記事 金融ガバナンス・内部監査 金融庁の「内部監査ヒアリング」はなぜ“ゆるい”? 自己評価方式の巧妙さと真意 金融庁の「内部監査ヒアリング」はなぜ“ゆるい”? 自己評価方式の巧妙さと真意 2024/02/16 企業の内部不正を独立した立場で調査・評価し、ときに板挟みに苦しむイメージもある内部監査部門。金融庁は現在、金融業界におけるこの内部監査に「肩入れ」をしようとしています。同庁が公表した『金融機関の内部監査の高度化に向けたプログレスレポート(中間報告)』では、経営層にとって信頼できるアドバイザーとしての機能を果たすために、内部監査体制を強化するよう促す記述が盛り込まれました。金融庁の真意はどこにあるのか。その「巧妙さと真意」を読み解きます。
記事 金融政策・インフレ 政府が金融機関に示す「規範」拡大をどうみるか? 金融業以外も動向を追うべき理由 政府が金融機関に示す「規範」拡大をどうみるか? 金融業以外も動向を追うべき理由 2024/01/16 法令上のルールとは別に、政府などが打ち出す原則を指す「規範(プリンシプル)」がこのところ、金融分野を中心に増えてきています。「柔らかい法(ソフト・ロー)」とも呼ばれるこのプリンシプルに従うかどうかは建前上、民間事業者側の自主判断に委ねられていますが、金融機関からは「処分権限を握る役所で作られたプリンシプルは、ほとんどルールと同じ」という声も聞こえます。この「規範」は実は金融業以外にも広がりを見せていますが、こうした動きをどうとらえるべきなのでしょうか。
記事 金融政策・インフレ 新NISAでも対象に、これから「投信の購入対象」に追加される3つの資産とは? 新NISAでも対象に、これから「投信の購入対象」に追加される3つの資産とは? 2023/11/08 金融庁は、岸田政権が掲げる「資産運用立国」の実現に向け、投資信託で投資できる資産の種類を増やすための環境整備を検討しています。預貯金に滞留しがちな家計金融資産を投資に回すため、資産運用の選択肢を増やすという大義を打ち出しています。ただし議論の中身に目を向けると、特に政府が足元で注力している政策テーマと関連性の強い分野への資金供給を集中的に進める狙いも垣間見えます。今回は首相の諮問機関である金融審議会傘下の作業部会における議論を踏まえ、投信の購入対象に追加され、NISAなどで投資できるようになる可能性がある資産を3つ紹介します。
記事 金融ガバナンス・内部監査 三菱UFJ信託「慣習に風穴」で投信コスト低減、「価格二重計算見直し」の意義 三菱UFJ信託「慣習に風穴」で投信コスト低減、「価格二重計算見直し」の意義 2023/10/31 岸田政権が掲げる「資産運用立国」。その具体策の目玉として浮上しているのが、投資信託の価値を算出する同じ作業を、複数の金融機関が並行して行っている「二重計算問題」の解決です。二重計算は日本独自の慣習として続いてきたものの、デジタル化、国際化が進む中で抜本的な見直しの必要性を示す企業がでてきました。そもそも二重計算のどこに問題があるのか。なぜ投信計理の効率化というニッチでテクニカルな話題を、政府は目玉施策として打ち出そうとしているのか。三菱UFJ信託が「価格二重計算」を見直し、1社計算を導入した意義と課題をお伝えします。
記事 金融ガバナンス・内部監査 「新NISAだけ」は大間違い、日本の「資産運用立国」への具体策 「新NISAだけ」は大間違い、日本の「資産運用立国」への具体策 2023/10/27 現在、政府は「新NISA」など国民向けの制度とセットで、「資産運用立国」を掲げ、金融商品の運用業務に関わるビジネス慣行の改革に乗り出す方針を掲げています。具体的な政策内容は年末までに公表予定の新たな政策プランに盛り込まれる見通しですが、実はその方向性は、金融庁が8月に公表した金融行政方針や、金融審議会内の議論の内容から探ることができます。制度改正で何が変わりそうなのか、金融ジャーナリストの筆者が解説します。
