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- 2024/12/10 掲載
SalesforceのAIエージェント「Agentforce」を試してわかった「ヤバい実力」
連載:イチからわかるSalesforce最強活用術
新登場したSalesforceのAIエージェント「Agentforce」とは
前回の連載でも解説したように、SalesforceのAIエージェントのスイート「Agentforce」は2024年9月のDreamforceで発表された目玉機能だ。では、そんなAgentforceは、具体的にどんな機能を持つのだろうか。2023年のDreamforceで発表された「Einstein Copilot」はAIアシスタントであるのに対し、Agentforceはセールスフォース会長 兼 CEO 共同創業者のマーク・ベニオフ氏が基調講演で述べた通り、「自律型のAIエージェント」である。
Einstein Copilotはいわゆる「対話型の生成AI」に分類されるものであり、たとえば、SalesforceのユーザーがEinstein Copilotに対して「最新の商談を3件表示してください」と指示を出すことで、その指示を理解してSalesforce上に格納されている商談情報を検索し、該当するレコードを回答として表示することができた。
それに対してAgentforceは、Atlasという推論エンジンを利用することで、これまでのように対話型のプロンプトを必要とせず高度なアクションの実行をプランニングし、Salesforceで実装されたワークフローやプロセスを自律的に実行することが可能となる。
このAgentforceは、セールスフォースが提供するSales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloudなどの主力製品のほか、業種業界に特化した製品群でも利用可能になることが基調講演でも発表された。これにより、Salesforceを利用するユーザーはどの製品を利用していてもAgentforceにより大幅な業務効率化を図ることができる。
Agentforceのメリットを最大限に享受するには?
このAgentforceのメリットを最大限に享受するために必要なのは「データ」である。セールスフォースでは、同社の製品群を活用して営業に関する情報を収集・社内共有するアプローチを「Customer 360」という概念で表現してきたが、Agentforceが登場したことで、そのCustomer 360が「人(顧客)」中心から「データ」を中心とした概念に刷新された。
これは、自律型のAIが最高のパフォーマンスを発揮するには、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)で管理していた従来のデータだけでなく、周辺システムに格納されているすべてのデータを集約し、それを利用することでユーザーの求めるアクションをAgentforceが実行できるようにするというアプローチを意味する。 【次ページ】設定はすべて「ノーコード」で楽勝?
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