプの太さを競い合う場面が相次いで見られた。近畿大法学部の丹羽功教授(政治学)は「官僚出身の知事は堅実に地域課題に取り組み、成果を出すという長所を持つ。そうした行政能力が官僚を知事に擁立する一因」とみている。財源を国に依存せざるを得ない地方の苦しい台所事情が、その傾向に拍車をかけていると考えられそうだ。
記事 イノベーション 「健康になる家」ってどんな家? 積水ハウスらが狙う“医工連携”の商機 2019/11/07 医学と工学にまたがる産学連携を指す「医工連携」は、日本政府も補助金をつけて盛んに支援する分野である。対象には医療機器のほか非医療機器もあり、住宅などの建築も含まれる。2019年10月、大手住宅メーカーの積水ハウスはマサチューセッツ工科大学との提携を発表した。人口の高齢化に伴い、医工連携によるイノベーションを生み出そうという考えだ。しかし、医工連携によって医学的な効果が実証された住宅をすでに販売し、先行している住宅メーカーが群馬県にある。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 島根発「高校魅力化プロジェクト」が全国へ。なぜ今「地方の高校」が選ばれる? 2019/10/31 過疎地の高校を魅力的な存在に立て直し、地方創生の拠点に変える島根県発の高校魅力化プロジェクトが全国に広がってきた。首都圏や京阪神など都会から生徒を集めるとともに、地域課題の解決型学習など特色ある教育に力を入れている。政府は年末に策定する地方創生の第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略でプロジェクトを柱に位置づける方針。青山学院大教育人間科学部の樋田大二郎教授(教育社会学)は「高校生が固定観念のない目で地域資源を掘り起こすだけでなく、住民も高校生の姿勢から柔軟な発想と頑張る勇気を得られ、地域の発展につながる」とプロジェクトに期待する。
記事 セキュリティ戦略 変わる戦闘機パイロットの役割 AIとのタッグで進む「空中戦の自動化」 2019/10/30 人工知能(AI)による空中戦のための「Air Combat Evolution(ACE)」プログラムが米国の国防高等研究計画局(DARPA)によって発表された。その内容は、空対空の戦闘を自動化して、パイロットがより大きな戦局に集中できるようにすることを目指している。人とマシンとが連携した空中戦を用いることで、自律的な戦闘技術に対する兵士の信頼を高めることは果たしてできるのだろうか。IHSマークイットの軍事アナリスト、リチャード・スコット(Richard Scott)が空中戦へのAI活用についてレポートする。
記事 政府・官公庁・学校教育IT 台風被害で議論再燃。「無電柱化」のメリット・デメリットは?日本は進めるべきなのか 2019/10/25 台風15号と19号によって各地が大きな被害を受けたことから、道路の無電柱化に再び注目が集まっている。無電柱化の議論は30年以上も前から行われているが、日本ではほとんど実施されていない。近年、異常気象が増えていることなどを考え合わせると本格的な議論が必要なのは間違いないが、超えなければならないハードルはあまりにも高い。
記事 政府・官公庁・学校教育IT ロスジェネ支援政策が“迷走”、なぜ場当たり的な「ポエムだらけ」になっているのか 2019/10/24 政府はロスジェネともいわれる就職氷河期世代の支援に乗り出しているが、この施策に対してはあちこちから異論が出ている。ロスジェネ支援が迷走している直接的な原因は、雇用に関する明確な方針がないまま、場当たり的に政策を遂行していることだ。だが根本的には、日本社会全体として雇用のあり方について決断できないことが、こうした事態を招いている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 「統合・再編」対象の病院リスト公表。医療費削減の“荒療治”、地方消滅に拍車の懸念 2019/10/17 厚生労働省が医療費削減を目指し、統合再編の対象となる424の公立・公的病院の実名を公表したことに対し、全国の地方自治体から反発の声が広がっている。