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- 2025/04/28 掲載
SalesforceのAIエージェント活用に「必須のスキル」、開発力だけでは「不十分」なワケ
NTTテクノクロス株式会社 プリンシパルエバンジェリスト
入社時から大手量販店ECサイト構築や顧客のASPサービスの立ち上げにSEとして従事。
2007年の大手損保会社コールセンター更改案件を皮切りにCRMシステム関連業務に携わる。
2008年からSalesforce導入コンサルティング業務に関わり、2015年からはSalesforceのエバジェリストとして
技術情報の発信やSalesforceのユーザーグループやコミュニティでの活動に積極的に参加。
2017年に日本初となる非開発者系でのMVPを受賞し、2023年にMVPの殿堂入り。
2017年のDreamforceでは日本初のGolden Hoodie Awardを受賞するなど、業界内での認知度は非常に高い。
セールスフォースのAIエージェント「Agentforce」の実力
セールスフォースが提供するAIエージェントと言えば、2024年に、同社の年次イベントDreamforceで発表したAgentforceだ。以前の連載でも紹介したが、Agentforceは、セールスフォースが提供する、いわゆる「AIエージェント」であり、最大の特徴は人間の介入なしにタスクを実行できる自律性にある。リアルタイムなデータアクセス、行動計画の策定、そして実行までをAIエージェントが主体的に行うことで、さまざまな業務をエージェントに対応させることが可能になる。
Agentforceの「頭脳」となるAtlas推論エンジンは、高度な自然言語処理(NLP)と大規模言語モデル(LLM)を活用している。複雑な問い合わせの理解や自然な対話を可能にし、エージェントの役割、知識、アクション、ガードレール、チャネルといった要素を組み合わせることで、企業のニーズに合わせた柔軟なAIエージェントを構築できる。
ちなみにセールスフォースは、2023年にAIアシスタント機能である「Einstein Copilot」をリリースしているが、そちらはあくまで「対話型の生成AI」であるのに対し、Agentforceは、そこからさらに進化して、自律的に動作することが大きな違いと言える。
Agentforce活用における「必須スキル」とは
筆者が所属するNTTテクノクロスでは、2024年11月のAgentforce販売開始と同時に、自社のサポート部門での活用のためにライセンスを導入し、そのノウハウをエンドユーザー企業に提供している。
また筆者自身も、Salesforce活用に関するコミュニティで、Agentforceを活用するためのハンズオンイベントを開催するなど、日本国内においてAgentforce活用の情報を発信している。
この活動が認められる形で、今年3月にサンフランシスコで開催された、セールスフォースの年次イベントTDXにおいて、光栄にもAgentforce活用の第一人者として会場内のサイネージに掲示された。
そんな筆者が「Agentforceを活用」する上で必要とであると考えるスキルがある。
たとえば、技術・開発関連では以下だ。
- Salesforceの知識:
AgentforceはSalesforceのプラットフォームに統合されているため、当然のごとくSalesforceの基本的な知識(データモデル、オブジェクト、ワークフローなど)が必要である。 - ローコード開発スキル:
Agentforceを設定するためのAgent Builderや、LLMからパーソナライズされた正しい回答を得るためプロンプトを作成するPrompt Builder。そしてSalesforceの自動化ツールであるフローの知識が必要である。 - Apex/API連携の知識:
Salesforceでは上述したフローを用いることで大部分の実装は行うことができるが、外部システム連携などの高度なカスタマイズが求められる場合には、Apexを用いたプロコードでの開発やMulesoftなどのシステム連携ソリューションを用いた開発スキルが必要である。
これらに加えて、ビジネス面でも特定のスキルが必要とされる。それは一体何だろうか。次ページで具体的に見ていこう。 【次ページ】開発スキルだけじゃない「あの思考」はなぜ必要?
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