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- 2026/07/24 06:10 掲載
IT部門と現場で「2倍のギャップ」も…ガートナーが指摘、AI活用を阻む“人間的要素”
CIOの認識にある“死角”とは?IT部門と現場の大きなギャップ
ガートナーは2026年、世界の500人以上のCIOを対象に人材計画に関する調査を実施した。ガートナー バイス プレジデント, アナリスト デニス・トリイ氏によれば、「自社の従業員がAIから価値を引き出すため準備態勢が整っているかどうか」を従業員グループ別にたずねたところ、IT部門については「万全に準備ができている」と答えた割合が70%に上った。
しかし同じCIOに、ビジネス部門の管理職や現場スタッフの準備度を問うと、いずれも「準備ができている」と答えたのは50%を下回った。IT部門と非IT部門の比較では、「準備ができている」割合はほぼ2倍の差がある。CIOがIT部門の対応力には自信を持っていても、実際に日常業務でAIを使う人々の多くはそうではないということだ。
この差はなぜ生まれるのか。トリイ氏は、CIO自身の認識に「死角」があると指摘する。同じ調査で、従業員のテクノロジー活用支援を「自分の責任だ」と答えたCIOはわずか38%だった。多くのCIOは、従業員のAIへの準備は自分たちの管轄外だと捉えているのだ。
もう1つ重要なデータがある。IT部門が従業員のテクノロジー活用支援に積極的に関与しない場合、AIに対応できる従業員の割合は組織全体の29%にすぎない。逆に、IT部門が主導的に関与すればその割合は54%に上昇する。
「IT部門が主導的な役割を担うことで、組織全体の準備度を底上げできる」とトリイ氏は述べる。ではIT部門は、何から着手すべきか。
「AIに仕事を奪われる」という恐れに、企業はどうすべき?
従業員が抱く「恐れ」に、正面から向き合う必要がある。ガートナーが最近実施した別の調査では、「今すぐAIに仕事を奪われる可能性がある」と考えている従業員が17%、「5年以内に奪われる」と考えている従業員が21%いた。しかしトリイ氏は、正直に答えられない人はもっと多いはずで、実態としての不安はずっと大きい可能性があると指摘する。この恐れへの対処は、まずAIと人間の役割分担を明確にすることから始まる。人間が得意なタスクとAIが得意なタスクはそれぞれ存在する。重要なのは、両者を「組み合わせる」ことだ。AIは人間の代替でも補完でもなく、「パートナー」だという考え方が土台になる。実践に落とすうえでは、3つの動きを組み合わせる。職務やニーズに合ったツールを見極めること、ストレスの大きい作業をAIに任せて早期に効果を実感すること、そしてツールも含めて改善を続けることだ。
評価指標の見直しも欠かせない。たとえば「請求書を1日に500枚処理した」といった従来の作業量を測る指標は、AIが普及した環境では従業員の成功を測る指標にならない。今後は、たとえば処理精度の改善やプロセスを再設計する能力こそが評価されるべきだ。
評価指標の見直しやツール導入といった環境整備は、あくまで第一歩にすぎない。では、実際に現場の従業員がAIを「パートナー」として使いこなすためには、具体的にどのような能力を身に付ける必要があるのか。 【次ページ】AI活用の成功に欠かせない「戦略的思考スキル」とは?
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