2025年度に団塊の世代が後期高齢者を迎え、医療費の急増が見込まれる中、病床数の適正化が思うように進まない背景があるが、公立病院は地域コミュニティーを支える存在だけに、統合再編となれば地域に混乱を招くばかりか、人口流出に拍車をかけることにもなりかねない。城西大経営学部の伊関友伸教授(行政学・地方自治論)は「日本は世界各国と比べて病床数が多く、削減の必要性があるが、実名を公表して統合や再編を求めるやり方は乱暴でないか」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 憧れどこへ… “神戸ブランド”に暗雲。「転出超過数が最多」からどう脱却するのか 2019/10/11 政令指定都市で最多の転出超過、全市区町村で最大の人口減少に陥った神戸市が、「リノベーション神戸」と題した人口減少対策を始めた。神戸市を子育て世代が定住したいと考える都市に変えるための施策で、今回が第1弾。今後、第2、第3の施策を打ち出し、人口流出に歯止めをかけたい考えだ。だが、かつて関西の若い世代を魅了した「神戸ブランド」に陰りが見える中、東京一極集中を乗り越えるのは簡単でない。甲南大経済学部の足立泰美准教授(財政学)は「大阪市へ通勤する人が多数いることを踏まえ、神戸経済圏での自立を目指すだけでなく、関西圏全体を見据えた施策も盛り込む必要がある」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 必要なのは「小規模店舗」。止まらない“百貨店の撤退”、地方に希望はあるのか 2019/10/04 中心市街地の核店舗として営業してきた百貨店の閉店が全国で加速している。人口減少と若者の百貨店離れ、インターネット通販との競争などが原因で、中心市街地の空洞化にますます拍車がかかりそうな状況。地方都市の多くが百貨店など大型商業施設を核にしてコンパクトシティの実現と中心市街地の活性化を目指しているが、成功例はほとんど見当たらない。明治大政治経済学部の飯田泰之准教授(経済政策)は「大型店誘致の再開発は家賃高騰で地元店や個人店出店のハードルを高め、経済的に貴重な地元経営の拡大に悪影響がある可能性も高い」と地方自治体の手法に疑問を投げかけている。
記事 政府・官公庁・学校教育IT 「2025年の崖」とは何か?レポートを要約すると? 経産省の推奨施策まとめ 2019/10/02 経済産業省(以下、経産省)の『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』(以下、DXレポート)が、発表から1年経った今もなお話題だ。同レポートでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みの重要性に言及し、もしDXが進まなければ「2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警告している。本稿では経済産業省に取材協力をあおぎ、「2025年の崖」レポートの要点をまとめるとともに、その解決策を解説する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 徳島見送りはわかっていた? 全面移転は京都のみ。「中央省庁の地方移転」進まぬワケ 2019/10/01 安倍内閣が進めてきた中央省庁の地方移転で、結論が出ていなかった消費者庁の徳島県移転が見送られた。徳島県には代わりに常設の調査研究拠点が設置される。結局、全面移転が実現したのは京都府へ移る文化庁だけで、内閣の試みは官僚の抵抗を突破できず、絵に描いた餅に終わった格好。奈良県立大地域創造学部の下山朗教授(地方財政論)は「個別省庁の機能を移すことに議論が集中し、中央省庁分散の必要性に関する議論が置き去りにされたように見える。それでは移転しないという結論が出るのは予想通りではないか」とみている。
記事 政府・官公庁・学校教育IT 知らなきゃ損? 増税対策「ポイント還元」はトクできる仕組みなのか 2019/09/18 消費増税に対応したポイント還元策の全体像が見えてきた。当初は準備期間の短さから増税のタイミングに間に合わないとの懸念もあったが、何とかスタートできそうな状況となった。ただ、ポイント還元の対象となる中小店舗のうち参加したのは約3割にとどまっており、景気対策としては不十分な結果となるかもしれない。