記事 金融ガバナンス・内部監査 対マネロン「金融機関横断プラットフォーム構想」とは? 「本人確認の限界」へ挑戦 対マネロン「金融機関横断プラットフォーム構想」とは? 「本人確認の限界」へ挑戦 2023/10/06 高度化、深刻化するマネーロンダリングの脅威。対策に用いるデータを金融機関どうしが共有する巨大プラットフォームの創設に向けた構想が、現実味を帯びつつあります。一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA)が9月に開いた初の不正・犯罪対策ワーキンググループ(WG)勉強会では、システムベンダーや金融機関、金融庁、デジタル庁の各担当者が登壇し、今後の方向性について意見を交わしました。新たなプラットフォームはどのようなものになるのか、そして個人情報の共有によって生じるリスクに、いかにして対処するのか。当日の議論をもとに展望と課題をお伝えします。
記事 UX・UI・デザイン 金融はどのように変質するか? 「量子コンピューター」「ゲーミフィケーション」の場合 金融はどのように変質するか? 「量子コンピューター」「ゲーミフィケーション」の場合 2023/10/04 1 ゲーミフィケーションがブームとなって10年あまり。金融分野におけるユーザー体験はどのように変化し、今後どこへ向かおうとしているのか。そして国内外で技術開発が進む量子コンピューターは金融の世界に何をもたらそうとしているのか──。本稿では金融に「ゲーミフィケーション」や「量子コンピューター」をかけあわせた時のインパクトや変容を探る。ゲーミフィケーションの専門家としてセ ガエックスディー取締役 執行役員 CSOの片山智弘氏、量子コンピューターの産業利用分野の専門家として金融革新同友会FINOVATORS共同創設者で東北大学大学院情報科学研究科特任准教授(客員)の蓮村俊彰氏が各々の立場から聞いた。
記事 UX・UI・デザイン 金融業界におけるオープンイノベーション、その課題と「界隈性」の変え方とは? 金融業界におけるオープンイノベーション、その課題と「界隈性」の変え方とは? 2023/09/29 外部の知見を積極的に取り入れてビジネスモデルの変革を促すオープンイノベーションは、規制面での制約が多い金融分野では困難というイメージを持たれがちだ。時代に即して金融機関が自らを変化させる上で、一体何が障壁となっているのか。また、現状を打ち破るには何が必要なのか──金融におけるイノベーションの促進に取り組んできる金融革新同友会FINOVATORS共同創設者で東北大学大学院情報科学研究科特任准教授(客員)の蓮村俊彰氏と、UI/UXの点で金融機関と組むことが多いセガ エックスディー取締役 執行役員 CSOの片山智弘氏にそれぞれの考えを聞いた。
記事 デジタルバンク/ネオバンク/BaaS ドコモら金融サービス仲介業者が語る「新業態」のリアル、その「しがらみ」は何か? ドコモら金融サービス仲介業者が語る「新業態」のリアル、その「しがらみ」は何か? 2023/09/28 銀行、証券、保険の縦割り的な所属制を廃し、個別の登録手続きなしで3分野の商品を取り扱うことができる金融サービス仲介業。2020年の金融サービス提供法改正で新設され、最近はスタートアップだけでなく大企業からも参入の動きがみられます。このほど日本金融サービス仲介業協会(JFIM)が都内で開いた金融機関向けセミナーでは、NTTドコモのウォレットサービス部バンクサービス担当課長・川上太一氏、Habitto代表取締役COO・久米保則氏らが登壇し、新仲介業の現状と課題について意見を交わしました。金融庁の担当官がモデレーターを務めたパネルディスカッションの模様を伝えます。
記事 金融ガバナンス・内部監査 「金融行政方針2023」を読む、国はNISA刷新前に金融ビジネスを健全化できるか? 「金融行政方針2023」を読む、国はNISA刷新前に金融ビジネスを健全化できるか? 2023/09/27 金融庁は8月29日、今後1年間における政策面、監督面での活動の方向性を示す「2023事務年度金融行政方針」を公表しました。NISA制度の刷新を中心とした投資促進策が動き出す中、複雑な仕組債の不適切な勧誘など問題発覚が相次いだ金融商品販売サイドのビジネス健全化に向け、当局はどのような姿勢で臨むのか。フィンテック分野ではどのような動きがあるのか。官民への取材を基に行政方針を読み解きます。
