• 2025/12/30 掲載

Meta、中国発AIスタートアップ Manusを買収、AIエージェント戦略を強化

Manusの「汎用AIエージェント機能」をMeta AIへ統合、AI能力を高める戦略

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米Meta Platforms Inc(以下 Meta)は、中国発のAIスタートアップ Manus を買収することで合意したと2025年12月29日に発表した。Metaはこの買収を通じて、高度な AI(人工知能)機能を同社製品全体に統合し、プラットフォーム内での AI 能力を強化する方針を示している。買収条件や金額は公表されていない。
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(画像:Meta Platforms)
Manus はシンガポールを拠点とし、北京に本社を持つ北京蝴蝶効応科技有限公司(Butterfly Effect Technology Ltd Co)の子会社として運営されている中国発のスタートアップである。同社が開発する AI エージェントは、単なる対話型システムにとどまらず、研究や自動化タスクを独立して実行できる汎用的なエージェント機能を持つという。Meta は買収後、Manus のサービスを運用・販売し、自社の消費者向けおよび企業向け製品、とりわけ Meta AI への統合を進める計画を明らかにした。

Manus は 2025 年初頭に汎用 AI エージェントを正式に発表しており、特定のプロンプトに対して最小限の指示で複雑な作業やリサーチを実行できるとされる。このエージェントは、ユーザーの指示を受けて情報収集・分析・実行まで幅広いタスクを自律的に処理する機能を持つとされ、OpenAI の AI エージェント DeepResearch を性能指標の一部で上回ると主張してきた。Manus は発表当初、X(旧 Twitter)上で多様なタスクを無料で提供し注目を集めた。
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汎用AIエージェント「Manus」の特徴(図版:ビジネス+IT)

Manus の技術・市場背景については、同社が従来のチャットボットとは異なる「完全自律型の汎用 AI エージェント」として開発されてきたことが複数のメディアでも報じられている。Manus のアルゴリズムはユーザーの指示に基づきタスクを分解し、自動的に実行することで、情報収集から結果出力までを一貫して処理することを目指すもので、通常の対話型 AI とは異なる設計が特徴とされてきた。

買収発表は Meta にとって、AI 技術競争の激化が続く中での戦略的な一手となる。Meta は過去にもデータラベリング企業 Scale AI への投資などを実施し、自社の AI 開発・提供力を強化してきた。Manus の買収は、こうした AI 拡大戦略の一環として位置づけられている。

なおManus 側の事業展開については、2025 年に入ってから資金調達ラウンドで数千万ドル規模の資金を確保し、評価額が増加したとの報道も複数出ている。また、同社は国際市場への拡大を視野に入れており、米国や日本、その他海外市場向けのサービス提供を計画していたとする報道例もある。

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