記事 政府・官公庁・学校教育IT 「70歳まで働け」で労働人口確保、人生100年時代の“日本生き残り戦略” 2019/09/13 「老後2000万円不足」騒動がメディアなどで大きくクローズアップされている。「人生100年時代」に備えて、生涯にわたって計画的な長期の資産形成、管理の重要性を認識し、行動することの重要性が改めて浮き彫りとなった。日本政府としても、今後の経済社会システム改革に向けた政策を検討しており日本の労働慣行の転換の必要性を認識している。これからの時代を生き抜くため、企業、個人としてどのようなアクションを取るべきなのか? 政府の施策を基にそのヒントを探る。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 コナン・鬼太郎・龍馬の共通点は? 地方空港の“愛称”は誘致につながるのか 2019/09/09 正式名称と別に独自の愛称を持つ地方空港が全国で増え、ちょっとした愛称ブームになっている。地域や空港を観光客らに売り込むのが狙いで、地元の動植物や特産品、観光地、人名のほか、アニメキャラクターの名をつけた空港まで出てきた。命名効果ははっきりしないが、観光客の誘致競争が激しさを増す中、ユニークな名で人目を引こうとブームは過熱する一方。島根県立大総合政策学部の西藤真一准教授(交通政策論)は「愛称は空港のブランディングであり、地域にとって期待もある。ただ、愛称が直ちに利用者拡大につながるかどうかは分からない」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 使われなさすぎ「企業版ふるさと納税」、減税幅9割で本当に変わるのか? 2019/09/04 地方自治体の事業に寄付した企業の税負担額を軽減する企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)の寄付額が伸び悩んでいる。2018年度の総額は34億円前後となる見込みで、年間5000億円を超す個人版ふるさと納税の受入額に遠く及ばない。北海学園大経済学部の西村宣彦教授(地方財政論)は伸び悩みの原因を「控除率が約6割にとどまり、返礼品もないため、企業にメリットが小さく、関心が広がりにくい」とみている。内閣府は打開策として減税幅を現行の約6割から約9割に引き上げるなどの制度見直しを2020年度税制改正要望に盛り込んだ。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 経済効果狙いの“世界遺産”は本末転倒?「過大な期待は禁物」のワケ 2019/08/22 大阪府堺市と藤井寺市、羽曳野市にまたがる百舌鳥(もず)・古市古墳群の世界遺産登録が決まった。国内の世界遺産登録は23件目で、大阪府内では初めて。地元の堺市では隣の大阪市に集まる訪日外国人観光客を引き込み、観光振興に生かそうと新しい取り組みに動き始めているが、登録直後に一時的な観光ブームが生まれても数年で観光客が激減する世界遺産が少なくない。奈良県立大地域創造学部の新井直樹教授(観光政策)は「登録後も継続して観光客や観光消費額が大幅に増加するという過大な期待は禁物」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 和歌山県白浜町のサテライトオフィスが大活況、IT企業に選ばれる理由とは? 2019/08/14 温泉とパンダで知られるリゾート地の和歌山県白浜町に、国内外のIT企業などが相次いでサテライトオフィスを設置している。白浜町が設けたサテライトオフィス用の貸事務所2棟は計10社が入って満室で、近く3つ目の施設整備に入る計画。サテライトオフィス誘致は多くの地方自治体が力を入れているが、苦戦するところが少なくない。早稲田大大学院アジア太平洋研究科の三友仁志教授(デジタルエコノミー論)は「箱モノを作ったから誘致できるわけではない。白浜町のように企業のニーズをくみ取り、進出に見合うメリットを提供する必要がある」とみている。
