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- 2023/11/14 掲載
ファーウェイの爆売れスマホ「Mate 60 Pro」は何が凄い?“iPhone超え”生んだ2つの理由
iPhone超えた、ファーウェイの最新スマホ「Mate 60 Pro」
8月28日から予約受付が始まったファーウェイのスマートフォン「Mate 60 Pro」が売れに売れている。サプライヤー統計によると、Mate 60 Proの出荷が始まった2023年第36週(9月4日の週)からファーウェイの出荷シェアが伸び始め、第38週にはアップルがiPhone 15シリーズを発売したにも関わらず、第40週にはファーウェイが首位に立っている。調査会社カウンターポイントは、iPhone 15シリーズ発売後17日間の中国市場での販売台数が、2022年のiPhone 14シリーズと比較して、Pro Maxでは14%減、Proで11%減、15で8%減という深刻な落ち込みを見せていると報じている。
一方、ファーウェイは中国メディアの報道では1500万台の予約が入っているとも報道されている(極度の品薄状態のため転売目的の予約も多いと推測される)。現在、後述する理由で出荷が追いついてなく、ファーウェイは「残業もして、生産拠点も増やしている」と消費者にアナウンスをしている状態だ。
爆発的人気を生んだ2つの技術的な理由
Mate 60 Proが爆発的な人気になっている背景には、技術的な理由が大きく2つある。1つは、ファーウェイ独自開発のOS「HarmonyOS」(ハーモニーオーエス)が成熟してきたことだ。
2019年に米国による半導体の輸出規制が開始されると、ファーウェイはすかさずHarmonyOSを発表した。当初はAndroidベースだったが、2.0からはLinuxベースのカーネルに差し替えられ、独自開発のOSとなった。
HarmonyOSの最大の特長は、デバイス間連携機能だ。HarmonyOSを搭載したスマホ、タブレット、PC間では、指でスワイプするだけでウィンドウを移動させることができる。さらに、HarmonyOSのオープンソース化も進め、対応する家電製品や周辺機器も増えている。
たとえば、PCで書類を作っていて、外出する直前にスワイプして書類をスマホに移動させ、オフィスでは大型ディスプレイに書類をスワイプして表示するといったことが簡単にできる。
これは、アップルがAirDropやAirPlay、ユニバーサルコントロールで目指している世界観だが、HarmonyOSは同じことを、より洗練された操作で、幅広いデバイスで可能な世界をすでに実現している。
アップルユーザーがアップル製品を使い始めると快適さから他社製品を使わなくなるのと同様に、中国ではファーウェイ製品を使い始めると他社製品を使わなくなるコアなファンがいる。Mate 60 Proはそのような人たちが待ちわびた3年ぶりの新機種なのだ。 【次ページ】人気を生んだもう1つの最大の理由、米国も驚いた予想外の新技術
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