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- 2025/09/02 掲載
ありがとう、はなまるうどん──「ジャングリア沖縄」に行って気づいた“本当の主役”
連載:テーマパーク経済学
1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。テーマパークやチェーンストア、都市についての原稿を主に執筆。著書に『ニセコ化するニッポン』(KADOKAWA)『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社)『ブックオフから考える』(青弓社)がある。
絶対に買うべき有料駐車場チケット
筆者が訪れたのは開園1週間後の日曜日。ジャングリアは入園チケットのほかに、各アトラクションのプレミアムパスや有料駐車場「ジャングリア沖縄パーキング」などのオプションチケットがある。私は“ふらっと遊びにきた”という体で、そうしたオプションをあえて買わずに訪れることにした。
なぜなら、ジャングリアでの「ミニマルな体験」こそが、このテーマパークの本音を映し出すと思ったからだ。
有料駐車場チケットがない場合、車を停められるのはジャングリアからバスで20分ほどの「イオン名護店」屋上。ここが公式提携パーキングとして指定されている。
無料送迎バスに揺られて現地へ。バスは普通の観光バスで、ジャングリア感はない。無料で送迎してくれるだけ感謝、というところか。
有料駐車場チケットを購入していないと「バス移動」という二度手間が発生するから、絶対に駐車場券は買ったほうがいい。2,000円かかるが、その価値はある。
30分ほどで現地に到着すると、象徴的な気球のオブジェ(実際、たまにアトラクションとして浮き上がるらしい)が見え、その隣にはブラキオサウルスの姿がある。
しかし、見通しが良いということは、直射日光を遮るものが何もないということ。
私がパークに降り立ったときは、沖縄の太陽がかんかんと照っていて、日差しが皮膚を刺すようだった。
ちなみにパークには至るところに日傘(兼雨傘)があって、すぐ手に取る。なんとこれ、無料である。500円ぐらいなら払っても良いな、と思う。
入園を待っていると、隣で家族連れが揉めている。暑すぎて子どもが大泣きしたのだ。
有料駐車場チケットを買うべきだと思うのは、この暑さの問題もある。後で説明するように、パーク内の待ち時間は非常に長いが、日陰で待てる場所はほとんどない。車が近くにあれば車内で待てるのだが、有料駐車場チケットがないと、それができない。
入園の喜びも束の間、待ち受けていたのは想像を絶する“地獄体験”だった。 【次ページ】【パニック(1)】開園15分で……全アトラクション「終了」
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