- 2026/02/03 掲載
イーロン・マスクのxAI、動画生成AI最新モデル「Grok Imagine 1.0」を発表
Xでの「Grok」による性的・非合意画像生成問題は依然としてくすぶる
イーロン・マスクの本気をみた?「Grok Imagine 1.0」の進化
2026年2月2日にxAIが発表した「Grok Imagine 1.0」は、従来の画像生成にとどまらず、動画生成機能を本格的に拡張した点が特徴となる。ユーザーが自然言語で指示を与えることで、複数のシーンを含む長尺動画を一貫した構図や世界観で生成でき、解像度やフレームの安定性も向上した。また動画のテイストを「Spicy」、「Fun」、「Normal」の3つから選択することができるのもGrok Imagineの特徴。これまで生成AIによる動画は短時間の断片的な表現に限られるケースが多かったが、同社は今回のモデルで実用的な映像制作への活用を視野に入れたとしている。また1回のプロンプトで複数の画像を同時生成、画像から動画を生成することができる。テキストから動画(T2V)への変換も優れており、指示の追随能力は大幅に強化されている。動画の長さは6秒まから10秒を選べ、動画の解像度は480pixまたは720pix、アスペクト比は、縦型で2:3か9:16、横型で3:2か16:9、正方形の1:1も選択することができる
音声面でも改良が加えられ、映像に同期したナレーションや効果音、簡易的な音楽生成が可能になった。キャラクターの口の動きと音声の整合性を高めるリップシンクも導入され、違和感の少ない表現を実現したと説明している。これにより、広告、教育、エンターテインメント分野での利用拡大を見込む。
「Grok Imagine 1.0 Introduce」(xAIのX公式アカウントより)
xAIは同時に開発者向けAPIの提供も明らかにし、外部サービスや業務システムへの組み込みを容易にする方針を示した。画像生成、動画編集、要素の追加や削除などを一連の工程として扱える点が特徴で、競合する生成AIサービスとの差別化を図る狙いがある。イーロン・マスク氏が率いるxAIは、生成AI分野で急速に存在感を高めており、今回の発表は同社の技術力を示す象徴的な取り組みと位置付けられている。
「X」でのGrokによる性的・非合意コンテンツ生成問題は拡大
一方で、Grokを巡っては、SNS「X」に統合されたGrokによって、実在の人物を元に性的な画像が生成されたり、本人の同意が確認できないコンテンツを生成した事例が複数報告されるなど、各国で問題視されてきた。xAIは問題の拡大を受け、Grokの性的画像を生成する機能に制限をかけるなどの対応を行ったが、被害当事者や人権団体は、生成AIによる性的ディープフェイクが名誉やプライバシーを侵害すると訴えている。米国内でもカリフォルニア州知事もxAIの責任を追及する構えをみせるなど問題は拡大している。欧州連合(EU)では、デジタルサービス法(DSA)やAI規制法案の枠組みの中で、プラットフォーム事業者に対し違法・有害コンテンツの迅速な削除と再発防止策を求めており、X上の生成AI機能も監督対象とされている。英国やフランスでは、非合意の性的画像生成を刑事罰の対象とする法整備が進み、生成AI事業者に安全設計を求める声が強まっている。
オーストラリアでは、eSafetyコミッショナーが生成AIを含むオンラインサービスに対し、性的ディープフェイク対策の強化を要請し、削除命令や制裁金を科す権限を行使している。米国でも、州レベルで非合意の合成画像を規制する法律が相次いで成立し、連邦議会でも包括的な対応を求める議論が続いている。
xAIは、不適切なコンテンツ生成を防ぐためのフィルタリング強化や利用規約の見直しを進めていると説明しているが、規制当局や市民社会からは、技術公開のスピードに比べ安全対策が後追いになっているとの批判も出ている。Grok Imagine 1.0の発表は技術的進歩を示す一方、生成AIが社会に与える影響と責任の在り方を、改めて浮き彫りにしている。
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