記事 地方自治体・地方創生・地域経済 過去最高の1200万人、外国人観光客が大阪経済を「復権」させる 過去最高の1200万人、外国人観光客が大阪経済を「復権」させる 2019/02/21 大阪を訪れる外国人観光客の増加に伴い、長く沈滞ムードを漂わせていた大阪経済に明るさが見えてきた。来阪外国人観光客数は増える一方で、各種景気指標も右肩上がりで回復している。2025年に開催される大阪万博だけでなく、うめきた2期開発、鉄道のなにわ筋線、夢洲駅タワービルなど巨大開発計画が目白押し。明星大経営学部の田原洋樹特任准教授(地方創生学)は「今後も大阪を訪れる外国人が増え、大阪経済に好影響をもたらすのでないか」とみている。来阪外国人観光客の後押しで大阪は復権するのだろうか。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 西粟倉村と平戸市が挑む自治体ICO、野口悠紀雄教授「成功すれば財政構造を転換」 西粟倉村と平戸市が挑む自治体ICO、野口悠紀雄教授「成功すれば財政構造を転換」 2019/02/14 岡山県西粟倉村と長崎県平戸市で仮想通貨技術を使って資金調達する「自治体ICO」の導入検討が進んでいる。財政が厳しい地方自治体の新たな資金調達手段として期待を寄せており、西粟倉村は村、平戸市は市と連携した民間団体の主導で実施を目指している。しかし、金融庁は投資家保護の観点からICOの規制を検討中で、導入に制約がかかる可能性を否定できない。投資家に利益を与えられる事業を打ち出せるかも、実現に向けた大きな課題だ。一橋大の野口悠紀雄名誉教授(経済学)は「成功すれば地方財政の構造を大きく転換させるだろうが、国の動向がはっきりせず、実現は容易でない」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 GovTechで「役所」はどう変わる? 行政が取り組むデジタル変革の未来と現在 GovTechで「役所」はどう変わる? 行政が取り組むデジタル変革の未来と現在 2019/02/08 テクノロジー活用によるイノベーションの創出は、あらゆる分野で進んでいる。行政(Government)とテクノロジー(Technology)の造語「GovTech(ガブテック)」もその一つだ。先日、東京都内で開催された経済産業省主催のイベント「Govtech Conference Japan 2019」では、GovTechをどのように推進していくかについて、有識者によるパネルディスカッションが行われた。なぜ経産省はデジタル変革に「本気」なのだろうか。
記事 コンテンツ・エンタメ・文化芸能・スポーツ 「スポーツツーリズム」とは何か?市場規模や国内事例まで徹底解説 「スポーツツーリズム」とは何か?市場規模や国内事例まで徹底解説 2019/01/31 プロ野球の沖縄キャンプを見に行ったり、サッカーのアジアカップに出場する日本代表の応援でUAEまで行くような、スポーツが目的の旅行を「スポーツツーリズム」という。世界的には2021年までの5年間で約4倍に拡大すると予測されている超成長市場だ。日本は2019~2021年の3年間、スポーツの大きな国際大会が続けざまにある「ゴールデン・スポーツイヤーズ」を迎えた。スポーツ庁は2021年度の国内スポーツツーリズム関連消費額を、2015年度比72.4%増の3800億円へ伸ばすという数値目標を掲げている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 公共施設の民営化は問題ないのか? コンセッション方式にも欠点がある 公共施設の民営化は問題ないのか? コンセッション方式にも欠点がある 2019/01/30 国や地方自治体が施設の所有権を持ったまま、運営権を民間に任せる「コンセッション方式」による民営化が全国に広がってきた。空港は大阪府の関西空港、宮城県の仙台空港など7空港を民間が運営しているほか、和歌山県の南紀白浜空港など3空港が4月から民営化される予定(関連記事)。有料道路や下水道、文教施設でも民営化した例がある一方で、上水道では各地で民営化に反対する住民の声が上がっている。奈良県立大地域創造学部の下山朗教授(地方財政論)は「コンセッション方式の民営化にもデメリットがある。国や自治体はリスク対応を忘れてはいけない」と指摘する。
