開閉ボタン
ユーザーメニュー
ユーザーメニューコンテンツ
ログイン

  • 2007/08/27

【中国ビジネス最前線(8)】文化の違いをどう克服するのか-花かず

中国の躍進が叫ばれてはや数年。日本人は大手企業に限らず、中堅中小企業、個人でも中国でビジネスを展開するようになった。ここでは、中国でビジネスを営む企業や個人の生活を現場の目線でお伝えする。

新興大規模団地で日本式造花サービスを提供する「花かず」

フラワースタイリングを行う花かずのスタッフ
 福岡市に本社のある「花かず」は、ブライダルをはじめとしたフラワースタイリングを提供するほか、造花の販売や生け花教室、アレンジ教室などを展開している中堅企業だ。店舗も福岡を中心に十数店舗構えている。

 同社は8年前から中国雲南省の昆明市郊外の市場でバラなどを購入してそれを輸入していたが、昨年末、初めて中国に店舗を設けた。今回は、フラワースタイリング、という文化の違いが大きな壁となるビジネスにおいて、同社がどのようにチャレンジしているのか、その経緯をご紹介する。

ホテル内と住宅街、同時に店舗を設置

新興大規模団地「世紀城」の様子
 中国の雲南省はさまざまな花の産地として有名だ。生産された花が集積される昆明は、1年を通して暑すぎる日や寒すぎる日がないため「春城」とも呼ばれ、市内の幹線道路脇には1年中花が咲き乱れている。

 花かずは昨年末、そんな昆明の、しかも郊外の大規模な新興団地「世紀城」に2店舗、中国で初めて出店した。世紀城の5つ星ホテル内に花かずの店舗を置きつつ、来店しやすい住宅街に店舗を設けることで、同社のブランディングに加えて、多くの人々に親しんでもらう狙いだ。

 「もともと店舗を構える前から昆明の市場にバラなどを買いに行っていましたが、花市場に向かう道の途中で大きなホテルが建築されているのを見つけました」とは専務取締役の原康博氏。ホテル自体も新しく昨年10月にオープン、それにあわせて花かずの店舗もオープンした。

 店舗について触れる前に、まずは店舗を設けたこの新興大規模団地「世紀城」について紹介しておこう。世紀城は、昆明の中でも最大級の大規模団地で、もともとは何もない農村だった郊外の土地に建造された。全体の広さは480万平方メートルで、総戸数は2万3400、と想像を絶する規模のものになる。その数字はまんざらでなく、筆者も車に乗って世紀城内を巡回したが、区画整理された高層マンションがひたすら続き圧倒された。中国ではこのような新興大規模団地プロジェクトがいくつもあるそうだ。

 そんな世紀城内にある花かずの2店舗を訪れてみた。同じ中国、同じ昆明の造花を主とする花屋と比べると、看板を含めた入口や店内も落ち着いた雰囲気になっている。ここでは、本社から派遣された日本人の司馬公子氏と山浦幸代氏の2人が、6名の中国人スタッフを従える。

 店舗の内装は日本ならではの落ち着いた雰囲気が、見た目重視の中国の花屋と差別化されており、逆に目を引く結果になっている。「本来上海、杭州など出店先の候補はいくつかあったのですが、日本から市場へ行く用事もあるし、昆明でいいのではないかとなりました(原氏)」

 「昆明は上海や杭州に比べれば田舎です。ただ花が安く買える都市でもある。ですので昆明で成功できれば、(その販路を使って)どこでも成功するのではないかと考えたのです」と将来を見据える。

中国人に好まれるセンスを学び、好まれるセンスとなるようにアレンジ

 日本人が2人も本社から派遣されているが儲かるのだろうか。「6人の中国人スタッフを養う分にはプラスにはなっていますが、2人の日本人を養えるほどではありません。」と正直に打ち明けてくれた。ただし、「日本人スタッフは、単に販売の指導や造花のノウハウを教えるだけでなく、日本語も教えています。当社としては中国の別の都市にも展開したいと思っており、展開した際には上に立てる人間が必要です。」

 「ここで日本語や造花などスキルを持った中国人を本社に呼び、上に立てるだけのトレーニングをさせようと思っております。そのために日本人を派遣しているのです」と、中国における本格的な展開を見据えてのことのようだ。

 花かずの開店まで苦労したことも聞いてみた。「まずホテルにこんなフラワーアレンジメントができるよ、と売り込みました。ですがホテル側は首を縦にふらない。中国的なセンスの造花でないと受け入れてもらえず、日本的なものは喜んでくれないのです」

 とはいえ、中国人に好まれるように地元の中国の花屋と似たようなモノを製作しては、わざわざ日本から花屋を置く意味はなくなってしまう。このことについて原氏はこう説明してくれた。「もちろん差別化はしました。私たちはこの業界で35年やっています。中国人に好まれるセンスを学び、好まれるセンスとなるよう私たちなりにアレンジしました。」

 「中国人の希望はたとえば色合いが違うなど日本人とは異なりますし、結婚式の習慣にしても、結婚式当日、新婚さんが乗る車に花を飾る習慣があります。日本では花言葉など花の種類に意味をこめますが、中国では数に意味をこめる、つまり中国の客は花の本数にこだわりをもっています。うちの店ではどの花というより11本が売れ筋です。」すっかり中国流のアレンジメントが板に付いた様子だ。

グローバル化 ジャンルのトピックス

グローバル化 ジャンルのIT導入支援情報

関連リンク

PR

ビジネス+IT 会員登録で、会員限定コンテンツやメルマガを購読可能、スペシャルセミナーにもご招待!