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  • 2019/05/28

【独占】佐藤ゆかり総務副大臣インタビュー「5Gは日本社会に大変革を引き起こす」

次世代移動通信技術「5G」への期待が高まっている。産業界での活用はもちろん、少子化、高齢化、人手不足、東京一極集中……数々の社会課題を抱える日本にとって5Gはどのような可能性を秘めているのか。また日本はどのような5G戦略を描いているのか。ビジネス+IT編集部は総務副大臣、内閣府副大臣である佐藤ゆかり氏に単独インタビューを行った。

聞き手・構成 :ビジネス+IT編集部 松尾慎司 山田竜司

聞き手・構成 :ビジネス+IT編集部 松尾慎司 山田竜司

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総務副大臣、内閣府副大臣
佐藤ゆかり氏

5Gは日本社会に大変革を起こす

 次世代移動通信技術の5Gは、その応用範囲が多岐にわたる上、これから社会適用されていくために未知の期待分野が数多くあります。ただ、今明確なのは、サイバー空間と現実社会が高度に融合した「Society 5.0」を進化させていくにあたって、5Gは必要不可欠な基幹技術になるということです。

 私は5Gの本格商用化によって、日本の社会には大変革が起きるだろうと考えています。「我々の住む社会経済環境があらゆる部分で変わる」と言って差し支えないでしょう。

 なぜこれが大変革といえるのか。4GやLTE時代の携帯電話は、利用主体はヒトで、BtoC、BtoB環境で音声通信、データ通信が提供されていました。5Gになると、そこに「モノとモノ」同士の通信が本格的に入ってきます。いわゆるIoT(Internet of Things)と呼ばれる領域ですが、これにより生まれたビッグデータをAIで分析しやすい環境が構築できるわけです。

 これらを「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」という3つの特長を有した5Gという基幹技術の上で動かすことで、おそらく社会は人間だけでは担えないほどのスピードで回っていくことでしょう。その利活用領域は、たとえば自動走行車、遠隔医療の外科手術、人口過疎地域の担い手のいない農村の農業推進に向けた社会課題解決、物流など、実にさまざまなケースが考えられます。

 私が経済学者であった15~20年前は、日本のGDP潜在成長率は1.5%ぐらいでした。それが今や1%以下にとどまり、ゼロに近くなっています。下がった理由は、やはり人口減少、15歳から65歳未満の生産年齢人口の減少と高齢化です。人口減少によって生産力が極めて縮小している中で、人手不足を補うツールとしてIoTやAIを活用し、生産性を上げていく。そういう時代が5Gによって到来すると思っています。

5Gで「東京一極集中」を回避できる

 5Gに期待していること。それはまず、東京一極集中の回避、そして地方創生を支える技術であるということです。4Gとの違いでは、たとえば自動走行や無人走行、遅延が絶対に許されない、人命に関わる遠隔医療などが5Gで実現可能になるというのが大きいところでしょう。

 そうなれば、東京にいなくても東京並みのサービスを受けられる、生活できるという時代が5Gでやってくるということです。

 また、IoT機器を導入すれば、地方であれ、離島であれ、電波さえ来ていれば十分に工場が稼働できるわけですから、Iターン、Uターン、Jターンを含めて、地方に回帰をするヒトの流れを作ることができます。

 このように5Gは「ヒト・モノ・カネ」、これを地方に戻すことができる基幹技術でもあるのです。

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 5Gを中心としたデジタル経済化、AI、IoT、ビッグデータ、こういったものが日本の成長戦略の大きな柱になります。

 もちろん、安全性は十分に確保しなければなりません。自動走行もテストレベルを上げていますが、まだ世界を見渡しても完全自動無人走行を達成した国はありません。アメリカでは事故があり、日本も入念に進めているところと言えます。また、人命に関わる医療分野にしても、本格的な普及に向けて規制緩和を進めるなら、同時に安全性も担保されなければなりません。

 利便性と安全性はコインの裏表の関係なのです。これはまだ先の議論になりますが、人命に関わるなどの特定の業種については、たとえば有事の際や、電気通信網が渋滞し、「ネットワークの輻輳(ふくそう)」が起きたときには優先的に電波を確保する、配信できるようにするなどの制度的工夫がさらに必要でしょう。

 こうしたケースを具体的に検討していけば、一定の安定性を持ってサービスが供給できる目途が立ってくると思います。いずれにしても、人命に関わる対人サービスは、安全性の確認が重要課題であり続けるでしょう。

【次ページ】「5Gデバイド」を発生させてはいけない

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