記事 AI・生成AI 金融庁や日銀が語るデータ活用、「生成AI」「共同データ基盤」の論点とは 金融庁や日銀が語るデータ活用、「生成AI」「共同データ基盤」の論点とは 2023/09/26 データ活用の拡大は金融ビジネスにどのような変化をもたらすのか──。このほど金融データ活用推進協会(FDUA)が都内で開催した第5回金融データ活用Meetupでは、銀行や保険会社に所属するエキスパートや金融庁の担当官らが登壇し、それぞれの立場からデータ利活用拡大に向けた課題や今後の展望を語りました。生成AIがもたらす影響や金融犯罪対策の動向についても話題に上ったパネルディスカッションの模様を伝えます。
記事 ブロックチェーン・Web3 「Web3と言わない」導入進む、三井物産や上新、ロッテの事例とは? 「Web3と言わない」導入進む、三井物産や上新、ロッテの事例とは? 2023/09/21 Web3技術の進展は、企業と顧客との関係をどのように変えるのか。7月に東京・六本木で開かれた「web3BB Tokyo」内のFinTech Journalによるセッションで、一般社団法人日本セキュリティトークン協会代表理事・増田剛氏と、ブロックチェーンを活用したマーケティングプラットフォームを運営する24 karatの共同創業者、小川真輝氏が、エンタープライズ領域におけるWeb3の現状と課題、そして今後の展望を語りました。
記事 金融規制・レギュレーション 【解説】金融庁「2023年版サステナブル報告書」、独自に示した「インパクト投資要件」 【解説】金融庁「2023年版サステナブル報告書」、独自に示した「インパクト投資要件」 2023/08/17 金融庁のサステナブルファイナンス有識者会議は6月、ESG投資やインパクト投資を推進する制度整備に向けた新たな報告書を公表しました。過去に公表された報告書は国際的な議論の紛糾を背景に様子見的な姿勢も見受けられましたが、今回は例年になく具体論に踏み込んだ記載ぶりも見受けられます。インパクト投資、少額投資非課税制度(NISA)制度拡充という2つのポイントに注目し、報告書の狙いを読み解きます。
記事 証券 不適切販売の一掃に「王手」? 金融庁FDレポートを3方向から読み解く 不適切販売の一掃に「王手」? 金融庁FDレポートを3方向から読み解く 2023/08/15 1 保険商品と仕組債の募集・勧誘の実態について、規制当局が目を光らせています。金融庁は6月30日に発表した「リスク性金融商品の販売会社による顧客本位の業務運営のモニタリング結果について」(通称「FDレポート」)で、外貨建て一時払保険や仕組債の営業行為に関する当局としての課題認識を提示しました。なかには「無理な手数料稼ぎをするくらいなら、ビジネスから撤退しても構わない」という趣旨の、一見業界を突き放すような記載も。金融庁の真意はどこにあるのか、関係者への取材を基に保険、仕組債、ビジネスモデルの見直しという3方向からレポートを読み解きます。
記事 地銀 金融庁チーフ・フィンテック・オフィサーに聞くDX、「GAFA参入」で当局はどう動くか? 金融庁チーフ・フィンテック・オフィサーに聞くDX、「GAFA参入」で当局はどう動くか? 2023/08/02 分散型金融の拡大やプラットフォーマーへの権限集中など金融ビジネスの枠組みが変容する中、規制当局はどのように対応していくのか。金融庁のチーフ・フィンテック・オフィサー、牛田遼介氏へのインタビュー後編では、地域金融機関におけるDX推進やフィンテック事業者との連携、巨大プラットフォーマーによる金融参入、生成AIをめぐる議論について考えを聞きました。
