- 2026/01/05 掲載
世界の「AI格差」逆転、中国・アジアのAI導入活用が、欧米を上回る
国家AI戦略を推し進める中国・アジア、欧米はモデルで先行も、規制のばらつきにより企業導入には慎重に
また企業によるAI導入状況でも同様の傾向が確認されている。中国では製造業、金融、物流、医療、行政サービスなど幅広い分野でAIが実運用段階に入り、生成AIの業務利用も急速に拡大している。東南アジアでも、シンガポール、インドネシア、マレーシアなどを中心に、顧客対応の自動化、翻訳、需要予測、業務効率化を目的としたAI活用が進んでいると複数の調査で報告されている。
こうした導入の背景として、ソブリンAI(AI主権)が影響しているという指摘もある。ソブリンAIとは、自国のインフラ、データ、人材を活用して独自にAIを開発・運用する能力のことを指し、中国ではAIを国家戦略の中核に位置付け、研究開発投資、データ基盤整備、公共分野での実装を一体的に推進してきた点が指摘されている。 東南アジア各国も国家AI戦略を策定し、行政主導での実証事業や民間導入支援を進めている。
一方、米国はAI研究投資や先端モデル開発で世界最大規模を維持しているものの、社会実装は企業ごとの判断に委ねられる比重が高く、導入状況にはばらつきがある。AIの規制についても、連邦政府と州政府の間でルールを巡って綱引きが行われており、こうした動向が企業への導入に影響しているとの指摘もある。
欧州ではEUのAI法を中心とした規制枠組みの整備が進み、安全性や透明性を重視する姿勢が明確であるが、企業の導入判断が慎重になり、結果として普及速度が抑制されていると報告されている。
日本では、AI研究開発やロボティクス分野での技術基盤を持つ一方、企業全体でのAI導入率は米欧と同様に中位に位置付けられた。日本はAIの有用性を認識する層が一定数存在するものの、業務全体への本格実装は限定的で、導入は一部の大企業や特定業務に集中していると整理されている。
AI Index Report 2025は、AIの研究力や投資額と、実際の社会導入や受容度が必ずしも一致していない現状を示しており、中国・東南アジアと米欧の間でAI導入を巡る構造的な格差が形成されている実態を明らかにしている。
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