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- 2023/11/08 掲載
スマホの負け組“マイクロソフト”、「10年越しの完成形」爆誕、敗者復活となるか?
連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤
ThinkPhoneが「PCに変身」する仕組み
ThinkPhoneは、モトローラ製で、ノートPCのThinkPadが30周年を迎えたことに合わせて発表された。1月に開かれたCESでレノボが初めてお披露目し、4月から正式に発売を開始している。なお日本での発売は現時点で明らかではない。ThinkPhoneがWindows 11のPCに変身する仕組みはこうだ。まず、Azure上で提供される、クラウドベースのユーザー管理サービス「Microsoft Entra」のアカウントにスマホからログインする。そして、ビデオ対応型USBタイプCケーブル、あるいはUSBタイプCからHDMIへの変換ケーブルでモニターに接続する。このとき、スマホをBluetoothマウスとキーボードにもペアリングをしておく。
すると、画面上に選択メニューが表示されるので、Windows 365をクリックすれば、すぐに利用を開始できる。なお、ThinkPhoneの設定で「自動的に開始」を有効にすると、ケーブルを接続するだけでWindows 365にアクセスできるようになるため、すぐに作業を始められる。
さらに、あらかじめモニターに接続した専用ドックを使えば、ケーブル接続の手間さえ必要なくなる(動画参照)。またインターネット接続については、もちろんWi-Fiによる接続も可能だが、ThinkPhoneの5Gモバイルでも接続できるため、必ずしもWi-Fiが必要とは限らない。
マイクロソフトが「魔法のよう」と自画自賛するワケ
ユーザーは、Windows 365で作業しながら、スマホの電話やビデオ通話、メッセージング、SNS、さらにはゲームなどのアプリにも自由にアクセスできる。またWindows 365上でビデオミーティングする際には、ThinkPhoneの50MPの8Kカメラを利用することも可能だ。そして作業が終われば、USBタイプCケーブルをスマホから引き抜くだけ。作業内容は自動的に保存され、次回のモニター接続の際に前回の終了時点からすぐに仕事を再開できる。マイクロソフトの公開したデモ動画では、同社 上席開発責任者のニーハ・スルタニア氏がこのフリクションレス・プラグアンドプレイ機能を、「まるで魔法のよう」と表現している。
懸念されることと言えばWindows 365アプリなどを利用することによるスマホへの負荷が挙げられるが、ThinkPhoneでは他のアプリのパフォーマンスを下げることはない。なぜなら、Windows 365の作業はクラウド上で行われるため、スマホのCPUやメモリへの負担が最小限で済むためだ。
では具体的にどのようなシーンで利用されるのだろうか。 【次ページ】利用シーンや価格は? 注目すべき「面白い機能」
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