記事 決済・キャッシュレス デジタル証券市場新設も“ブロックチェーン”なし? 幹部語る「現実路線」 デジタル証券市場新設も“ブロックチェーン”なし? 幹部語る「現実路線」 2023/07/28 私設取引所(PTS:Proprietary Trading System)を運営する大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)は、2023年11月にも日本初のセキュリティトークン(ST)取引所開設を予定しています。新市場では、ステーブルコインの利用や取引を自動的に執行する「スマートコントラクト」の実装を当面先送りし、ひとまず通常の銀行振替を利用する「現実路線」でスタートする見通しです。同社の丸山顕義・常務取締役が6月に金融庁で開かれた研究会に登壇し、計画の方向性と課題、そして今後の展望を語りました。
記事 ブロックチェーン・Web3 大和証券やSOMPO、三井物産が挑むWeb3、その勝ち筋と未来予測とは? 大和証券やSOMPO、三井物産が挑むWeb3、その勝ち筋と未来予測とは? 2023/07/27 Web3分野ではスタートアップ企業の勢いが目立つ一方、既存の大手企業の中にも、ブロックチェーン技術を活用した新たなビジネスの創出に本腰を入れる事業者が珍しくなくなってきました。証券、保険、商社の各大手グループでWeb3分野を担当するキーパーソンらは、どのように取り組んでいるのでしょうか。大和証券グループ本社常務執行役員、大和総研取締役で大阪デジタルエクスチェンジ 取締役の板屋篤氏、SOMPO Light Vortex執行役員事業統括部部長の上原高志氏、三井物産デジタルコモディティーズの辰巳喜宣氏が語りました。
記事 デジタルバンク/ネオバンク/BaaS 金融庁 フィンテック最高責任者に聞くイノベーション、「AI確認」が許容された経緯とは? 金融庁 フィンテック最高責任者に聞くイノベーション、「AI確認」が許容された経緯とは? 2023/07/26 金融庁は近年、フィンテックの進展・拡大に対応するための体制強化を進めています。従来から継続している相談窓口の運営、実証実験サポートなどの取り組みに加え、22年7月にはイノベーションを推進する専門部署が新設されました。テクノロジーの進化は既存の規制枠組みをどのように変えていくのか。そして、イノベーションの推進と規制をいかにして両立するのか──金融庁のチーフ・フィンテック・オフィサー、牛田遼介氏に考えを語ってもらいました。
記事 ブロックチェーン・Web3 三菱UFJ信託に聞くデジタル証券、「わざわざトークン化」の意義とは? 三菱UFJ信託に聞くデジタル証券、「わざわざトークン化」の意義とは? 2023/07/24 ブロックチェーン技術を活用したデジタル証券を通じ不動産に投資する、不動産セキュリティートークンの市場が拡大を続けています。デジタル証券をめぐっては「小口で投資できる」という投資家側のメリットが注目されがちですが、そもそも証券会社など仲介する金融機関側にとって、トークン化にはどのような“うまみ”があるのでしょうか。政府が6月に開いた専門の研究会で、トークンの発行管理基盤を運営するProgmat(プログマ)のプロジェクトを主導する三菱UFJ信託銀行・齊藤達哉氏が考えを語りました。
記事 決済・キャッシュレス 日銀金融研究所長が語る「中央銀行DX」、世界最先端の取り組みを解説 日銀金融研究所長が語る「中央銀行DX」、世界最先端の取り組みを解説 2023/06/28 実体経済や金融市場、銀行経営、決済インフラなどを日々モニタリングし、経済の安定を維持するという重大な役割を負う中央銀行。最近、米国で生じたデジタル・バンクランなどSNSやネットチャネルの発達によって市場における資金の動き方が変容するなか、中央銀行自身もまた変革を迫られています。目指すべき未来のモニタリングの在り方とは。日銀金融研究所長の副島豊氏がFintech協会主催のイベント「Meetup with BOJ」にて語りました(肩書は取材当時のものです)。
