- 2025/11/16 掲載
組織を駆け上がる人が必ず使う「報告の型」、失敗を隠さず語る人が評価されるワケ
慶應義塾大学経済学部卒業後、2009年にキーエンスに新卒入社。マイクロスコープ事業部の営業を担当。2010年新人ランキング1位を獲得。その後、2012年下期から3期連続で事業部営業ランキング1位を獲得し、マネージャーに就任。その後、本社販売促進グループへ異動、営業戦略立案・販売促進業務を担当。2015年キーエンスを退職し、三菱UFJリサーチ&コンサルティングに転職。小売、医薬、建設業界の戦略策定、新規事業戦略策定に従事。2016年にキーエンスに戻り新規事業の立ち上げに携わる。2020年アスエネに参画。2025年、Exgrowthを創業。スタートアップのグロース支援に係るアドバイザリーを提供。著書『仕組み化がすべて』『数値化の魔力』『入社1年目の戦略』
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伝え方が悪いせいで評価されないのはもったいない
組織を駆け上がるためには、上司に「このチームは成長している」「将来も期待できる」と思ってもらう必要があります。実は、多くの人がここでつまずいています。せっかく良い分析をしても、伝え方が悪いために評価されない。これは本当にもったいないことです。
私自身、キーエンスでの経験やスタートアップの経験から、効果的な伝え方のテクニックを身につけてきました。
ここでは私が身につけてきた、上司に「KPIで成長していること」を効果的に伝えるテクニックを7つお伝えしていきます。
部下2人からの報告例──どちらが上司の心に響くかは明白
まず大切なのは、ストーリーで語る姿勢です。単に数字を並べるだけでは、上司の心に響きません。数字はあくまでも最終的な結果です。
もちろん、結果は重要ですが、その結果を継続できる、再現できるものだと上司が納得するには、「なぜそうなったのか」「どう改善したのか」「その結果どうなったのか」という流れで話すことが重要になります。
私がキーエンスで営業マネジャーをしていたとき、ある月末の報告会で印象的な出来事がありました。2人の部下が同じような成果を出しましたが、報告の仕方がまったく違ったのです。
【1人目の報告】
「今月は受注5件で、目標を達成しました。来月も頑張ります」
【2人目の報告】どちらの報告が上司の心に響くでしょうか。答えは明白です。
「今月、チームで受注目標を達成しました。要因を分析したところ、商談化率が前月の20%から30%に向上したことが最大の要因でした。これは、先月から導入した『決裁者同席依頼の徹底』が功を奏した結果です。具体的には、アポイント時に必ず『決裁に関わる方もご同席いただけませんか』と依頼することをルール化しました。その結果、決裁者同席率が30%から40%に向上し、同席した商談の成約率は40%と、不在時の20%を大きく上回りました。この成功の法則を来月も継続することで、安定した成果が期待できます」
2人目の報告は、成功の要因を明確に分析し、それが偶然ではなく必然であることを示しています。そして、来月以降も同じ成果が期待できることを論理的に説明しています。 【次ページ】ロジックをしっかりつなげることで説得力が生まれる
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