• 2026/03/08 掲載

米最高裁、AIが生成した画像の著作権認めず、著作者は人間のみ

米国においてAI生成物には著作権が認められないとする法理が確定

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米最高裁判所は2026年3月2日、人工知能(AI)が自律的に単独で生成した画像に対して著作権を認めるかどうかが争われた訴訟の上告審理を受理しないと決定した。この決定により、著作権保護には人間による創作的関与が必須であるとする下級審の判断が最終的に維持され、米国においてAI生成物には著作権が認められないとする法理が確定した。
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(図版:ビジネス+IT)
 本訴訟は、コンピューター科学者のスティーブン・サラー博士が自ら開発したAIシステム「Creativity Machine」を用いて自律的に生成された画像「A Recent Entrance to Paradise」の著作権登録を求めたことに端を発する。同博士は2018年、人間による創作的寄与を意図的に否定し、AI自身を著作者として米国著作権局に登録を申請したが、同局はこれを人間の知的能力の産物ではないとして拒絶した。
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【図版入り記事はこちら】米最高裁、AIによる生成物の著作権を認めず、人間著作者の原則確定
米最高裁、AIによる生成物の著作権を認めず、人間著作者の原則確定
(図版:ビジネス+IT)

 この処分を不服としたサラー博士は提訴に踏み切ったものの、2023年の連邦地方裁判所および2025年3月の連邦巡回区控訴裁判所はいずれも著作権局の判断を支持した。司法は1976年著作権法の規定する存続期間や財産権の譲渡といった構造が人間のライフサイクルを前提としている点を指摘し、著作者は必然的に人間であると結論付けた。

 最高裁判所は今回、理由を示すことなく上告受理の申し立てを却下したため、下級審の「人間著作者要件」を支持する法理が確定するに至った。米国著作権局の行政指針によれば、人間が単にプロンプトを入力しただけの段階では表現の決定権がAIにあるとみなされ、著作権保護の対象とはならない。

 一方で、AI生成物に対して人間が十分な表現的要素の決定や独自の美的感覚に基づく加筆および修正を行った場合には、その人間が直接関与した部分に限り限定的に著作権保護が認められる余地が残されている。この判例の確定により、企業が商業利用するクリエイティブ作品における知的財産保護の限界が浮き彫りになった。

 今後、産業界は生成AIを業務プロセスに導入するにあたり、創作過程における人間の関与を客観的に記録して証明する内部ガバナンス体制の構築や、社内ポリシーの明確化など、実務的な知的財産防衛策の徹底を迫られることになる。

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