- 2026/09/05 06:40 掲載
津田沼PARCO跡地が「広場」に、なぜすぐ再開発しない? 駅前一等地の新戦略とは
駅前一等地なのに「広場」? 津田沼PARCO跡地の活用策
三井不動産レジデンシャルは9月4日、JR津田沼駅北口の津田沼PARCO跡地に、駅前広場「ツダヌマ エキマエ ATOCHI」を10月1日に開業すると発表した。同社によると、約2,800平方メートルの敷地のうち約1,100平方メートルを広場とし、残る約1,700平方メートルには時間貸し駐車場54台と駐輪場205台を整備する。キッチンカーや音楽ライブ、地元商店会などと連携したイベントも予定しているという。一見すると、不思議な使い方だ。JR東日本によると、津田沼駅の2024年度の1日平均乗車人員は8万9,445人で、同社管内43位。しかもATOCHIはJR津田沼駅から徒歩1分という一等地だ。そこにすぐ高層マンションや商業ビルを建てるのではなく、まず広場をつくるのである。
なぜPARCOが消えた駅前一等地をすぐ再開発しないのか。実は開発そのものが止まっているわけではなく、三井不動産レジデンシャル自身もATOCHIについて「将来的な開発までの期間を暫定活用」する取り組みと説明している。その先には、広場よりはるかに大きな駅前再編が控えているという。
実は開発は進行中、「すぐ建てない」のには事情がある
船橋市が2026年5月に都市計画審議会へ示した資料を見ると、将来計画の輪郭が分かる。対象となるのは旧PARCO A館跡地の「A街区」約2,800平方メートルと、現在の津田沼ビートがある「B街区」約4,000平方メートル。合わせて約6,800平方メートルが計画地として示されている。A街区は船橋市約2,200平方メートル、習志野市約600平方メートルと、2市にまたがる立地でもある。事業者案では、単純に大型商業施設を復活させるわけではないようだ。「商業・業務・住まい・広場等」を創出するとともに、歩行空間と交通機能の改善によって回遊性を高める方針だという。船橋市資料では「人と賑わいが『めぐる』まちづくり」をコンセプトに掲げており、買うだけではなく、住む、働く、集う機能を駅前に組み合わせようとしている。
しかも、都市計画手続きは2026~27年度に進める予定で、途中からは船橋市と習志野市が同時に手続きを進める。したがってATOCHIは、「次に何を建てるか決まらないから生まれた空き地」とは言い切れない。本格的な開発には一定の時間が必要であり、その期間にも駅前を閉じたままにしないのだという。 【次ページ】津田沼だけじゃない、再開発まで「遊ばせない」発想
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