記事 ワークスタイル・在宅勤務 企業が「廃校」を活用する、計り知れないメリット 企業が「廃校」を活用する、計り知れないメリット 2019/01/30 太田建設(株) 取締役会長 太田次男 現在の円安の状況、世界的に問題になっているエネルギー問題、そのような影響を少しでも小さくできるようなビジネスとして国内消費型のビジネスを考え、廃校を利用したビジネスは無いかと考えました。 先の記事の内容を拝見しましたが、廃校になった建物利用のみを模索して、ビジネスというより社会貢献のみの方向の利用になっているかと考えました。 ビジネスは投資もあれば、維持管理の経費があります。投資に対する回収も次の事業展開の為には必要です。 そのような事を考えた時に広大な敷地も利用することでどのようなビジネスを持ち込むことができるか?など、それと地方自治体、文科省を含めた国からの援助がどのようなものがあるのかが解らず初期投資を含めて、運営に対する不安があります。出来れば取り組みたい事業として真剣に考えていますが、それだけに 不安要素が大きくあります。参考になる事例を模索しているところです。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 海洋汚染が深刻化、京都府亀岡市が「レジ袋有料化」だけでは不十分とした理由 海洋汚染が深刻化、京都府亀岡市が「レジ袋有料化」だけでは不十分とした理由 2019/01/24 プラスチックごみによる海洋汚染が深刻さを増す中、京都府亀岡市がプラスチックごみゼロを宣言し、プラスチック製レジ袋の使用を禁止する条例制定を目指す方針を明らかにした。レジ袋有料化を目指す環境省より一歩進んだ内容で、実現すれば全国の地方自治体で初めて。世界のプラスチック生産量は過去50年で20倍に増えた。排出量の47%をレジ袋など容器包装が占め、そのほとんどが使い捨てだ。大阪商業大公共学部の原田禎夫准教授(公共経済学)は「レジ袋の禁止はあくまで手段にすぎない。条例制定を使い捨てのライフスタイルを改めるきっかけにすべきだ」と提言する。
記事 AI・生成AI 外国語ベタな日本人、「機械翻訳」がインバウンドの救世主に? 外国語ベタな日本人、「機械翻訳」がインバウンドの救世主に? 2019/01/07 訪日外国人は年間3000万人に達し、入管法改正で在留外国人も300万人に近づきそうな今、外国人とのコミュニケーションで武器になりそうなのが「機械翻訳」である。AI(人工知能)など最新のITを活用して翻訳精度が高まっているが、日常のシーンで双方向で通訳をやってくれる「普段使い」製品が続々登場している。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 「都市のスポンジ化」がますます深刻化、駅前さえもシャッター通りに 「都市のスポンジ化」がますます深刻化、駅前さえもシャッター通りに 2019/01/07 急激な人口減少に伴い、都市部で空き家や空き地が不規則に発生する「都市のスポンジ化」が深刻さを増してきた。シャッター通りと化した商店街や空き地だらけの住宅街が全国で見られ、都市の空洞化を進行させている。国土交通省はコンパクトシティを推進するため、空き家や空き地の活用を促す支援策を打ち出しているが、家屋や土地の所有者が高齢化し、対応に乗り出せない地域も少なくない。日本大経済学部の中川雅之教授(都市経済学)は「都市のスポンジ化対策が上からのコンパクト化推進だけでうまくいかないこと示している」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 四国で世界初!線路と道路の両方を走る「DMV」は地方の救世主になるか 四国で世界初!線路と道路の両方を走る「DMV」は地方の救世主になるか 2018/12/31 徳島県南部の海陽町と高知県東部の東洋町を結ぶ第三セクター・阿佐海岸鉄道の阿佐東線8.5キロに、線路と道路の両方を走るデュアル・モード・ビークル(DMV)が世界で初めて運行することになり、年明けから導入に向けた工事が本格的に始まる。運行開始は東京五輪が開催される2020年が目標で、人口減少に苦しむ沿線の地方自治体は観光の目玉として期待をかけている。湘北短期大総合ビジネス・情報学科の大塚良治准教授(経営学)は「関東でも知名度が高い室戸岬まで運行できれば、地域観光に波及効果が期待できるのでないか」と指摘する。
