- 2026/09/25 16:05 掲載
老舗倒産112件“過去最多”ペース…「100年企業」に何が? 製造・卸売・小売で相次ぐ
100年超「老舗企業」の倒産112件、過去最多ペース
帝国データバンクは9月25日、創業・設立から100年以上の業歴を持つ「老舗企業」の倒産動向を発表した。2026年1~8月の倒産は112件に達し、年間換算では160件を上回るペースで推移している。2024年に記録した過去最多の146件を更新する可能性があるという。なお、同社の2026年上半期集計でも老舗企業の倒産は78件と、前年同期の61件から27.9%増えていた。業種別では「製造業」が34件で最も多く、「卸売業」が24件、「小売業」が22件、「建設業」が16件と続いた。長年にわたって信用や顧客基盤、技術・ノウハウを積み重ねてきた企業でも、後継者難や物価高への対応が難しくなるケースが相次いでいるという。
倒産規模では、負債1億円未満が56件と全体の50%を占めた。一方、負債10億円以上の大型倒産は4件あり、このうち3件では簿外債務や売掛金、在庫の水増しなどのコンプライアンス違反が倒産の引き金になったという。
最大の負債を抱えたのは、1925年創業で水道工事などを手がけていた狩野組。1月7日に東京地裁から破産手続き開始決定を受け、負債は約36億円だった。帝国データバンクによると、バブル期の不動産投資に伴う約33億円の簿外の借り入れが2025年に判明。債権者から売掛金を差し押さえられ、資金繰りが悪化したという。
また、1901年創業の紙器メーカー、小野部製凾所も5月26日に東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。同社の事業については、その後ディーソルが破産管財人との間で事業譲渡契約を締結し、生産設備や従業員、長年培われた技術・ノウハウを承継すると発表している。
老舗企業だけでなく、企業倒産全体も高水準にある。帝国データバンクによると、2026年1~8月の倒産は7,199件。物価高倒産は762件と前年同期から23.9%増え、人手不足倒産も304件に達した。さまざまなコストが上昇するなか、価格転嫁による収益力の維持・拡大などへの対応力が、事業継続に一段と重要になっている。
帝国データバンクは、老舗企業には長年培った信用や顧客基盤、技術・ノウハウ、保有資産という強みがある一方、価格転嫁などによる収益確保や、技術・ノウハウの早期継承、人材育成が一段と重要になると指摘。会計管理やガバナンス体制の見直しも必要としており、中小・小規模事業者が多い老舗企業の倒産は今後も高水準で推移する可能性があるとみている。
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