記事 セキュリティ戦略 なぜ「諜報活動を教える大学」が増えているのか? 学生人気も急上昇 2019/08/09 世界的に諜報活動研究コース(インテリジェンス・スタディズ)を設ける教育機関の数が急増している。こうしたコースは学問分野としての諜報活動の専門職化と、機密および非機密分野でのより自由な意見交換を可能にする。しかし、情報収集プロセスとして近年注目を集めるオープンソース・インテリジェンス(OSINT)の実践的なスキルを育成できるとは限らない。昨今のニーズに応じて、カリキュラムがどのように組み込まれているのかを調査した。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 ネット投票にブロックチェーン活用、それでも「若者の政治離れ」は防げない深刻事情 2019/07/30 茨城県つくば市が顔認証による本人確認やブロックチェーン技術を活用したインターネット投票の実証実験を8月に実施する。総務省は2019年度中に在外投票を視野に入れたシステム上の実証実験を予定している。ともに実用化に向けた課題を洗い出すのが目的で、若者の政治離れなどから低下に歯止めがかからない選挙の投票率アップ策として期待する声もある。しかし、すでにネット投票を実現しているエストニアの事情に詳しい北九州市立大法学部の中井遼准教授(比較政治学)は「投票率を上げる効果はほとんどないというのが現地の認識」と指摘する。
記事 政府・官公庁・学校教育IT 日本政府が示した「デジタル社会戦略」を詳説、国際競争「第2幕」での勝ち筋とは? 2019/07/25 政府のIT総合戦略本部は、2019年6月17日、令和元年(2019年)のIT新戦略となる「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」を閣議決定した。デジタル技術の恩恵を誰もが享受できるインクルーシブな「デジタル社会」の実現に向けた重点計画をとりまとめたものだ。その要点と注目ポイントを解説する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 「民泊新法」施行から1年余り、届け出件数8倍も地方に普及しないワケ 2019/07/22 一般住宅に有料で旅行者を宿泊させる民泊が2018年6月の民泊新法(住宅宿泊事業法)施行で解禁されて1年余り。届け出件数は1年間で約8倍に増えたものの、大半が首都圏と関西に集中し、地方の多くは届け出が伸び悩んだままだ。空き家や古民家を活用した施設が地方への普及策として考えられるが、民泊新法の営業日数制限や地方自治体の上乗せ規制が開業の足かせになっている。福知山公立大地域経営学部の中尾誠二教授(社会経済農学)は「訪日外国人観光客が増えている地方は限定され、家主不在型の民泊需要は伸びていない。当面は大きな変化がないのではないか」とみている。
記事 政府・官公庁・学校教育IT なぜ日本は「MaaS」の主導権を海外勢に奪われるのか? 根本にある2つの理由 2019/07/10 欧州を中心に、ITを使って公共交通機関を統合し、1つの移動サービスとして提供するMaaS(マース)と呼ばれる取り組みが活発になっている。日本でも多くの事業者がMaaSへの参画を表明しているが、本当の意味でこの仕組みを活用するためには、ある重要な視点が不可欠となる。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 京都市「高さ制限」を一部緩和へ、景観を損なう懸念も? 2019/07/10 歴史的な景観を守るために厳格な高さ制限を設定している京都市は、下京区中堂寺南町のJR丹波口駅前で現在の最高限度20メートルを31メートルに緩和する計画原案を市民に示した。駅前を通る五条通(国道9号)の拡幅に合わせた都市計画見直しが理由だが、背景に見えるのは深刻さを増すオフィスや住宅の不足だ。市民の間では歴史的な景観こそが市の宝として緩和に否定的な声が少なくないだけに、高崎経済大地域政策学部の大澤昭彦准教授(都市計画)は「丹波口の緩和はあくまで道路整備に合わせた都市計画見直しだとしても、緩和が続いて京都の景観を損なわないように留意する必要がある」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 地方創生の新方針は“マンネリ感”満載? 東京一極集中の是正目標を断念 2019/06/28 政府は臨時閣議で地方創生の5カ年計画「まち・ひと・しごと創生総合戦略」第2期に向けた基本方針を決定した。