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- 2025/10/03 掲載
【売上試算】PRIDE・RIZINの数十倍…?プロレス団体「WWE」の稼ぐ力がヤバすぎる理由
連載:キャラクター経済圏~永続するコンテンツはどう誕生するのか(第31回)
東京大学大学院修了(社会学専攻)。カナダのMcGill大学MBA修了。リクルートスタッフィング、DeNA、デロイトトーマツコンサルティングを経て、バンダイナムコスタジオでカナダ、マレーシアにてゲーム開発会社・アート会社を新規設立。2016年からブシロードインターナショナル社長としてシンガポールに駐在し、日本コンテンツ(カードゲーム、アニメ、ゲーム、プロレス、音楽、イベント)の海外展開を担当する。早稲田大学ビジネススクール非常勤講師、シンガポール南洋工科大学非常勤講師も歴任。2021年7月にエンタメの経済圏創出と再現性を追求する株式会社Re entertainmentを設立し、大学での研究と経営コンサルティングを行っている。『推しエコノミー「仮想一等地」が変えるエンタメの未来』(日経BP)、『オタク経済圏創世記』(日経BP)、『ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか』(PHPビジネス新書)など著書多数。
最強の“新興”エンタメ企業…TKOグループの実力
今、スポーツエンタメビジネスの世界で、大きく売上を伸ばしているのが格闘技だ。世界最大の格闘技団体であるUFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)とプロレス団体WWE(ワールド・レスリング・エンターテイメント)の合併により誕生したスポーツエンタメ企業TKOグループ・ホールディングスの数字を見ると、格闘技市場の盛り上がりが伝わってくる。
日本株式市場で言えば、セブン&アイ・ホールディングス、イオン、三井不動産、村田製作所、コマツといった企業に並ぶ規模だ。
TKOグループは、2023年に米国のタレントエージェンシーであるエンデバー・グループ・ホールディングスが51%、WWEの既存株主が49%を所有する形で誕生した最強の“新興”企業である。
その設立の背景には、エンデバー傘下のウィリアム・モリス・エンデバー(WME)が進めてきた買収戦略がある。2016年にエンデバーは総合格闘技のUFCを約40億ドルで買収。そして2023年にはついにプロレスのWWEを約93億ドルの評価額で取り込み、最終的にUFCとWWEを統合する形で築き上げられた。
サッカー・野球と比較…プロレス市場の規模とは
そもそも合併により巨大企業になる以前から、WWEは三代目だがほぼ創業者としてビンズ・マクマホン一代で築き上げた「世界最大級のスポーツ団体」であった。2019年時点で売上高10億ドル、時価総額50億ドル。これは、プロサッカークラブの「マンチェスター・ユナイテッド」や「ユヴェントスFC」、また米スポーツ施設運営会社「マディソン・スクエア・ガーデン・スポーツ」など、巨大スポーツ団体群も上回るような世界一の興行団体売上であった。
とはいえ、プロレス市場の規模が大きいわけではない。市場規模約10兆円規模(2025年時点で約591億ドル:関連グッズ・商品1割、チケット1.5割、メディア8割弱、筆者推計)のサッカーや、2兆円規模(2025年時点で142億ドル)の野球に比べると、1桁小さい市場規模になるのがプロレスだ。
総合格闘技・ボクシングなどを含めた、すべてのコンバットスポーツの規模で見ても1.5兆円弱(2025年時点で95億ドル)、プロレスだけを切り出せば30億ドル弱といったところだろう。このように、桁違いに小さいプロレス市場において、たった1団体で過半のシェアをとり、これほどの規模の団体となったWWEが今回のメインテーマだ。
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