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オフィスワークと切っても切り離せないメール作業。相手に失礼がないようなメールを作成することは大切ですが、労力をかける方向性を間違えると、タイパ的に「最悪」な状況に陥ってしまいます。タイパを下げずにメールのクオリティを改善するにはどうすればよいのかを解説します。
メールの「過剰品質」に注意
あなたは、1通のメールを書くのに10分も20分もかけてしまうことはないでしょうか。誤字があってはいけない。丁寧な言葉遣いをしなくてはいけない。気遣いをしなくてはいけない。そう考えて過剰に時間をかけてしまうケースです。
メール1通に時間をかけすぎるのは、タイパの観点からあまり望ましくありません。
まずは、そもそもビジネスでメールを送る目的を今一度思い出してみましょう。
メールは多くの場合、文面が完璧であることよりも、最低限の礼節を踏まえた上で、コミュニケーションを適切に取れることが何より求められます。
敬語や言葉遣いがいくら完璧で正しくても、相手に伝えたい情報が正確に伝わらなければ、目的は達成できません。作成時に誤った方向で“過剰品質”なメールに仕上げても、そこまで高品質なレベルを相手は求めていないことが大半なのです。
たとえば、打ち合わせの日程を調整するメールについて、丁寧な言葉遣いの文面を試行錯誤して20分かけて送るのと、最低限の礼節をわきまえた上で簡潔な内容で5分で送るのでは、どちらが評価されるでしょうか。当然、早く書けたほうが評価されます。仕事である以上「時間をかけて、素晴らしい」とはなりません。限られた時間の中で、いかにムダなく早く完了できるかが問われますし、タイパの観点からもメール処理はできるだけ短時間で行うのが望ましいです。
もちろん、交渉など重要で複雑なやり取りであれば、メールを書くのに時間がかかるのも分かります。
しかし、日常的に送っているメールは、作業の依頼、進捗確認、入金の依頼、日程調整、資料の発送など単純な内容も少なくないはずです。込み入った用件でないなら、時間をかけずに対応することが必要です。
先ほど例に挙げたアポイントメントを取るメールについても、5分で書くより20分かけて書いたほうが会ってもらえる可能性が高くなるかと言えば、そうとは限りません。「敬語が正しく使えているから会おう」、「適切な言葉遣いができているから会ってもいい」とはならず、メールの内容自体から会うメリットが伝わった場合にアポが実現するのです。メールにメリットが書かれていなければ、どんなに敬語や言葉遣いができていても、当然会ってはもらえないでしょう。
つまり、敬語を正しく使って丁寧な言葉遣いをするために時間をかけても、かけた分だけ必ず価値を増すわけではないため、そこに注力しすぎるのはタイパが悪いと言えるのです。
なぜメールの敬語は「指摘されがち」なのか
そうは言いつつ、皆さんもメール文面の敬語表現について、上司や先輩に改善点を指摘された経験があるかもしれません。
確かに敬語の間違いや日本語文法の誤りは、指導する立場からしたら正解があるため指摘しやすいのでしょう。
指摘される側も、敬語や言葉遣いにダメ出しをされたら萎縮してしまいます。インターネットで敬語や言葉遣いを調べたり、周囲の聞きやすい人に助けを求めたり。言葉に注意を払ってメールを書いたのに相手が気分を害したり、怒ったり、こちらの思いどおりに動いてもらえなかったりするたびに「語彙力をもっと磨かないと」「表現力をもっと磨かないと」と考えてしまうかもしれませんが、これは完全に悪手です。
メールのクオリティ向上を目指すには、敬語よりも先に優先するべき事項があります。その事項の改善ができていないのに敬語だけを改善しようとしても、思ったような効果が出ず、いたずらに時間を浪費してしまうだけです。
改善に着手する際は、まずは相手が読みたくなり、読んだときに分かりやすい内容であることを目指すと効果が出やすいです。
具体的には、下記の順序を意識して改善していくことをおすすめします。
<メールのクオリティ改善で優先するべき順序>
- 開封したくなるか
↓
- パッと見て読みたいと思えるか
↓
- スラスラ読めるか
↓
- 必要な情報が適切な順で盛り込まれているか
↓
- 分かりやすく書かれているか
↓
- 文法が正しいか
↓
- 敬語が正しいか、語彙が豊富か、表現力があるか
もちろん、ここで順序が最後だからといって敬語の正しさをないがしろにしていいわけではありません。正しいビジネスメールを書くにあたり、敬語もある役割を果たし得るのですが、これについては後述します。
【次ページ】正しいビジネスメール「2つの条件」とは
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