• 2025/12/23 掲載

日本政府、「AI基本計画」を閣議決定「信頼できるAI」で日本のAI再起を目指す

「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」にすることを目標に「AI反転攻勢」の国家戦略

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日本政府は2025年12月23日の閣議で、人工知能(AI)の開発・利活用に関する初の「AI基本計画」を正式に決定した。同計画は「信頼できるAI」を創出し、日本を「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」にすることを目標とする国家戦略であり、技術革新とリスク管理の両立を基本方針とする。
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人工知能戦略本部で会議の取りまとめを行う高市首相(出典:首相官邸)
日本初のAI基本計画は、内閣府のAI戦略本部が中心となり、2025年内の策定を進めてきた国家戦略であり、12月19日に最終案が取りまとめられたのち、23日に閣議で正式に決定された。同計画の理念として、AIの技術開発・利活用を促進することに加えて、信頼性や安全性を確保することが重視されている。政府はこの基本計画を通じて、日本を「AIを開発・利用しやすい世界一の国」とすることを掲げ、官民連携による技術革新と適切なリスク管理の両立を目指すと明記した。

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人工知能基本計画案の概要(出典:内閣府)

基本計画の背景には、日本のAIの利用率や投資規模が他の主要国に比べて遅れをとっているという認識がある。総務省などの調査では、生成AIの利用経験率は中国やアメリカに比べて低く、企業・個人レベルでの利活用拡大が課題として挙げられている。このため、政府は計画の中でAIの活用を生産性向上や人口減少などの社会課題の解決に結び付ける方針を打ち出している。

基本計画の柱には、技術革新の促進と同時にAIの信頼性・安全性を確保するための施策が盛り込まれている。具体的には、AI研究開発支援、データ利活用基盤の整備、AIガバナンスの強化、人材育成、社会実装の推進、AIによるリスク管理のための体制構築が含まれる。また、計画はAIの倫理やプライバシー保護、説明可能性の確保といった社会的要請にも対応することを狙いとしている。

高市早苗首相は基本計画決定に際して、AIが産業競争力や安全保障に直結する重要技術であると強調し、「信頼できるAIを世界とともに創り上げる」と述べた。政府は今後、基本計画に基づく具体的な政策を順次実行し、AI関連の投資や研究開発、実装支援を進める方針を示している。併せて、日本での「AIサミット」開催を目指す意向も表明し、国際的な議論や協調を促進する意思を示した。

政府の狙いは、AIを単なる技術として位置付けるのではなく、社会全体で安心・安全に利用できるAIエコシステムを構築することにある。信頼性という価値を前提とすることで、国内企業の競争力強化や国際標準への貢献を図るとともに、将来的なAI社会の実現に向けた枠組みづくりを進めるとしている。

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