- 2025/12/19 掲載
楽天、国内最大規模 7000億パラメータ級の「日本語LLM」開発
楽天市場、楽天モバイル、楽天銀行などグループのサービスとの連携視野に
Rakuten AI 3.0の開発は、日本語に最適化した大規模生成AIの競争力強化を目的としたGENIACプロジェクトの一環として進められている。楽天はこのプロジェクトで7,000億パラメータ級の生成AIモデルの研究・開発に着手しており、国内最大級のLLMとして構築する計画を進めていると報じられている。これは膨大な計算資源や高度な技術を必要とする取り組みであり、経産省・NEDOの支援体制の下で進行している。
この次世代モデルの開発方針としては、日本語の文脈理解能力や生成品質を海外の大規模モデルに匹敵するレベルへ引き上げること、そして楽天グループのサービス(楽天市場、楽天モバイル、楽天銀行など)との緊密な連携による高度なパーソナライズAIエージェントの実現が念頭に置かれているとの解説もある。楽天が保有する大規模な利用者データを活かし、ユーザーごとの行動履歴や嗜好に基づく提案・サポート機能の実装が最終的な狙いとして挙げられている。
Rakuten AI 3.0の正式公開は2026年春ごろを目標にオープンモデルとして公開される予定であり、一般の開発者や研究者が利用可能な形で提供される計画だという報道もある。このオープンモデル公開により、国内外の開発コミュニティによる日本語生成AIの応用・発展が促進されることが期待されている。
本件は、楽天が2025年2月に公開した日本語に最適化した大規模モデル「Rakuten AI 2.0」や同社初の小規模モデル「Rakuten AI 2.0 mini」といった既存の日本語LLM開発の流れをさらに発展させるものでもある。Rakuten AI 2.0はMixture of Experts(MoE)アーキテクチャを採用したモデルで、商用利用可能な高性能日本語処理を実現している。これらのモデル公開はオープンソースとしてHugging Faceリポジトリで提供され、幅広い開発用途に活用されている。
複数メディアは、楽天のこの取り組みを日本発の生成AI競争力強化の重要な一歩と位置づけており、国産AI技術の成熟とサービス統合による利用者体験向上につながる可能性を指摘している。政府支援と企業の技術力を組み合わせたこのプロジェクトは、海外勢が主導する大規模モデルとの差別化を図る動きとしても注目されている。
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