• 2007/10/10 掲載

【インタビュー】Enterprise2.0の適用で、社員の生産性向上、経営基盤の強化を実現

日本電気(NEC) 第二システムソフトウェア事業部 統括マネージャー 悦喜弘人氏

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1995年の発売以来、3500社への導入実績を誇るNECのStarOffice。その最新版となる「StarOffice Xシリーズ」がリリースされた。日本型組織対応の利用者管理やいわゆるJ-SOX法対応の文書管理などStarOffice21の機能を継承しながらも、XシリーズではWeb2.0技術を全面的に採り入れ、新たなコラボレーション環境実現のための大幅な機能強化が図られている。従来のグループウェアの枠を超えた「Enterprise 2.0対応コラボレーティブウェア」と位置づけられている同製品の狙いや特長的な機能について、NEC 第二システムソフトウェア事業部 統括マネージャー 悦喜弘人氏に話を聞いた。

StarOfficeの最新版は
「グループウェア」から「コラボレーティブウェア」へと進化

【マネジメント】Enterprise2.0の導入で、社員の生産性向上、経営基盤の強化を実現
日本電気
第二システムソフトウェア事業部
統括マネージャー
悦喜弘人氏
 市場のグローバル化やそれに伴う企業間の競争激化、コンプライアンスに対する要請の高まりなど、企業を取り巻く社会環境は近年、大きな変化を迎えている。一方、企業の内部においては、さまざまな雇用・勤務形態やプロジェクト単位での活動の増加などを背景に、ワークスタイルの多様化が進んでいる。こうした事業環境の変化に対応し、競争優位を確保していくには、「社員一人ひとりの生産性を最大化し、それをコラボレーションによって組織の力としてまとめ、企業価値の向上につなげることが重要だ」と、日本電気(NEC) 第二システムソフトウェア事業部 統括マネージャー 悦喜弘人氏は語る。

 それらを支援するべく製品化されたのが、「StarOffice Xシリーズ」である。前シリーズの「StarOffice21」がEIP型グループウェアであったのに対し、Xシリーズは「Enterprise 2.0対応コラボレーティブウェア」としてリリースされている。また、「X」の名称は製品コンセプトを表し、新しいユーザーエクスペリエンス「eXperience」、業務や情報の増大に対応する拡張性「eXtend」、新たな技術による継続的な進化「eXceed」の3つの意味が込められている。

「コラボレーション技術はこれまで、メールやファイル共有による情報共有型のグループウェアからポータルやポートレットを活用したEIP型グループウェアへと進化してきました。そして、今日のコラボレーションシステムに強く求められているのが、『アイデアを創出しやすい作業環境』『時間や場所を限定しない共同作業環境』『膨大な情報を容易に利活用できる手段』です。これらを実現するためには、コンシューマを中心に広がってきたブログやWikiなどの利用者参加型で柔軟性の高いWeb2.0技術を積極的に企業にも適用し、StarOfficeを従来のグループウェアの領域に留まらない『コラボレーティブウェア』へと進化させることが必要でした」(悦喜氏)。


個人・チーム・組織・情報
4つの領域にフォーカスして
新たなコラボレーション環境を実現

 Xシリーズでは、「個人」「チーム」「組織」「情報」にフォーカスし、それぞれの領域で機能を刷新。強化ポイントとして、悦喜氏は以下の4点を挙げている。

(1)刷新されたユーザーエクスペリエンス
(2)多種、大量の情報の利活用を実現する情報管理基盤
(3)ワークスタイルを変えるWeb2.0モデルの適用
(4)StarOffice21を継承し、さらなる最新機能で大幅強化


「ユーザーエクスペリエンスの刷新については、ワークスタイルに合わせた自分だけの作業環境を提供すること、また、ストレスを感じさせないデザインと操作性を実現することを重視しました。そのために、統合コラボレーティブ領域では国内初となるAjaxを全面的に採用して、Windowsアプリケーションと同様のルック&フィールを実現しています。また、Widgetを自由に組み合わせて統合作業環境上に配置できるようにしたことで、さまざまな作業環境が構築できるようになっています」。

「情報管理基盤については、記憶やノウハウに頼った『情報の関連付け』をシステム的にサポートするために、独自技術の『情報シナプス』を開発中です。これは、関連情報を芋づる式に検出できるネットワーク型の関連付け技術であり、必要な情報へのアクセスをスピーディかつ容易にするものです。たとえば、あるタスクに必要なメールやドキュメントなど、種類の異なるさまざまな情報も、タスクビューアにドラッグするだけで1つのタスクに関連付けることが可能です。関連付けられた後は、タスクビューアからすべての関連情報を鳥瞰できるようになります」。

「ブログやSNS、RSSなどの情報発信および気づきを促すWeb2.0系のさまざまなツールについては、企業で安心して利用するための機能を備えています。たとえば、企業のブログでは機密情報を扱うこともありますが、きめ細かいアクセス制限により、セキュアな運用を実現します。アクセス権は組織や役職単位で設定できるので、人事異動などにも連動し、スムーズな運用が可能です」。

 さらに、Web2.0関連技術については注目すべき機能として「マッシュアップ基盤の提供」が挙げられる。Xシリーズでは、メール、スケジュール、キャビネットなどの各サービスのWeb APIを提供。これにより、ユーザーはStarOfficeのサービスをインターネット上のさまざまなサービスや企業の基幹システムと組み合わせ、より高度なサービス構築を容易に行えるようになるという。

 また、複数部門や職務の兼務などに代表される「日本型組織対応の利用者管理」や「いわゆるJ-SOX法対応の文書管理」などの、StarOffice21で高評価を得ている機能は確実に継承。加えて、情報漏えい対策や内部統制システム構築の支援など、50項目以上の機能強化が図られた。

【マネジメント】Enterprise2.0の導入で、社員の生産性向上、経営基盤の強化を実現
「StarOffice Xシリーズ」の統合作業環境(画像)



情報シナプスやマッシュアップの
開発環境は2008年上期に実装
さらに今後も継続的に機能強化を図る

 StarOffice XシリーズはまずV1.0としてリリースされ、10月5日より出荷開始を予定している。V1.0では、「個人の生産性を高める新しい作業環境」「コラボレーションを活性化させるWeb2.0機能」を提供。続いて、2008年上期リリース予定のV2.0において、「情報シナプスによる容易な情報アクセス」「マッシュアップを容易にする開発環境」などが実装されることになる。

「もちろん、StarOffice XシリーズはV2.0で終わりではありません。製品のコンセプトである3つのX、『eXperience』『eXtend』『eXceed』を具現化すべく、今後もEnterprise 2.0対応コラボレーティブウェアの完成を目指して継続的に機能強化を図っていきます」(悦喜氏)。

 なお、NECでは11月2日にStarOffice Xシリーズをテーマとした「Enterprise2.0が変える企業の新しい作業スタイル~個人パフォーマンスの最大化を組織力に繋げるこれからの新しいコラボレーションシステムとは~」の開催を予定している。最後に、同セミナーに向けてのメッセージを悦喜氏にいただいた。

「当日は実際にStarOffice Xシリーズのデモを交えながら、特長的な機能をご紹介いたします。これまでにない操作感やグループウェアの枠を超えた新たなワークスタイル、そしてXシリーズが業務効率の向上、ひいては企業価値の向上にいかに貢献できるのか、ぜひご来場の上、ご自身の目でお確かめください」。

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