記事 金融政策・インフレ 日銀FinTechセンター長が語る決済の進化、根本にある「アンバンドリング」「単純化」とは? 日銀FinTechセンター長が語る決済の進化、根本にある「アンバンドリング」「単純化」とは? 2023/06/09 「決済をめぐる変化は利便性の向上、新たなビジネスの機会、経済の成長につながる可能性を秘めている一方で、変わってはいけないこともある」――日本銀行FinTechセンター長の別所昌樹氏は5月15日に開かれたFintech協会主催のイベント「Meetup with BOJでこのように述べました。中央銀行は決済領域の急速な変革とどう向き合っていくのか。そして別所氏が考える「変わってはいけないこと」とは何か。プログマビリティやCBDC(中央銀行デジタル通貨)をめぐる国際的な議論の動向にも話が及んだ講演の模様を伝えます。
記事 金融開発・保守・運用 実はG7の重要トピック「暗号資産と北朝鮮」「CBDC」、“踏み込んだ”内容になったワケ 実はG7の重要トピック「暗号資産と北朝鮮」「CBDC」、“踏み込んだ”内容になったワケ 2023/05/29 G7財務大臣・中央銀行総裁会議の財務トラックの重要トピックは、金融システム安定化とインフレ抑制、ロシア・中国への対抗でした。議論を受けて5月13日に取りまとまとめた共同声明では、日本の支援を受けて国際通貨基金(IMF)が作成中の「CBDCハンドブック」の作業加速、暗号資産のマネー・ロンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)強化に関する記載が盛り込まれました。それぞれどのような狙いがあるのか、現地取材を踏まえて解説します。
記事 金融規制・レギュレーション リスク性金融商品の販売・管理の実態は? 3方向から読み解く金融庁「地銀100行調査」 リスク性金融商品の販売・管理の実態は? 3方向から読み解く金融庁「地銀100行調査」 2023/05/12 金融庁は4月、「地域銀行100行におけるリスク性金融商品の販売・管理態勢に関するアンケート調査結果」を公表しました。表向き、調査の主眼は金融派生商品を組み合わせた特殊な債権である仕組債の販売実態に置かれていますが、資料にちりばめられた意味深な記載ぶりからは、仕組債販売歴の有無に関わらず幅広い業態に対して当局が発信するメッセージを読み取ることができます。取材を基に、今回の調査資料を“3方向”から読み解いていきます。
記事 証券 金融庁が「読まない目論見書」にメス、例年と一味違う「プログレスレポート」の中身とは? 金融庁が「読まない目論見書」にメス、例年と一味違う「プログレスレポート」の中身とは? 2023/04/26 1 金融庁は4月21日に公表した「資産運用業高度化プログレスレポート2023」で、投資信託の販売、管理におけるシステム面での効率化を業界側に求めました。投信を提案する際に金融機関が顧客に提供する目論見書については、現在は紙ベースやPDF形式が主流ですが、これを投資家と事業者の双方にとって使いやすいHTML形式へと移行するよう促しています。また、投信の管理などのシステムを取り扱うベンダーについて、大手事業者の寡占化が進んでいる現状を指摘。システム標準化などを通じ、健全な競争を促進すべきとの考えを打ち出しています。
記事 証券 “地味”な変更でも実務に影響大?「内部統制報告制度」改定のポイントを解説 “地味”な変更でも実務に影響大?「内部統制報告制度」改定のポイントを解説 2023/04/14 上場企業が公表する有価証券報告書などの信頼性を担保する内部統制報告制度の見直しに向け、金融庁の企業会計審議会が4月7日、政府に意見書を提出しました。内部統制部門が評価の範囲を決める際の目安となっていた3分の2という数値基準を「カッコ書き」にするなど、一見すると“地味”な改定内容ですが、監査を受ける企業側には相応の影響が広がりそうです。実務者は今後どのような対応を求められることになるのか。議論の経緯を踏まえつつ、改定実施基準を読み解きます。
