- 2026/09/07 06:40 掲載
ワインさえ「AIソムリエ」の時代が到来? 人間が担う「最後の仕事」の意外な正体
富裕層向けブランド体験の「物語」を紡ぐナラティブ・マーケティングをプロデュース。また、情報伝達を超えた行動を仕組化し、個の全盛時代において、ラグジュアリー市場での持続的成長を実現する知の「価値共創」戦略を構築する。プレミアムブランドの世界観を体現する戦略的プラットフォームの商品化を手がけ、ミシュラン・ガストロノミーから超高級ライフスタイルまで、文化的価値を経済価値に転換するマーケティング、ブランディングを専門とする。「to create a Real LIFE 敏腕マーケターが示唆するこれからの真の生き方とは」「Life is a Journey」「食と文化の交差点 ガストロノミーへの飽くなき情熱」「食彩探訪」「プレジデントオンライン」「saison luxury lounge」「PEAK Lounge」「PAVONE」などのメディア掲載・連載を通じて真のラグジュアリーとは「所有」ではなく「体験」であり、その体験に宿る物語こそがブランド価値の源泉である――という信念のもと、富裕層マーケティングの新境地を開拓し続けている。主要著書に『予測感性マーケティング』(幻冬舎)、『アフターコロナ時代のトラベルトランスフォーメーション』(ゴマブックス)、『GRAND MICHELIN ミシュラン調査員のことば[特別編集版]』(アンドエト)がある。
ワイン通ほど危ない?知識が増えるほどダメなワケ
グラスを傾ける。最初の一滴が舌に触れる。あの瞬間の「おや?」という小さな驚き。あれこそがワインの醍醐味だと思う。ラベルでも、点数でも、値段でもない。予想と実際のあいだに生じた、ほんのわずかな段差。そこに転びかけて、はっと立ち止まる感覚である。
ところが厄介なことに、ワイン愛好家というのは経験を積むほど、この段差を踏まなくなっていく。「このシャトーはこういう味だ」「このヴィンテージは、はずれ年だ」──知識が増えるほど、答え合わせが早くなる。飲む前に結論が出ている人は、もう味わっていない。照合作業をしているだけだ。
そもそも人間の味覚など、恐ろしく不安定である。同じボトルでも、寝不足の夜と、休暇二日目の夕暮れでは別物になる。誰と飲んでいるか、部屋の温度、その日の献立、機嫌。全部が舌に乗ってくる。これを欠陥だと思う人もいるが、筆者はここにこそワインの芸術性があると考えている。再現不可能だからこそ、体験になる。
さて。その、どうしようもなく人間的な世界に、いま最先端のAIが静かに入り込んでいる。一体どのようにだろうか。 【次ページ】AIがソムリエの「雑務」を奪い始めた?
AI・生成AIのおすすめコンテンツ
AI・生成AIの関連コンテンツ
PR
PR
PR