将来の地方移住につながる施策として関係人口の創出・拡大、高校魅力化プロジェクトなどを柱にした内容で、この方針に基づいて年内に第2期の総合戦略を策定する。2015年度から進めてきた第1期総合戦略では、東京一極集中の是正を安倍政権の看板政策として掲げてきたが、目標達成を事実上断念し、方針転換を余儀なくされた格好。九州大大学院法学研究院の嶋田暁文教授(行政学)は「関係人口と高校魅力化を除けば代わり映えしない内容で、マンネリ感満載」と厳しい見方を示した。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 20年間で6兆円の損失? “所有者不明土地”は今後も増え続けるのか 2019/06/20 所有者の氏名や住所が分からない「変則型登記」の解消を図る新法が成立した。全国で増える所有者不明土地対策の1つで、登記官に所有者を特定するための調査権限を与えるほか、裁判所が選任した管理者が特定できない土地を売却できるようにする内容。しかし、新法で解決できる所有者不明土地は全体のごく一部で、民法や不動産登記法の改正で所有者不明土地の管理や活用を図らなければならない。山下貴司法相は2020年中に改革案を示す意向だが、久留米大商学部の塚崎公義教授(日本経済論)は「登記名義人が死亡して10年以上経過した所有者不明土地は、行政が必要に応じて利用できるようにすべきだ」と提言する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 あいりん地区「再チャレンジできるまち」実現へ、官民が取り組み 2019/06/14 国内最大のドヤ街として知られる大阪市西成区のあいりん地区(釜ヶ崎)で、労働者の就労支援を進める官民の取り組みが動いている。労働者が仕事を求めて集まっていたあいりん総合センターが閉鎖される一方、JR新今宮駅を挟んですぐ北側の浪速区で星野リゾートの観光特化都市型ホテルが着工するなど、地区を取り巻く環境が大きく変わる中、労働者を置き去りにしない地域づくりを進めようとしているからだ。桃山学院大社会学部の白波瀬達也准教授(社会学)は「地域づくりを成功させるには、労働者が働くことで人間関係を豊かにできるコミュニティーを築く必要がある」と指摘する。
記事 政府・官公庁・学校教育IT 【独占】佐藤ゆかり総務副大臣インタビュー「5Gは日本社会に大変革を引き起こす」 2019/05/28 次世代移動通信技術「5G」への期待が高まっている。産業界での活用はもちろん、少子化、高齢化、人手不足、東京一極集中……数々の社会課題を抱える日本にとって5Gはどのような可能性を秘めているのか。また日本はどのような5G戦略を描いているのか。ビジネス+IT編集部は総務副大臣、内閣府副大臣である佐藤ゆかり氏に単独インタビューを行った。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 【1円も支出無し】森林保全のための税金配分は大都市への「ばらまき」か 2019/05/27 森林保全に役立ててもらうため、総務省が9月以降に地方自治体に初めて配る森林環境譲与税で、市区町村別配分額の上位に横浜市や大阪市、名古屋市といった林業費を2014年度から3年間に1円も支出していない大都市が並ぶことが、桃山学院大経済学部の吉弘憲介准教授(経済政策)の試算で分かった。配分額の決定に自治体人口の影響が大きいためで、吉弘准教授は「森林地域外に予算が過剰に振られていることは間違いない」とみている。森林環境譲与税は新税の森林環境税収入が原資となるだけに、納税者の間で議論が起きそうだ。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 移行後も「税収の奪い合い」、ふるさと納税はどうあるべきか 2019/05/21 ふるさと納税が6月から新制度に生まれ変わる。返礼品競争の過熱から総務省の指導に従わず、制度の趣旨を逸脱した高額返礼品を続ける地方自治体が相次いだためで、総務省は大阪府泉佐野市など4市町を新制度の指定から外した。新制度は4市町と参加を辞退した東京都を除く1,783自治体でスタートするが、移行後も形を変えて税収の奪い合いが続きそうな見通し。近畿大短期大学部の鈴木善充准教授(財政学)は「今後、税制としては所得税の寄付金控除の形に近づけていくべきでないか」と提言している。