記事 証券 「金融サービス提供法」改正案の内容は?「最善利益義務」新設と“仕組債包囲網”の狙い 「金融サービス提供法」改正案の内容は?「最善利益義務」新設と“仕組債包囲網”の狙い 2023/04/04 1 政府は3月14日、金融サービス提供法などの改正案を閣議決定し、国会に提出しました。仕組債販売をめぐる問題に端を発する「顧客本位の業務運営に関する原則(FD原則)」ルール化策が盛り込まれた今回の改正案の狙いと、仕組債包囲網の拡大を図る当局の「次の一手」について考えます。
記事 デジタルバンク/ネオバンク/BaaS 島根銀行がいち早く「勘定系クラウド化」に踏み込めた理由、APIを軸にDXを推進 島根銀行がいち早く「勘定系クラウド化」に踏み込めた理由、APIを軸にDXを推進 2023/03/29 島根銀行は1月30日、勘定系システムのクラウド移行に向けた計画を公表しました。SBI地方創生バンキングシステムが提供する地銀向けシステムを利用し、2025年度中の運用開始を目標に掲げています。メインフレームのクラウド化という難問に、取り組みだした島根銀行の「自信」は一体どこから来るのか──SBIホールディングスとの資本業務提携を機に取り組んだオープンAPI実装と、その過程で実現した一部基盤のクラウド化に焦点を当てながら考えてみます。
記事 金融ガバナンス・内部監査 「暗号資産は徹底的に敬遠」、次世代金融調査が可視化「日本人の超慎重姿勢」 「暗号資産は徹底的に敬遠」、次世代金融調査が可視化「日本人の超慎重姿勢」 2023/02/24 暗号資産など次世代金融への投資に対する日本人の「超慎重姿勢」ともいえる傾向が、SBI金融経済研究所が実施したアンケート調査で明らかになりました。米国など主要6カ国内で比較したところ、暗号資産の認知度、関心度は日本が最も低く、NFTやステーブルコイン、セキュリティートークンにいたっては聞いたことすらないという人が大半を占めます。さらに、詳しい知識を持っている人でさえ投資になかなか踏み出さない傾向も明らかになり、国内でビジネス拡大を狙う事業者サイドにとって、乗り越えるべき課題の多さを印象づける結果に。なぜ、次世代金融への投資機運は日本でこれほど低調なのか?──調査を主導した同研究所研究主幹・杉浦俊彦氏に考えを聞きました。
記事 証券 “仕組債攻防”から読み解くプロダクトガバナンス、金融庁の「反転攻勢」になり得るワケ “仕組債攻防”から読み解くプロダクトガバナンス、金融庁の「反転攻勢」になり得るワケ 2023/02/17 このところ金融庁がよく使っている「プロダクトガバナンス」という言葉。当初は投資信託会社など金融商品のメーカーサイドが果たすべき役割を指していましたが、足元ではその意味合いに変化が見られます。今回は、2022年11月以降に相次いで公表された2つの重要文書をベースに、この謎めいた用語を持ち出した当局の狙いはどこにあるのか、銀行や証券会社など金融商品を販売する事業者にどのような影響をもたらすのかを探ります。
記事 証券 金融庁が迫る「プロダクトガバナンス」は何を指す? レポートに隠された伏線とは 金融庁が迫る「プロダクトガバナンス」は何を指す? レポートに隠された伏線とは 2023/02/08 1 このところ金融庁は、金融事業者に対してことあるごとに「プロダクトガバナンス」を徹底するよう迫っています。が、このプロダクトガバナンスという言葉、一体何を意味しているのか、当の金融業界内でも認識が共有されているとは言いがたい状況です。もともとは、投資信託など金融商品を作る資産運用会社が果たすべき役割を指して使われていました。一方で、仕組債をめぐる問題に対する関心の高まりを機に、商品を販売する証券会社や銀行など金融機関側に対してもプロダクトガバナンスの強化が求められる機会が増えています。この謎めいたカタカナ語を当局が持ち出した狙いはどこにあるか、そしてそこに込められた意味合いの広がり方が、足元でどのように変わりつつあるのか──取材を元に探ってみました。