• 2006/04/14 掲載

経営の可視化・スピード化で実現するこれからのパフォーマンスマネジメント 第1回

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コンサルティングの過程で、企業の経営者層にインタビューなどを行うと、“欲しい情報が上がってこない”という声にしばしば出会う。そのほとんどが最新の情報システムを備え、むしろ情報にあふれているとすら思える企業であるのに、だ。また、“上がってこない”という表現も妙である。多くの経営者がいまだ情報は“下”から上がってくるのを待っているきらいがある。本連載では、経営の可視化・スピード化で実現するこれからのパフォーマンスマネジメントと題して、スピード経営に対応できる管理手法に関して論していく。


ベリングポイント
ディレクター
秦 久朗
Hata Hisaaki
東京事務所のWorld Class Financeチーム所属。
1986年神戸大学経済学部卒業
1993年クレアモント大学院ピーター・F・ドラッカーマネジメントセンターにてMBA取得
大手鉄鋼メーカー勤務を経て、アーサーアンダーセン ビジネスコンサルティング部門(現ベリングポイント)入社

経営管理・戦略経営のコンサルティングを専門とし、ABC/ABM(活動基準原価計算)、予算制度構築、業績評価制度の構築、管理会計システムの構築、バランススコアカード導入、シェアードサービス導入、投資意思決定プロセス改革、事業再編戦略立案、合併・分社・持株会社化等組織再編成 等のコンサルティングに従事。
[著書]
『株主価値重視の企業戦略』(共著)、『ABMのベストプラクティス』(共訳)、『バランス・スコアカード導入ハンドブック』(共著)、以上、東洋経済新報社  『統合的M&A戦略』(共著)ダイヤモンド社



 経営者でなくとも、ある種の意思決定をすべき立場にいるビジネスパーソンにとって、“いま何がどうなっているのか”を常に知りたいのは当然だ。何か問題が起きた時の原因究明は言うに及ばず、欲を言えば常に企業/事業の状態を分かりやすく見渡したいものだ。ところが、それ自体が案外かなえられないというのが意思決定を行う者の悩みのようである。

実際、経営の“見える化”プロジェクトと名付けて見えるようにすることを経営改革の主要テーマとして取り組んでいる企業の例も多い。それほど経営とは見え難いモノなのだろうか。無論そうではない。要するに見たいものが見えない・身近にない、あるのだが意味がすぐには読み取れない、だから結果として見えないのである。見たい情報、意味ある情報とはすなわち価値基準の物差しが添えられた善か悪かの旗色の明らかな情報であり、Go or Not goの指針の示された情報である。

 一般に業績評価あるいは業績管理と訳されるPerformance Managementというテーマに取り組んだ結果、企業は単なる“信号”に評価基準を沿えることで意思決定に資する経営情報とすることに成功し、初めて“見えた”と実感することができる。可視化とは内外の状況の下における企業の状態(Performance)に意味を与えることで評価を下し、次の行動をとる(Management)ことができる状態を指す。

 これらを可能にするには方法論や情報システムなどが体系化され統合化されて利用可能になることが望まれる。ガートナー・レポートが2001年にそのコンセプトをCPM(Corporate Performance Management)という言葉で提唱したことで経営手法にとどまらず、IT環境も包含するものとしての「業績管理」が注目されるようになった〈※注1〉。

それには、企業のビジネス・パフォーマンスを監視・管理する上で用いる方法論、基準、プロセス、システムが含まれ、業績を管理するためのプロセス(戦略策定や予算編成)、そのための方法論(バランス・スコアカード、Value Based Management)、さらに戦略と業務を結び付け具体的な業績測定を行う数値/KPI(主要業績評価指標)、そしてそれらをサポートする情報技術(BIなど)からなる。

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