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- 2025/12/15 掲載
東芝CEOらが議論…量子技術が「他人事じゃない」と言えるワケ、ビジネスはどう変化?
量子分野で「日本が世界と違う」状況とは
社会を大きく変える可能性を秘める量子技術。量子技術の実用化は、もはや研究室の中の話ではなく、その本格的な実用化に向けた動きが世界中で加速している。そんな量子技術は、日本での研究・実用化推進が活発だ。その一例として挙がるのが、2021年に設立された「Q-STAR(一般社団法人 量子技術による新産業創出協議会)」という団体だ。同団体は、量子関連の産業・ビジネスの創出を目的としており現在140以上の企業や団体が参加している。
東芝のCEOで、Q-STARの代表理事も務める島田太郎氏は、Q-starがほかの国際的なコンソーシアムと大きく異なる点として、メンバーの約60%以上がテクノロジーの「ユーザーサイド」から来ている点が挙がると話す。欧米のコンソーシアムでは、参加者のほとんどが大学や教授陣なのに対し、Q-starにはトヨタ、日産、三菱といった企業が名を連ねており、テクノロジーのビジネスユースケースを見つけることに焦点を当てているという。
代表取締役 社長執行役員 CEO
島田 太郎氏
ただ、量子技術はその特性ゆえに、ビジネスと組み合わせるのが難しい面もある。
デロイトトーマツで、量子分野のビジネスやエコシステム構築に携わってきた寺部雅能氏は、日本に限らず世界的に、量子技術の難解性ゆえに量子技術とビジネスの間に大きなギャップがあると話す。
量子技術統括
寺部 雅能氏
「ビジネスパーソンにとって、量子技術の分野で何が起こり得るのかを理解することは、簡単なことではなりません」(寺部氏)
そうした中でも、日本企業は量子分野で活発に活動していると話すのは、フランスの量子特化型ベンチャーキャピタルQuantonationのオリヴィエ・トノー氏だ。
ファウンダー・パートナー
オリヴィエ・トノー氏
「東芝や富士通、京セラなどはチームを作りマシンテストなどを行っています。そのため日本では、他の国と比べて、量子分野でスタートアップというより大企業の動きが活発だと思います」(トノー氏) 【次ページ】量子技術が解決する「2つの問題」とは
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