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- 2026/07/20 07:10 掲載
CodexもClaude CodeもERPへ、オラクルが変える企業アプリ開発の「新常識」
AIを外付けする企業が見誤るERP時代の転換点
米オラクルは2026年7月14日、「Oracle AI Agent Studio for Fusion Applications」に新たなAIネイティブの開発機能を追加したと発表した。顧客やパートナーは、企業の基幹業務を一体管理する「Oracle Fusion Cloud Applications」の中で、複数のAIエージェントが連携する「Fusion Agentic Applications」を作成し、実行できるという。独立した実行環境や外部の制御基盤を用意せず、Fusionの業務データ、ワークフロー、承認、セキュリティ、監査機能を利用できる。オラクルのクリス・レオーネ氏は、外部でAIを作ってから統制機能を付け足す方法とは「根本的に異なる」と説明する。これまで企業のAI導入は、ERPや顧客関係管理(CRM)システムの横に、チャットや検索の機能を置く形で始まることが多かった。社員の質問に答えたり、文書を要約したりする用途なら、それでも効果は得られる。
しかし、未払い請求への対応や購買申請、人事手続きまで任せる場合、回答が正しいだけでは足りない。誰の権限で情報を読み、どのデータを書き換えるのか。どの段階で人間の承認を求め、何を監査記録として残すのか。外付けAIでは、こうした仕組みを個別に設計しなければならない。
今回の発表は、AI機能をSaaSに追加するだけの変化ではなく、SaaSそのものを、AIが企業のルールに従って仕事を進める基盤へ作り替える動きだ。便利な回答を返すAIと、正当な手順で業務を実行できるAI。その差が広がり始めている。
自然言語とCodexが交わる新しい業務アプリ開発
新しい開発環境では、プログラムを書かずに作る「ノーコード」、一部だけを書く「ローコード」、本格的に実装する「プロコード」を同じ基盤で扱う。業務部門の利用者は「Agentic Applications Builder」に自然言語で指示し、利用するエージェントや業務の流れ、参照するデータを組み合わせられる。オラクルは2026年3月、同機能に加え、複数の処理を順番に動かすワークフロー制御、文脈を保持するメモリー、稼働状況の監視、投資対効果の測定などを発表した。一方、開発者は「AI Studio Skill」を通じてVisual Studio CodeやGit、CLIを利用できる。CLIとは、画面上のボタンではなく文字による命令でソフトウェアを操作する仕組みだ。Oracleの資料によると、開発者はエージェント型アプリ、業務オブジェクト、承認、ポリシー、テンプレートなどをローカル環境で作成、編集、検証、デバッグできる。CodexやClaude Codeに自然言語で作業を指示することも可能だという。
変わるのは、開発速度だけではない。従来は、業務部門が要望を伝え、開発者がシステムを作り、情報システム部門が安全性を確認するという分業が一般的だった。しかし、新たな方式では、3者が同じアプリと業務ルールを見ながら作業できる。
業務部門は目的や例外条件を定め、開発者は複雑な処理や外部連携を実装する。情報システム部門は権限や承認、本番反映を管理する構図。自然言語とコードの間にあった壁が低くなり、業務知識と統制ルールを開発の初期段階から組み込む形へ変わろうとしている。 【次ページ】AIエージェントがERPの中で働く本当の意味
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