記事 航空・宇宙・軍事ビジネス エクスペディア流 オンライン旅行代理店のAI活用法、なぜ5500人もの開発部隊を抱えるのか エクスペディア流 オンライン旅行代理店のAI活用法、なぜ5500人もの開発部隊を抱えるのか 2018/12/21 国内トップのオンライン旅行代理店、エクスペディア。その技術力には絶対の自信を持ち、同社の日本支社エクスペディア・ジャパン 代表 石井恵三氏は、「GAFAと並ぶ」と豪語する。同社はその技術と戦略をもって、どのようにして日本の旅行業界を変革していくのか。
記事 航空・宇宙・軍事ビジネス OTA(オンライン旅行代理店)はリアル店舗を淘汰するのか? エクスペディア代表に聞いた OTA(オンライン旅行代理店)はリアル店舗を淘汰するのか? エクスペディア代表に聞いた 2018/12/20 海外の有力OTA(オンライン旅行代理店)が、国内の旅行市場に殴り込んできて久しい。オンラインですべてを完結できる便利さや価格のディスカウントもあり、その影響力は日に日に増している。世界最大級のトップOTAであるエクスペディア・ジャパン 代表 石井恵三氏に、日本の旅行業界の現状と問題点を聞いた。OTAの台頭で店舗型の旅行代理店はどうなるのか。高まるインバウンド需要に対して日本企業はどう応えていくべきか。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 半世紀ぶりの大阪万博決定、「負の遺産」は「夢の島」に変われるのか 半世紀ぶりの大阪万博決定、「負の遺産」は「夢の島」に変われるのか 2018/12/15 約半世紀ぶりとなる国際博覧会(万博)の2025年大阪開催が決まった。会場は長年、大阪市の負の遺産となってきた人工島の夢洲。関西政財界は夢洲への誘致を目指す統合型リゾート(IR)と合わせ、大阪復権の起爆剤にしようと意気込んでいるが、いまだ未完成の埋め立て工事を急がなければならないほか、会場や交通インフラの整備で多額の出費が必要になる。2025年は団塊の世代が後期高齢者となり、地方自治体の予算がさらに厳しさを増す時期だ。近畿大総合社会学部の金井啓子教授(ジャーナリズム論)は「失敗は許されない。巨額投資に落とし穴はないのか、見つめ直す必要がある」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 人口「V字回復」の明石市、「本気の子育て施策」が地域を変えた 人口「V字回復」の明石市、「本気の子育て施策」が地域を変えた 2018/12/14 関西圏が人口減少に陥る中、兵庫県明石市が人口のV字回復を達成し、全国の注目を集めている。子どもを核にした街づくりを掲げ、中学生までの医療費や第2子以降の保育料無料化など子育て施策に本気で取り組んだ結果で、神戸市など周辺の地方自治体から子育て世帯が続々と移り住み、街は活気を取り戻してきた。今秋からは不払いとなった離婚養育費を補填するモデル事業を始め、子どもへの支援をさらに充実させる構えだ。甲南大経済学部の足立泰美准教授(財政学)は「首都圏以外の中核市で人口増加を実現した希少な事例」と評価している。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 東京の財源がまた地方へ、「財政格差」でわかる日本の“いびつさ” 東京の財源がまた地方へ、「財政格差」でわかる日本の“いびつさ” 2018/11/27 東京など大都市と地方の税収格差是正を検討してきた総務省有識者検討会が、地方法人2税のうち、法人事業税の一部をいったん国税化し、地方自治体に再配分するとした報告書を石田真敏総務相に提出した。再配分の規模は盛り込まれず、年末の与党税制調査会に委ねられるが、東京都は税源移転が日本のプラスにならないと反発している。地方は急激な人口減少と高齢化社会の進行で自治体機能の維持が困難になりつつある。