• 2026/06/10 掲載

NTT、日台韓でIOWN普及にむけた800億円「AIファンド」設立

韓国SKテレコムや台湾中華電信と800億円規模の投資ファンド

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NTTは2026年6月10日、次世代通信基盤IOWN(アイオン)の実用化と国際展開を目的とした約800億円規模の投資ファンドを設立すると発表した。韓国のSKテレコムや台湾の中華電信などと共同で運営し、光技術やAI半導体を開発するスタートアップに資金を投じる。日韓台の企業連合によって、次世代通信インフラの主導権確保を狙う。
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(画像:ビジネス+IT)
 NTTは次世代通信基盤であるIOWN(アイオン)の実用化と普及を加速させるため、海外の通信大手と連携した新たな投資ファンドを立ち上げる。韓国の通信最大手であるSKテレコムや半導体大手のSKハイニックスを傘下に持つSKグループ、台湾通信大手の中華電信と共同で出資および運営を行い、ファンドの資産規模は約800億円に上る見通しだ。国内のメガバンク3行やKDDI、韓国のサムスン電子、イギリスのアームやアメリカのブロードコムなど、通信機器や半導体関連の約20社も連携や出資に関心を示している。

 ファンドの運営拠点はアメリカのシリコンバレーと東京に置く。投資対象は北米やアジア、ヨーロッパの新興企業を想定し、次世代通信やAIインフラの基盤技術を開発するスタートアップに資金を投じる。具体的には、電気信号を光信号に変換してデータ処理時の消費電力を劇的に減らす光電融合技術や、光を利用して処理を行うAI向け半導体、データセンターの運用効率化技術などが挙がっている。有力な技術を持つ投資先が見つかった場合、買収を含めた踏み込んだ資金支援も検討する。

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【図版付き記事はこちら】NTTが日台韓でIOWN普及のための「AIファンド」設立(図版:ビジネス+IT)

 NTTが開発を主導するIOWN(アイオン)は、光技術を用いて消費電力を大幅に抑えつつ高速で大容量のデータ処理を可能にする新しい通信インフラだ。AIの急速な普及に伴って世界規模でデータセンターの電力消費が増大するなか、この課題を解決する手段として期待されている。単独での技術開発や市場開拓には限界があり、本格的な実用化に向けた課題も残されているため、NTTは日本、韓国、台湾の有力企業を巻き込んだ国際的な枠組みを早期に構築し、開発スピードを引き上げるとともにアイオン技術の国際標準化を急ぐ。

 現在、AI半導体や関連インフラの分野ではエヌビディアやファーウェイといった海外企業が圧倒的なシェアや技術力を持っている。NTTが率いる日韓台の企業連合は、光通信という新しいアプローチによって彼らとの差別化を図り、次世代インフラを巡る世界的な技術競争で対抗する姿勢を見せている。NTTは2030年頃のIOWN(アイオン)本格商用化を視野に入れており、各社からの出資をまとめた後、速やかにファンドを稼働させる。NTTの島田明社長は10日に開かれた記者会見のなかで、スタートアップへの投資を通じて新たな事業を創出し、次世代のAIインフラを主体的に形成していく方針を明言した。

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