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- 2023/06/16 掲載
Microsoft Entraとは何か?マイクロソフトのセキュリティ・ID管理サービスのゆくえ
山市良のマイクロソフトEYE
IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など
Microsoft Entraが有する5つのソリューション
最近になって、Azureのポータルの「Azure Active Directory」ブレードや、Azure Active Directory(Azure AD)のドキュメントに、“Azure ADはMicrosoft Entraの一部”であるという表現を目にするようになりました(画面1)。Microsoft Entraについて何も知らなければ、いったい何のことなのか、何か変わるのかと思うに違いありません。Microsoft Entraは、2022年5月末に発表され、一部プレビュー中のサービスも含みますが、一般提供されています。Microsoft Entraとは、現状、以下の5つのサービスからなる、製品ファミリーのことを指します(図1)。
- Azure Active Directory(Azure AD)・・・ クラウドのIDとアクセス管理ソリューション
- Microsoft Entra Permissions Management(権限管理、アクセス権管理、アクセス許可管理)・・・ マルチクラウド対応のクラウドインフラストラクチャーエンタイトルメント管理(CIEM)ソリューション
- Microsoft Entra Verified ID(確認済みID、検証済みID)・・・ オープン標準ベースの分散型IDサービス
- Microsoft EntraワークロードID(プレビュー)・・・ ソフトウェアワークロードに割り当てるIDのフェデレーション、保護、条件付きアクセスなど
- Microsoft Entra IDガバナンス(プレビュー)・・・ IDのライフサイクル管理ソリューション
Azure ADについては、Microsoft 365(旧、Office 365)やWindows 365 Cloud PCに必須のクラウドベースのIDとアクセス管理基盤サービスです。Azureサブスクリプションを利用していれば、少なくとも1つのAzure ADテナント(ディレクトリ)を持つため、皆さん良く知っているサービスでしょう。
Microsoft Entra Permissions Managementは、日本語のポータルやドキュメントでは「Microsoft Entra権限管理」「Microsoft Entraアクセス権管理」「Microsoft Entraアクセス許可管理」のように訳が統一されていないことに注意してください。
Microsoft Entra Verified IDは、もともと「Azure Active Directory Verifiable Credentials」として開発されてきたもので、一般提供のタイミングで名称が変更され、Microsoft Entra製品ファミリーに加わりました。この製品も「Microsoft Entra権限管理」「Microsoft Entraアクセス権管理」のように訳が統一されていないことに注意してください。
残る2つの製品はプレビュー中のものです。Microsoft EntraのAzure AD以外の製品がどのような製品なのか、何に役立つのか、筆者自身とらえきれていません。ハイブリッド、マルチクラウド、そしてあらゆるものがつながる現在の、そしてこれからの世界で、デジタル化の基盤となるIDとアクセスのニーズに対して、包括的なソリューションを提供するもののようです。詳しくは、上記のリンク先にある各製品のドキュメントで確認してください。 【次ページ】統合されたAzure ADの既存機能はどう変わる?
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