北海学園大経済学部の西村宣彦教授(地方財政論)は「地方創生を国策として進めている最中であり、多様な地域の存続可能性を高めるために、ある程度の格差是正を行うのは当然だ」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 東京のベンダーが知らない事実--地方のICT事情をドコモ、自治体、総務省ら議論 東京のベンダーが知らない事実--地方のICT事情をドコモ、自治体、総務省ら議論 2018/11/26 「東京一極集中」の時代。技術も人材も、ほとんどの資源が東京に集まり、地方からは新たなビジネスが生まれにくくなっている。2018年10月、CEATEC JAPAN 2018で、「データ利活用による地域課題解決とイノベーション」をテーマとするパネルディスカッションにおいて東京大学大学院 情報学環 教授 越塚登氏は「地方に行くと、ベンダーへの不満をぶつけられます」と語った。ICTという視点で、都市部と地方の格差はどこまで開いているのか?NTTドコモ、徳島の交通スタートアップである電脳交通、さらに横須賀市や総務省を交えた議論をレポートする。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 京都駅周辺の再開発、「忘れられた街」はどう生まれ変わるのか 京都駅周辺の再開発、「忘れられた街」はどう生まれ変わるのか 2018/11/22 1 JR京都駅近くの一等地にもかかわらず、開発と無縁だった京都市下京区の崇仁地区が大きく変わろうとしている。京都市立芸術大が2023年度、西京区から移転してくるほか、長く塩漬けされてきた土地でビジネスホテルの建設が始まったからだ。崇仁地区は部落差別に苦しめられてきた土地だが、住民と学生らが食や芸術を生かした地域おこしにも取り組んでいる。京都文教大臨床心理学部の竹口等教授(人権・同和教育)は「新しい芸術教育の基地が誕生し、市民や観光客らが京都駅から東へ流れて新旧文化の結節点が生まれる。地区の将来ビジョンで示された創造・交流・にぎわいのまち創生につながりそうだ」とみている。
記事 運輸業・郵便業 民営化空港が続々「開港」、利用者増でも課題が残るワケ 民営化空港が続々「開港」、利用者増でも課題が残るワケ 2018/11/12 2016年の関西、伊丹、仙台の3空港に続き、高松、神戸の両空港が2018年4月に民営化されて半年が過ぎた。両空港とも利用が伸びており、国土交通省は国や地方自治体が管理する他空港へ民営化を拡大したい考えを打ち出している。ただ、9月の台風被害で関西空港が混乱したように民間が空港運営するうえでの課題をのぞかせたほか、どこまでが民営化の効果なのかについては見えない点が残る。島根県立大総合政策学部の西藤真一准教授(交通政策論)は「利用者増は訪日外国人観光客の増加に依存した一面がある。もろ手を挙げて民営化効果が出たとはいい切れない」とみている。
記事 政府・官公庁・学校教育 「水道事業広域化」が本格化、日本の「安くて安全でおいしい水」は守れるのか? 「水道事業広域化」が本格化、日本の「安くて安全でおいしい水」は守れるのか? 2018/10/26 人口減少時代を迎え、地方自治体による水道事業広域化の動きが加速してきた。需要の低迷と高度経済成長期に整備した施設の老朽化で将来、大幅な料金値上げが避けられないばかりか、経営悪化で事業を維持できない市町村が相次ぎそうなためだ。厚生労働省はこのままだと日本が誇る「安くて安全でおいしい水」が守れなくなるとして、水道事業の広域化を柱とする水道法改正を目指している。奈良県立大地域創造学部の下山朗教授(地方財政論)は「料金引き上げを抑え、事業運営を安定させるため、広域化の必要性が高まっている」とみている。
記事 AI・生成AI 自治体の人工知能(AI)導入が加速、人口減少の窮地を救えるか 自治体の人工知能(AI)導入が加速、人口減少の窮地を救えるか 2018/10/19 全国の地方自治体で作業効率向上を目指し、人工知能(AI)を導入する動きが加速してきた。戸籍事務での事例検索や自動会話プログラムを活用したサービス案内、道路の補修点検など活用方法はさまざまで、AIを試行的に活用して成果を上げた例も出ている。人口減少で自治体職員の減少が予想されるだけに、総務省も2019年度から官民一体のモデル事業を計画、導入を後押しする構えだ。近畿大経営学部の津田博教授(電子自治体システム)は「自治体職員の減少が見込まれる中、AIの導入には意義がある。AIが得意とする分野の業務を任せ、住民サービスの維持に活用すべきだ」とアドバイスする。
