- 2026/02/22 掲載
近代科学の父ニュートンが遺した330年来の数学の難問をAIが解決
幾何学の問い「接吻数問題」でAIが新たなブレイクスルーをもたらす
この接吻数問題は後に3次元から多次元空間へと拡張され、幾何学における根本的な難問として長きにわたり数学者たちを悩ませてきた。空間の次元が上がるにつれて幾何学的な構造が複雑化し、配置パターンの候補が指数関数的に爆発する「次元の呪い」に直面するため、厳密な答えが判明しているのは1次元の2個、2次元の6個、3次元の12個、4次元の24個、8次元の240個、24次元の19万6560個などのごく限られた次元のみにとどまっている。
この難問に対し、中国の北京大学や上海科学智能研究院などの研究チームは、AIシステム「PackingStar」を開発した。従来のAIは球の座標を直接扱っていたが、次元が高くなると計算が不安定になる課題があった。そこでPackingStarは球の座標ではなく、球同士の中心角のコサイン値だけを記録した行列を用いるアプローチを採用した。巨大な行列を効率よく埋めるため、2つのAIエージェントが協調して動作するゲーム理論的な仕組みを導入し、一方が行列の空欄を埋めて配置候補を生成し、もう一方が幾何学的な矛盾や最適でない要素を見つけて修正する役割を担った。
この協調により、計算の不安定性を抑えつつ、天文学的な広さの探索空間から効率よく最適配置を見つけ出すことに成功した。結果として、PackingStarは25次元から31次元のすべてにおいて人類の記録を更新した。中でも25次元で見つかった配置は美しい数学的構造と深く関連しており、この次元における最適解である可能性が高いとされている。また13次元において半世紀以上更新されていなかった有理構造の記録を刷新し、14次元などを含め6000種類以上の全く新しい配置パターンを発見した。
この発見は数学的な発見にとどまらず、通信工学におけるデータの圧縮やデータ送信量の最大化などにも応用が可能で、AIが科学者と協力して真理を解き明かすパートナーとなる新たな時代の到来を示している。
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