- 2025/08/26 掲載
AI活用「置いてけぼり」だけは避けたい…ガートナーが投資を推奨「9つの機能」とは(2/4)
今こそ投資するべき「9つの機能」
これらのトレンドの加速に向け、積極投資すべき機能としてノボセル氏が挙げるのが次の9つである。- 使い勝手の良いデータプロダクト
- メタデータ管理ソリューション
- マルチモーダル・データファブリック
- シンセティックデータ
- エージェンティック・アナリクス
- AIエージェント
- 小規模言語モデル(SML)
- コンポジットAI
- 意思決定インテリジェンスプラットフォーム
まず、最初の4つは、データのマルチモーダル化に関する機能だ。
1.使い勝手の良いデータプロダクト
データプロダクトをかみ砕いて説明すれば、想定される用途を踏まえてあらかじめ準備を終えた、商品化されたデータだ。都度のデータの準備に少なからぬ時間を要した従来からのD&Aの問題に対応を図るアプローチである。AIの民主化に向け、その存在を欠くことはできないという。
「使い勝手のポイントは、組織内の意思決定のどのタイミングで、どんなデータが必要かを考慮して商品化しておくことです。このことを念頭に、ビジネスにとって重要なユースケースのデータを対象に、再利用可能なかたちでごく小規模のプロダクト化を推進するのがセオリーです」(ノボセル氏)
データ活用に関する何らかのKPI設定も、使い勝手を高める1つの手だという。
2.メタデータ管理ソリューション
メタデータは、いわばデータの来歴を知るためのデータだ。その整備を通じ、データの信憑性確認が可能になることで、AI活用における洞察を改善できリスクを軽減できる。
既存のデータ管理ツールやデータ基盤の機能を評価したうえで、D&A戦略の課題を踏まえてテクニカル・メタデータやビジネス・メタデータ、オペレーショナル・メタデータなどを網羅的に管理できるよう、ツールを追加するのが現在のトレンドだ。データは膨大に存在するため、メタデータの自動検出/分析機能を備えたツールを選定すべきである。
3.マルチモーダル・データファブリック
構造化、非構造化、半構造化を問わないデータ管理/活用を実現するデータファブリック、つまり社内データを統合し効率的に管理/活用するための機能/アーキテクチャーである。
AIのマルチモーダル化が進む中で、マルチモーダル・データファブリックへの期待は急速に高まっており、その実毛はデータ・パイプライン全体のメタデータの自動取得によるメタデータ管理が鍵を握るという。
4.シンセティックデータ
現実世界のデータを基に人工的に生成されたデータを意味する。AI活用では高品質のデータが欠かせぬ一方で、データの入手が困難、あるいはヘルスケアデータなど、データは存在しつつもリスクの点からそのままでは利用が難しいケースが存在し、そうした場面で活用を見込むことができる。
データ分布からの数値の抽出や分布へのデータの当てはめによる生成が一般的で、AI開発の加速を背景に、多様な領域で積極的に活用されるようになっている。 【次ページ】「AI+アルファ」が大事なワケ
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