- 2026/09/07 06:10 掲載
東大・稲見教授に聞くAI時代の「人間の価値」、最後に残る“2つの資源”の正体
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東京大学教授の稲見昌彦氏は、AIが得意なのはすでに情報として蓄積された「ググれる世界」だと指摘しつつ、今後も人間には「2つのリソース」が残されると話す。ではその2つとは一体何を指すのだろうか。AIは人間を置き換えるのか。それとも、人間の能力を広げる新たな道具になるのか。そして、AI時代にも失われない「価値」とは何なのか。「東京大学カオスキャンプ」も主催する稲見氏に、人間とAIの関係から、人に残る「重要な仕事」まで聞いた。
スマホ・インターネットとAIの「決定的」な差
──AIについて、人間を置き換える存在なのか、それとも超人化、あるいは人間を「拡張」する存在なのか、どのように見ていらっしゃいますか。稲見 昌彦氏(以下、稲見氏):人間を置き換えることはないと思いますが、人間が行っているタスクの一部を置き換えることは、どんどん増えていくと思います。ただその分、人間が新しい仕事や役割を見つけていくのではないかな、というのが現時点の考え方です。その見つけ方として、AIやロボットを自分の一部として使いながら、「新しい人間」として活動していくのではないでしょうか。
──これまでも、たとえばインターネットやスマホの登場など、人間社会を変えるようなテクノロジーが出てきたと思います。それらとAIに差を見いだされていますか。
稲見氏:道具として見たときに、種類は完全に変わったなと思います。東京大学の同僚である暦本純一先生とも議論したことがあるのですが、今まで人が作ってきた道具というのは、たいてい、次元を下げています。たとえば、空中で細かい作業をするのが難しかったのが、机という道具によってきちんと文字を書けるようになりました。写真という発明も3次元空間を2次元に落としていますし、文字にしたって、身ぶりや手ぶりなどで伝えていた高次元の情報を少ない次元に落としていく。
それが、生成AIで初めて次元を増やせたのではないかということです。言葉だけから映像ができたり、絵を描いたらそれを3次元にすることができるようになったのは、今までの道具とは種類が違う、という感覚です。
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