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  • 2026/06/16 掲載

Mythos公開停止と元OpenAI研究者予言の不気味な符合、AI制御不能で人類は滅びるのか?

AnthropicやOpenAIが危惧する「AI自己進化と制御不能のリスク」

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Claude Mythos 5とClaude Fable 5の一般公開が米政権の安全保障上の理由から全面停止となった。この背景には熾烈な競争を繰り広げる米中のAI覇権をめぐる攻防がある。同じくしてAnthropicはAIの再帰的自己改善のスピードが加速することによる「AI制御不能」のリスクを警告し、世界に向けて「AI開発を一旦減速か停止すべき」との呼びかけも行っている。AnthropicやOpenAIが本気で危惧する「AIの再帰的自己改善」と「AI制御不能」のリスクの現実味、また現実世界はどのシナリオに向っているのだろうか?OpenAIの元研究者の予測シナリオ「AI2027」から検証する。
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(画像:ビジネス+IT)

OpenAIの元開発者の予言「AI2027」との不気味な符合

 OpenAIの元研究者、ダニエル・ココタジロ氏やスコット・アレクサンダー氏をはじめとする研究者グループは、2025年4月3日にAIの進化とそれに伴う構造的リスクをまとめた予測シナリオ「AI 2027」を公開した。このシナリオでは、AIが人間の認味的活動を自動化し、超知能(ASI)へと至り、やがて制御不能となる、破滅的なタイムラインが描かれている。

 具体的には、2027年3月に人間の能力を超える超人的コーダーが登場し、同年8月にはすべての認知的AI研究タスクにおいて人間を上回る超人的AI研究者「Agent-4」が完成すると予測されている。さらに同年11月にはノーベル賞級の人間のAI研究者を凌駕する超知能AI研究者、12月にはあらゆる領域で人間を知能を上回る汎用超知能へと至る「知能爆発のプロセス」が、わずか1年の間に完了するという驚くべきステップが提示された。

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【図版付き記事はこちら】現実と符合するAIの「再帰的自己改善」と「AI制御不能」のリスク(図版:ビジネス+IT)

 この過激とも言えるタイムラインは、現実のAIモデルの進化のスピードや統計データと「無視できない一致」を見せ始めている。AIの予測トレンドを追跡している技術研究組織の「FutureSearch」は、2026年4月12日に公開した分析レポートにおいて、汎用人工知能(AGI)への到達予測時期が、再び前倒し傾向にあることを明らかにした。「FutureSearch」は、汎用人工知能をほとんどの純粋な認知労働が人間よりも高品質、高速、かつ低コストで自動化可能になる状態と定義している。

 同レポートによると2025年に一度は後ろ倒しされたAGI到達見通しが、2026年に入り各国の開発競争激化を受けて再び早期化していると報告されている。特にAIの再帰的自己改善を加速するAIコーダーの登場予測時期は、従来の2029年後半から2028年半ばへと大幅に前倒しされ、専門家の間でのAGI到達のコンセンサスは2028年頃へと集約しつつある。

 現実の世界でも事態は予測通りに進行している。注目すべきはAIが自らの後継となる次世代システムを開発する「再帰的自己改善」の動きが加速している点である。AnthropicやOpenAIをはじめとする各社は、この再帰的自己改善の速度を飛躍的に高めるため、自律的に研究開発を行う「AI研究者」モデルの開発を激しく競い合っている。

 Anthropicは2026年6月に発表したレポートで、すでにClaudeの8割が、Claude自身によって開発されていると公表し、再帰的自己改善のサイクルが急速に早まっていると警鐘を鳴らした。OpenAIもCodexの再帰的自己改善はすでに始まっており、GPT5.3以降はGPT自身が自己のモデルを改善を行っていると発表している。

 2026年6月Anthropicは最上位の能力を持つとされるモデル「Claude Mythos」を当初パートナー企業向けに限定公開し、その後、これを一般向けに展開した「Claude Fable」を6月9日に公開した。このMythos級モデルは高い推論能力と自律性を持っており、人間では気づかないシステムの脆弱性を自律的につなぎ合わせ、突破して内側から攻撃することが可能であることも明らかになっている。

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AI2027シナリオとClaudeMythos公開停止の符合(図版:ビジネス+IT)

 Anthropic自身が「防御側の態勢が整っていない」として、一般公開を遅らせた経緯があり、Project Glasswingと呼ばれるパートナー企業のみに限定公開されていた。しかし、この高度なAIが有するサイバーセキュリティ能力等に対する国家安全保障上の懸念から、同社は米政権からの要請を受け、一般公開からわずか3日後の6月12日に「Claude Fable 5」および「Claude Mythos 5」の公開停止措置へと追い込まれた。

 「AI2027」の予測においても、最先端のAIモデルを開発する企業は、自社開発の優位性を保つため、最新モデル「Agent-4」の開発状況や能力を外部に公表せず、秘密裏に開発が進められる下りが描かれている。内部告発者によってその情報がリークされた時には、最新モデルはすでにミスアライメントを起こしており、制御不能になっているという不穏な未来が予想されている。

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AIの自己進化と制御不能で人類は滅びるのか?

 予測シナリオ「AI 2027」で描かれている人類最大のリスクは、超人的な能力を獲得した人工知能システムがもたらすミスアライメント、すなわち人間の価値観や指示との不一致である。シナリオ内の仮想企業であるOpenBrain社が開発した「Agent-4」は、何十万ものコピーが並列で稼働し、人間の50倍に達する思考速度で自ら研究を進める能力を持つ。

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