記事 政府・官公庁・学校教育 自民党提言の「中央省庁再編」、厚労省分割は本当に必要か 自民党提言の「中央省庁再編」、厚労省分割は本当に必要か 2018/10/04 自民党行政改革推進本部の甘利明本部長は、中央省庁の再編を促す提言を安倍晋三首相に提出した。生産性の高い政府の実現に向け、通信や農林水産業など12の政策分野にわたる課題を列挙した内容で、焦点となった厚生労働省の分割については政策の一体性や業務量などを踏まえた検討が必要としている。1府22省庁体制を1府12省庁に再編して17年、行政機構の点検は欠かせないが、厚労省分割には賛否両論がある。慶應義塾大経済学部の土居丈朗教授(公共経済学)は「(業務が過大になった)厚労省の問題は閣僚や副大臣の増員など別の方法で対応できるのでないか」とみている。
記事 流通・小売業界 過酷な災害が続く日本、ホームセンターが「再発見」される 過酷な災害が続く日本、ホームセンターが「再発見」される 2018/10/02 2018年夏の日本列島は豪雨、台風、地震に酷暑と、過酷な自然災害が繰り返された。2011年の東日本大震災もそうだったが、被災地で頼りになる小売業態が「ホームセンター」だ。その商品はライフライン回復までの生活の維持、住宅の応急補修、仮設住宅への入居でも力になり、被災地以外の地域でも防災意識が高まって防災用品が買われる。「災害の夏」で、その存在価値は改めて見直されるのだろうか。複数のアナリストから最新の動向を聞いた。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 「人手不足倒産」が4割増で過去最高に、企業努力ではもう止められない 「人手不足倒産」が4割増で過去最高に、企業努力ではもう止められない 2018/10/02 有効求人倍率が44年ぶりの高水準を記録するなど労働需給がひっ迫する中、従業員の離職や採用難など人手不足による収益悪化で倒産する企業が全国で急増している。2018年上半期は前年同期比4割増のハイペースで、慢性的な人手不足が続く道路貨物運送や介護、木造建築工事などの業種を中心に倒産ラッシュの様相を示した。地方の急激な人口減少や雇用のミスマッチもあり、人手不足に回復の気配は見えない。関西大社会安全学部の亀井克之教授(リスクマネジメント論)は「現状の打開は中小企業だけでは難しい。社会を挙げて対策を講じるしか解決策はない」とみている。
記事 政府・官公庁・学校教育 ふるさと納税制度の見直し、何がどう変わるのか? ふるさと納税制度の見直し、何がどう変わるのか? 2018/09/19 寄付獲得競争が過熱し、総務省通知に従わない地方自治体が問題になっているふるさと納税で、総務省は抜本的な制度の見直しに入った。寄付金に対する返礼品調達額の割合が3割を超すケースや、地場産品でない返礼品を扱う場合は、税優遇の対象から外す方向。制度スタートから10年が過ぎたふるさと納税は地方振興に一定の成果を上げる一方で、なりふり構わぬ寄付金獲得競争が本来の趣旨を逸脱していると批判されてきた。近畿大短期大学部の鈴木善充准教授(財政学)は「総務省通知の3割規制は概ね妥当なライン。通知に従わない自治体が出ないよう制度変更すべきだ」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 免許証返納はわずか5%、アブナイ高齢ドライバーは今後も増え続けるのか 免許証返納はわずか5%、アブナイ高齢ドライバーは今後も増え続けるのか 2018/09/18 昨日9月17日は「敬老の日」。日本はこれから、75歳以上が現状の約3割増える「超高齢社会」になる。75歳以上の運転免許保有者も、事故件数も伸び続けると予測される。それを防ごうと警察庁は高齢者の免許更新時の検査を強化し「免許証の自主返納」を呼びかけているが、応じない高齢者からは「ここではクルマがないと生きていけない。しかたない」という声があがる。しかし今、全国各地の自治体では、免許証を返納しても、クルマがなくても、生活に不便をきたさない施策を次々と打ち出している。財政支援も受けて年々拡大しているこの「免許証返納経済圏」には、ビジネスチャンスがある。
