- 会員限定
- 2023/04/05 掲載
「会議で良いアイデアは出ない」と言える科学的根拠、“ムダ会議”にしない5つの方法
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。
1975年、宮崎県高千穂生まれ。
東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦まで1万人以上をサポート。テレビやメディアなどにも多数出演。著書に『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』『脳科学者が教える集中力と記憶力を上げる 低GI食 脳にいい最強の食事術』『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)などがある。著書は累計25万部を突破。
会議で良いアイデアが出ない「当然の理由」
会議で良いアイデアを出そうと思っても、なかなか出てこない。職場における「あるある」ですが、これは、認知バイアスの観点からすると当然のことです。まず、複数のメンバーが集まった時点で「グループシンク(Group think)」という認知バイアスが働きます。これはグループで考えると、凡庸(ぼんよう)な結論になってしまう傾向のことで「集団浅慮(せんりょ)」とも呼ばれる認知バイアスです。
なぜ、グループで集まると創造的な場にならないのかというと、そこには次のような複数の認知バイアスがかかわっているからです。
外集団同質性効果(Out-group homogeneity bias):自分が属するグループ以外は、皆似たり寄ったりだと認識してしまう認知バイアス。
多元的無知(Pluralistic ignorance):集団の大多数のメンバーが内心ではそのとり決めやルールを拒否しているにもかかわらず、ほかの多くのメンバーがそれを受け入れていると思い込み、従ってしまう。
多数派(同調)バイアス(Majority bias):行動を選択する際に、他者の一般的な行動を観察し、それに同調する傾向。
パーキンソンの凡俗法則(Parkinson’s Law of Triviality):組織はささいなものごとに対して、不釣り合いなほど重点を置く。本来、議題にすべき重大事よりも、部長がどう考えているか、議論の手順はどうするかといったどうでもいいことの話し合いに時間を費やしてしまう。
どれも複数のメンバーが集まった場面で発生する認知バイアスです。そして、このほかに、「自分がやらなくても、誰かがちゃんとやってくれるだろう」と考えてしまう認知バイアス「傍観者効果」も加わるので、最終的な責任の所在が曖昧になってしまいます。
また研究からも、個人と集団で考えるのでは、まったく違う考えになってしまうことが示されています。 【次ページ】研究で判明「個人で考えた結論」と「集団で考えた結論」の面白い関係
関連タグ
PR
PR
PR