- 2025/12/29 掲載
AI弁護士がバーチャル法廷で争う「AI模擬裁判」サービス開始
AI弁護士がバーチャル法廷で主張と反論を戦わせ、最終的にAI裁判官が判決を下す仕組み
Legal AIはこれまでにも、AI弁護士が訴状や答弁書などの法的書類を自動生成し、判例データに基づく勝訴確率の分析や判決の見通しを提示するサービスを展開してきた。AI技術を用いた司法アクセスの民主化を掲げ、専門知識がない個人や中小企業でも裁判戦略の立案や準備ができるよう支援することを目的としている。従来のAI司法サービスは、膨大な判例や法令データを解析して勝訴確率を算出したり、判決予測・損害賠償額の目安を提示したりする機能を備えている。
今回の「AI模擬裁判」は単なる勝率予測を超え、将棋や囲碁のAI対戦のように「相手の手」を読むことができる点を強調している。AI同士の主張と反論の応酬を通じて、利用者が想定しにくい反論や弱点を露呈させ、実際の裁判前に準備を整えるための情報ツールとしての活用が想定されている。Legal AIはこのサービスを、本人訴訟を行う個人や企業法務部、弁護士や法律事務所の戦略立案補助・教育ツールとして利用価値があると位置付けている。
法的適法性についても触れられており、本サービスは架空のシミュレーション結果を提供する分析ツールであり、個別の事件に対して法的鑑定や代理行為を行うものではないとしている。実際の訴訟活動においては、シミュレーション結果を参考にしつつ専門家の助言を受けることが推奨されるとしている。
このようなAI法廷・AI裁判シミュレーションは、AIエージェントが裁判プロセス全体を模擬する研究例としても注目されている。例えば、海外では当事者、弁護士、裁判官などをLLMベースのエージェントが担い、法廷の議論をシミュレーションするAcademic Trial Simulatorの研究や、AI法廷シミュレーションシステムの学術論文報告が存在し、法的推論スキルの向上を目的としている例もみられる。
Legal AIの「AI模擬裁判」サービスの登場は、AIが法的戦略立案や議論シミュレーションに活用される新たな潮流を示すものであり、司法アクセスの拡大や訴訟準備の高度化につながる可能性がある。一方で、実際の法的判断は専門家の助言が不可欠であるという点も明確にされている。
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