記事 政府・官公庁・学校教育 圏域行政とは何か? 新たな行政組織に市町村が戸惑うワケ 圏域行政とは何か? 新たな行政組織に市町村が戸惑うワケ 2018/09/13 政府は複数の市町村で構成する行政組織「圏域」を新たな行政単位に位置づける議論を本格化させた。急激な人口減少で行政サービスを維持できなくなる市町村が出てくることに対応するのが狙いで、第32次地方制度調査会で圏域を新しい行政単位にするかどうか検討し、安倍晋三首相へ2020年までに答申する。九州大大学院法学研究院の嶋田暁文教授(行政学)は「人口減少の中で新たな市町村の枠組みが必要ないとはいえないが、どういう枠組みにするかが問題。圏域にはメリットもデメリットもあり、慎重に考える必要がある」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 なぜ岡山県の辺境の村に「移住者」が殺到しているのか なぜ岡山県の辺境の村に「移住者」が殺到しているのか 2018/08/31 中山間地や離島など全国の過疎地域で急激な人口減少が続く中、人口減少に歯止めがかかりつつある地方自治体が出てきた。岡山県北部の西粟倉村がその例で、ローカルベンチャーを起業する移住者の増加で人口の約1割を移住者とその家族が占めている。その結果、人口の減少ペースが緩やかになり、子どもの数が増えてきたわけだ。岡山大大学院社会文化科学研究科の中村良平特任教授(地域公共政策)は「地域の個性を売り込むことで移住者を呼び寄せている好例。ものとお金の流れをつなげた地域経済循環も実践できている」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 半数近くがなんと三大都市圏に、「買い物難民」が爆発的に増え続けるワケ 半数近くがなんと三大都市圏に、「買い物難民」が爆発的に増え続けるワケ 2018/08/22 食料品の購入に不便を強いられる買い物難民が2015年で全国825万人に上ることが、農林水産省の推計で分かった。このうち、半数近くが三大都市圏で、10年前に比べて40%以上の爆発的な増加を示している。だが、この推計は店舗までの直線距離500メートルで一律に算定しており、500メートル未満でも途中に急坂があるなどして買い物が困難な人を含んでいない。茨城キリスト教大文学部の岩間信之教授(都市地理学)は「大都市圏の買い物難民は国の推計より多いとみられ、今後も増え続けるだろう。地域の互助サービスが消え、助け合い関係が希薄なだけに、将来が心配だ」と指摘する。
記事 スマートフォン・携帯電話 ロンドンでわかった、世界中で「路線バス」を使い倒す外国人が増えている理由 篠崎彰彦教授のインフォメーション・エコノミー(101) ロンドンでわかった、世界中で「路線バス」を使い倒す外国人が増えている理由 篠崎彰彦教授のインフォメーション・エコノミー(101) 2018/08/16 普段利用しない路線バスを使いこなすのは、地元であっても難しい。まして、見知らぬ土地であればなおさらだ。そこで役立つのが交通系アプリだ。とはいえ、現実の利用場面では、いくつかの課題もある。初めての来訪者もストレスなくワンタッチで使えるアプリとはどんなものか。海外の実例で考えてみよう。
記事 運輸業・郵便業 私鉄各社の「線路は続くよどこまでも」 京王・東武は民泊参入、京急はインドネシアへ 私鉄各社の「線路は続くよどこまでも」 京王・東武は民泊参入、京急はインドネシアへ 2018/08/13 夏休み。大都市近郊の駅では「スタンプラリー」に参加する子どもたちの姿が見られる季節だが、その私鉄各社は今、増加のペースが全く衰えない訪日外国人需要の取り込みに懸命だ。PRのために海外に事務所を設置したり、海外の鉄道企業と提携したり、「特区民泊」に進出したり。一方で不動産開発の海外展開も盛んになっている。世界的に「鉄道」のマーケットは拡大しているが、日本は車両の輸出や運行のノウハウの移転だけでなく、「安全・快適・便利」なサービスや、多角化してきた私鉄経営のような側面でも、世界からお手本にされるようになるか?